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作成年月日:2019年6月1日

海外情報プラス

インド情報 2019年5月

●カルナタカ州からTN州への放水を命令、カーヴェリ川水管理庁

南インドを流れるカーヴェリ川の水資源管理や配分を管轄するカーヴェリ川水管理庁(CWMA)は、カルナタカ州の貯水池からタミルナードゥ州に、6月中に2,800万立方メートル)を放水するよう命令した。CWMAは、「(放水量は)全会一致の決定。予報では平年並みのモンスーンの降水量が見込まれ、貯水池の貯水レベルを考慮し、我々は6月に(カルナタカ州からTN州に)9.19tmcftが放水されるよう命令する」としている。カーヴェリ川の水の配分を巡っては、上流のカルナタカ州と下流のタミルナードゥ州で長年にわたって争いが繰り返され、ときには暴動なども発生する重要問題になっている。

●商工省、新政権下で物流当局を立ち上げへ

インド商工省は新政権の発足に向けて、物流専門当局の新設を提案した。インドには物流全般を管理する専門の政府機関が存在しない。商工省は海運、陸運、鉄道輸 送などを統括する専門部署を設けることで、物流のコスト削減と効率化を目指す考えだ。

物流当局の設置は今年1月に、首相直属の経済諮問委員会(PMEAC)からも提案されている。新部門の設置と並行して関連部署は、複数の輸送手段を組み合わせる「マルチモーダル輸送(複合一貫輸送)」に特化した政策や、業界の一体化・物流の効率化に向けたアクションプランの策定を進めるとみられる。

●燃料小売市場、非石油企業の参入容認へ

インド政府は、非石油企業による車両用燃料小売り事業への参入を容認する方針だ。石油・天然ガス省が28日から2週間の期限で建議書への意見を求めている。現行制度では、燃料小売り事業への参入が可能なのは製油所を保有・運営している企業か、原油を探査・生産している企業に限られる。

●昨年度のFDI流入、横ばいの444億ドル

インド商工省傘下の産業・国内取引促進局(DPIIT(旧DIPP))は、このほど、2018年度の海外直接投資(FDI)流入額(速報値)が前年度比1.1%減の443億6,600万米ドル(約4兆8,500億円)だったと発表した。セクター別では、金融や研究開発(R&D)などを含めたサービスが91億5,800万米ドルで最も多かった。コンピューター・ハードウエア&ソフトウエア、貿易、通信、自動車産業、建設が続いた。

●石炭生産、2028年まで年平均4%の成長維持

格付け大手フィッチ・グループ傘下のフィッチ・ソリューションズ・マクロ・リサーチは、このほど、インドの燃料炭生産量が2028年まで年平均4.3%の伸び率を維持するとの見通しを示した。PTI通信が伝えた。フィッチはまた、インドの今年の石炭需要について、環境問題などへの配慮から縮小すると予想した。中国などでも石炭消費量の減少が見込まれる中、国際的に生産は順調なことから、今年の燃料炭価格は1トン当たり85米ドル(約9,400円)になると予測している。

●不動産開発権の移転は非課税、裁判所指摘

インドの連邦直轄地チャンディガルの裁判所は、譲渡性開発権(TDR)はサービス税の適用対象外との認識を示した。不動産開発業者には朗報となる。TDRは不動産の所有者が持つ権利で、開発業者に譲渡した場合、金銭や開発後の物件といった対価を受け取ることができる。だが、税法上の扱いが不明瞭な時期が長く、旧サービス税制の下で多くの裁判の原因となってきた。

●第2次政権、労働法改革の推進に意欲

インドの第2次モディ政権は、1期目から取り組んで いる労働法の改革を推進する見通しだ。モディ政権2014年の発足以降、40件以上の労働関連法を賃金、労使関係、社会保障、職場の安全・健康・労働条件の4点を軸として、4法案に整理・集約する方針を掲げている。第1次モディ政権は、このうち賃金規程法案を閣議承認し、下院に提出したが、成立には至らなかった。

