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作成年月日:2018年7月1日

海外情報プラス

インド情報 2018年6月

●女性の危険、インドは世界最悪

英トムソン・ロイター財団は人権に関する最新の調査で、女性にとって最も危険な国はインドであると発表した。2011年に調査を開始して以来、性暴力や強制労働など女性を取り巻く状況は悪化しているという。総合評価でワースト1のインドは、性暴力、政略結婚などの伝統的な慣習。強制労働や性的奴隷を含む人身売買が最も危険な問題と指摘した。インド政府の統計によると、女性を標的にした犯罪は2007年から2016年の間に83%増加。1時間に平均4件の性的暴行が報告されている。

●駐在員生活費、印はムンバイの55位が最高

米コンサルティング大手マーサーの「2018年世界生計費調査」では、インドの都市ではムンバイが55位で最も高かった。2017年調査から2つ順位を上げた。インドはムンバイを含む5都市が対象で、うち首都ニューデリー(103位)、チェンナイ(144位)、同カルナタカ州ベンガルール(バンガロール、170位)は、それぞれ2017年から順位が下がった。東部・西ベンガル州コルカタは184位から182位に上昇した。

●雇用者数、約69万人増、4月、過去8カ月間の最多

インド政府の統計・計画実行省(MOSPI)は国内の雇用者数が2018年4月には68万5,841人ほど増加したと発表した。2018年4月の雇用増は2017年9月以降の8カ月間では最多だった。また、2017年9月〜2018年4月を合わせた雇用者の増加幅は412万6,138人。年齢層別に見ると、18歳以下が5万2,215人、19〜21歳が143万388人、22〜25歳が118万8,268人、26〜28歳が40万4,243人、29〜35人が53万1,387人、36歳以上が51万9,637人となっていた。

●トラック運転手のスト中止、政府と協議へ

インドのトラック運転手800万人以上が加盟する貨物車両所有者協会全インド連合はディーゼル燃料(軽油)や通行料の値上げ、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料の上昇などに抗議して6月18日から実施していた全国規模のストライキを中止した。今後、政府と協議する見通し。再度ストを行うかどうかは「政府との協議の結果による」との認識を示した。

●デリー開発公社、住宅地での酒類提供を禁止

インドのデリー開発公社(DDA)は基本計画「デリー2021」の修正案を承認し、管轄地域内の住宅地における酒類提供を禁止することを決めた。酒店のほか、パブ、ディスコ、クラブが規制対象。ビルの一部に入居することも禁止され、住宅兼用の店舗も認められない。DDAはこれらの業者の救済を検討していたが、最高裁判所は5月、15日間にわたって住民の意見を聴取するよう指示。住宅地での酒類提供に対する多くの反対意見が寄せられたため、DDAは禁止を決めた。

●社員食堂、プラスチック食器削減の動き

インドに拠点を置く企業の社員食堂などで、プラスチック削減の動きが出てきている。地場複合企業(コングロマリット)RPGグループは食器を全てガラスや磁器などに切り替えたという...。RPGは約400人の従業員を抱える西部マハラシュトラ州ムンバイの本社で、プラスチック製のスプーンや皿をガラスなどに切り替えた。従業員にステンレス製の水筒も配布している。近く、全国の拠点に広げる計画だ。ITサービスの米系コグニザントも、従業員にマグカップの持参を促すなど、ゴミ削減に努めている。
インドでは、マハラシュトラ州政府が3月にプラスチック製品の使い捨てを禁止。
南部タミルナド州も2019年1月からプラスチックの使用を規制する意向を示している

●準備銀、海外送金の規制強化

インド準備銀行は送金自由化スキームを通じた海外送金の規制を強化すると発表した。2万5,000米ドル(約275万円)未満の送金でも、納税者番号(PAN)の通知を義務付ける。インドに居住する個人はLRSに沿って、年間25万米ドルを上限に、準備銀の事前許可なしで海外に送金できる。これまでは銀行口座からの2万5,000米ドル以上の送金に際してPAN通知が求められていた。今後は同額未満の送金も通知が必要となる。

●ごみ処理、デリーは廃棄量の75%にとどまる

インド科学環境センター(CSE)が実施した都市別 のごみ処理状況の調査で、デリー首都圏(NCR)は年間に廃棄されるごみの最大75%しか処理していないことが分かった。CSEによると、NCRの南デリー都市公社(SDMC)と東デリー都市公社(EDMC)のごみ(含水廃棄物と乾燥廃棄物)の処理量は年間に捨てられる量の33〜75%にとどまった。また、両都市ではごみの33%未満しか分別されていないことも明らかになった。

●全教室に監視カメラで議論、学校で事件続発

インドの首都ニューデリーで、公立学校の教室全てに監視カメラを設置する計画が進んでいる。学校で子どもが殺害されるなどの事件が相次いだことによる措置で、保護者がスマートフォンを使い、様子をリアルタイムで見られるシステムを導入する予定だ。学校側は安全対策の強化をアピールするが、実効性を疑問視する意見もある。