●国営航空の売却再始動、今回は全株放出へ

インド政府は、国営航空エア・インディアの売却に再び動き出した。失敗に終わった昨年の入札を踏まえ、今回は全株式を放出する方針。政府は昨年、経営難の続くエア・インディアの民営化・入札を実施したが、政府が株式24%を保持する方針などが障害となって不調に終わっていた。関係者によると、政府は前回の反省を踏まえ、今回は株式100%の放出を検討している。買い手の候補となる企業への再接触にも乗り出しており、1カ月以内に関心表明書(EOI)の募集に着手するという。

●雇用者数、81万人増、3 月、過去19カ月間で2番目の多さ

インド政府の統計・計画実行省(MOSPI)は25日、国内の雇用者数が2019年3月には 81万4,812人ほど増加したと発表した。従業員年金基金機構(EPFO)が集計した従業員年金基金(EPF)への新規加入者/再加入者数と、同基金からの脱退者数に基づく数字。2019 年3月の雇用増は1カ月前(2019年2月)の78万8,029人(改定値)を上回り、当該データの公表が始まった2017年9月以降の1年7カ月(19カ月)間では、2019年1月の83万1,058人に次いで、2 番目の多さを記録した。

●インド人の米国留学、伸びが低迷

インドで教育ローンを受けて米国に留学する学生の数が、トランプ政権発足後に伸び悩んでいる。米国の査証(ビザ)発給要件や移民政策の厳格化が原因とみられる。2017年度に教育ローンを受けて米国に留学した学生の数は、前年度比5%増の19万6,271人だった。オバマ前大統領時代は、2013年度(10万2,673人)から2016年度(18万6,000人)の間に約1.8倍に増えている。

●今年度の印成長率7.0%に、国連、来年度は7.1%へ

国際連合(国連、UN)は 「世界経済の現状と展望:2019年(中間見直し)」にて、 2019年度の印実質国内総生産(GDP)成長率を前年比7.0%と予測した。1月時点の見通しである同7.6%から0.6%ポイントの下方修正

●グジャラート州の職業訓練校にCoEを開設、マルチ・スズキ

スズキ(SMC)のインド子会社で、印乗用車メーカー最大手のマルチ・スズキ・インディア(MSIL)はグジャラート州政府と共同で、同州のベチャラジにある職業訓練校(ITI)にセンター・オブ・エクセレンス(CoE)を開設したと発表した。同社による企業の社会的責任(CSR)活動の一環。ITIにおける技能教育の向上を図るとともに、自動車業界に関する技能訓練の機会を学生に提供し、若年層の雇用を促進する狙いだ。

●電子決済の件数を3年で4倍に、

インド準備銀行(中央銀行)は先週、電子決済の普及 に向けた政策文書を公表した。2021年までの3年間が対象で、同年12月の電子取引の件数を2018年12月比4.2倍の870億7,000万件に引き上げる考え。

●ファーウェイのスマホ、印で販売継続困難か

中国の通信設備・機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対して米グーグルがスマートフォン向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」の提供を停止したことを受けて、ファーウェイのスマホがインド市場から姿を消す可能性が出てきた。ファーウェイは「国内にある在庫分の販売は続ける」としているが、OSやアプリ入手機能「グーグルプレイ」で問題が出る可能性があることから、専門家らは販売継続は困難との見方だ。

●エネルギー投資の伸び、インドは世界最大

国際エネルギー機関(IEA)は、このほど発表した報告書で、インドにおける2018年のエネルギー関連投資額は約850億米ドル(約9兆3,000億円)だったと明らかにした。国・地域別では4位で、2015年比の増加率は世界トップの12%だった。

●中古携帯の輸入解禁、政府が方針転換

インド政府は、中古携帯電話の輸入を解禁した。商工省が7日付で通達を出した。通達では、中古品も輸入規制の対象になると明示した上で、インド標準局(BIS)の認証か、電子・情報技術省から例外措置の適用を受ければ輸入は可能だとしている。

●自動車販売低迷で部品業界打撃、生産縮小も

インドの自動車市場の低迷が、部品メーカーに影響を及ぼし始めた。小規模メーカーへの打撃が特に大きく、既に生産を縮小した企業もある。北部パンジャブ州ルディアナを拠点に、乗用車や二輪車向けの板金部品を生産するスワン・オートモーティブは、工場の稼働日数を1週間当たり4〜5日に減らした。

●貿易赤字、4月は153億米ドルに拡大

2019 年4月の貿易収支(速報値)は、153億3,000万米ドル(約1兆6,780億円)の赤字だった。前月から輸出が大きく減少したため、赤字額は拡大した。輸出額は前年同月比0.6%増の260億7,000万米ドルで、伸び率は前月の11.0%から大きく鈍化した。

●中国鉄鋼製品、貿易戦争で印が流入拡大危惧

米中貿易戦争の激化を受けて、インドの官民双方が、中国からの鉄鋼製品の過剰流入を警戒している。国内鉄鋼業界は中央政府に対して、輸入増加を食い止めるために25%の関税をかける緊急輸入制限(セーフガード)の発動を求めているという。

●EV普及策の補助金、二輪車の条件緩和検討

インドの重工業省は、エコカー購入支援制度「EV生産・普及促進(FAME)インディア」第2期の補助金対象となる電動二輪車の条件を緩和する方向で検討している。FAMEの第2期は4月1日に始動したが、業界からは「条件が厳しいため対象のモデルがない」との声が上がっていた。第2期では対象となる電動二輪車の基準について、加速度が0.65メートル毎秒毎秒(m/s2)以上、国産化率が5割などの条件が設定されている。また、第1期では電動二輪車1台に対して2万2,000ルピー(約3万5,000円)の補助金を一律に支給していたが、第2期ではバッテリーの容量1キロワット時(kWh)ごとに1万ルピーを支給する内容に変更された。

●ジェット問題、右派労組が空港閉鎖を警告

インドの民間航空大手ジェット・エアウェイズが資金難に陥り、先月半ばから運航を停止する中、ヒンズー至上主義政党「シブ・セナ」系の労働組合「バルティヤ・ カムガル・セナ」が、同社の従業員の利益を守るためとして、西部マハラシュトラ州ムンバイの空港を閉鎖に追い込む構えを見せている。シブ・セナは同州を主な地盤とする地域政党で、労組には空港の地上職員や技師、保安要員などが加入している。

●女性活動家ら連日の拘束、最高裁長官セクハラ無罪に抗議で

ゴゴイ最高裁長官が自身のセクハラ疑惑について最高裁の内部調査で無罪とされた問題で、デリー警察は8日、デリー中心部コンノート・プレイス付近で抗議活動を行った女性活動家ら17人を一時拘束した。警察は7日にも最高裁前で抗議活動を行った50人余りを一時拘束している。女性活動家らはコンノート・プレイスのラジヴ・チョウク地下鉄駅出口付近で、「最高裁は恥を知れ」などと書かれたプラカードを持って集会を開こうとしたところを拘束された。

●失業率、7.6%に上昇、4月、30カ月ぶりの高水準に

民間シンクタンクのインド経済調査センター(CMIE)は 印失業率が2019年4月には7.6%になったと発表した。1カ月前(2019年3月)の6.7%と比べて0.9%ポイントの上昇、2018年12月の7.0%や2019年1月の7.1%、同年2月の7.2%も上回り、2016年10月以来、2年6カ月(30カ月)ぶりの高水準に達した。

●スマホ市場、6割超が中国勢、各価格帯で競争激しく

インドのスマートフォン市場で中国ブランドの躍進が続く。香港の調査会社カウンターポイント・リサーチによると、2019年1〜3月期の合計シェアは過去最高の66%に拡大した。低価格帯を強みとする小米科技(シャオミ)の販売がやや後退する中、中価格帯の製品に力を入れるブランドがシェアを伸ばした。販売価格3万ルピー(約4万8,000円)以上の高価格帯でも中国勢を中心に競争が激しくなっている。


以 上


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