●8割が通勤時間の短縮希望、米社調査

職場が近くなるなら給料が減っても構わないとビ ジネス向けの米交流サイト(SNS)大手リンクトインの調査で、8割近いインド人が通勤時間の短縮を望んでいることが分かった。時間短縮によって仕事の生産性が高まるとの回答は47%、職場が近くなるなら減給を受け入れるとする回答は6%に上った。

●食事宅配件数、1〜3月は1日60万件に拡大

インドのオンライン食事宅配サービスの利用が、1〜3月に大きく拡大した。同期間の1日当たりの平均受注件数は60万件に達している。地場調査会社レッドシアー・マネジメント・コンサルティングの調査によると、1〜3月の1日平均の受注件数は、前期比で30%増、前年同期比では93%増を記録。3月に受注が急増したことが、大幅な伸びにつながった。

●技能訓練・向上センター、400カ所に設立へ、マルチ・スズキ

マルチ・スズキ・インディア(MSIL)は 部品納入業者と共同で、2020年までに400カ所の技能訓練・向上センターを設立すると発表した。同センターは“DOJO”と呼ばれ、新人の研修を行うとともに、既存工員の再 訓練を実施する施設。実際の現場を模して造られており、工員は工場で働いているのと同じような環境で訓練を受けられる。

●インドは深刻な水不足、NITI委

インド政府のシンクタンクである国家インド変革機構委員会(NITI委)はインドの水資源管理に関する報告書を発表し、その中で、インドは史上最悪の水危機に直面しており、何百万人も の命が危険に晒されていると述べた。報告書は「現在、6億人が深刻または非常に深刻な水危機に直面しており、毎年約20万人が安全な水への適切なアクセスがないために死んでいる。危機はさらに悪化する。
2030年までに国の水需要は供給の2倍になると予想される。これは何億人もが深刻な水不足を被り、GDPの6%の損失を意味している」としている。

●5月の新卒者採用は15%増加、ナウクリ調査

インド最大の求人・求職サイト「ナウクリ・ドット・コム」は5月の国内企業の新卒者採用が前年同月比で約15%増加したと明らかにした。5月は新卒者以外の採用活動も好調で、ナウクリが作成しているインターネットを通じた企業の採用活動を示す指数「ナウクリ・ジョブ・スピーク・インデックス」は前年同月比11%上昇した。

●政府が給与体系を再考、社会保障の負担強化

インド政府は国内企業の給与体系の見直しを計画している。給与総額に占める基本給の割合が小さくならないよう規定し、企業による社会保障負担を強化する。実現に向けて労働法の改正を検討している。残業や家賃、出張などに対する手当の総額が基本給の50%を超えないよう規定する。新案では、1カ月の給与総額が2万ルピー(約3万3,000円)で基本給が8,000ルピーの場合、手当は最大4,000ルピーとし、定年退職の積立基金や保険などの社会保障負担が残り8,000ルピーに含まれる構造を目指す。

●IT大手の昇給率、昨年度は最大9%

インドのITサービス企業の昇給率が伸び悩んでいる。2017年度の大手3社の昇給率は6〜9%だった。事業環境が厳しくなり、売上高が低迷していることが主な要因。昨年度の昇給率は、最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)が6%、インフォシスが6〜9%、 ウィプロが6〜7%だった。本年度はTCSが昨年より低下し2〜6%、ウィプロは昨年と同水準。インフォシスは、最大で1桁台後半となっている。

●サムスン、工科大などから約1千人を雇用

サムスン・インディアは今年、インド工科大学(IIT)など工学系の大学から約1,000人の卒業生を技術者として雇用した。昨年の採用者数は約800人だった。今年の採用者は、人工知能(AI)や機械学習(ML)、IoT(モノのインターネット)、自然言語処理など、最先端分野の研究に取り組むことになる。

●工学系の学生の9割超、IT業界に適さず

インドのITサービス大手テック・マヒンドラのグルナニ最高経営責任者(CEO)がこのほど、工学系の大学の卒業生の94%はIT業界での就職に適さないとの考えを明らかにした。グルナニ氏は大学で身に付ける知識や技術と職場で求められる能力のギャップを問題視している。背景には、人工知能(AI)やブロックチェーンなど、ITの急速な進歩があるようだ。

●国営航空で給与遅配、操縦士が措置検討

インド国営航空エア・インディアは5月分の従業員の給与支払いが6月15日に遅れると明らかにした。給料の遅配は3カ月連続。こうした状況を受け、同社の操縦士は対抗措置を取る構えを示している。エア・インディアは6日、従業員に対して給与の遅配を通達した。同社従業員の給与は通常、月末に支払われる。これに対し、エア・インディアの操縦士が加盟するインディアン・コマーシャル・パイロット連盟(ICPA)の地域支部が、給与が支払われるまで同社の運営に協力しないとする書簡をICPAの中央委員会に送付した。書簡では「(給与の遅配により)財政的ストレスや精神的な苦痛を受け、運航の安全性に影響を及ぼす過 度の疲労を引き起こしている」と警告した。


以 上


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