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インドネシア

作成年月日:2018年9月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2018年8月

今月のテーマ

「Asian Games 2018の成果とこれから」


今年8月18日から9月2日にかけてインドネシアで開催されたAsian Games 2018(第18回アジア競技大会)。今回のアジア競技大会では、アジア各地から45カ国・地域が参加し、42競技465種目が行われました。アジア競技大会としてはこれまでで最大規模です。開会式ではジョコ・ウィドド大統領がバイクに乗ってスナヤンのグロラ・ブンカルノ競技場のメーンスタジアムに登場する演出などで観客を沸かせ、国際大会として相応しい盛大な幕開けをしました。そして各国の選手らの活躍にジャカルタ・パレンバンが熱気に包まれるなか、16日間ですべての競技種目が終えられました。9月2日に閉会式を迎え、ユスフ・カラ副大統領は「インドネシアは、設備・施設、運営、成績の3つで成功を収めた」とあいさつし、第1回大会が開かれたニューデリーで採火した聖火や大会旗がジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事らから、次回2022年大会を開催する中国・杭州に手渡され、第18回アジア競技大会は閉幕しました。

 

当初ベトナムのハノイでの開催を予定していたアジア競技大会が急遽インドネシアで開催されることに決まってから、国際的なイベントを行うのに相応しい都市にするためにジャカルタ・パレンバンを中心にインフラ整備を急ピッチで進められてきました。スナヤンのグロラ・ブンカルノ競技場ではメーンスタジアム、立体駐車場、各競技施設を結ぶインナーリングロード、Wi-Fiスポットの設置、街頭灯、監視カメラの設置、また周辺地域では歩道の整備、交通規制、選手村の宿泊施設、さらにパレンバンでは空港から競技会場の複合競技施設ジャカバリン・スポーツ・シティ(JSC)につながる高架式の次世代型交通システム(LRT)など大規模な改修工事がいたるところで行われ、アジア競技大会の開催をきっかけに都市の印象は大きく変わりました。


また、運営では、競技実施時間の急な変更、チケット販売の不備、選手村の蚊の大量発生、メダル授与式で国旗が落ちる、競技用タイムウォッチが止まるなどの問題は発生しましたが、各国からたくさんの人が集まる国際イベントで懸念されていたテロなど大きな事件や事故を発生させることなく、無事に開催ができたことも大きな成果といえると思います。オーストラリア大使館からはテロ発生の警告も発せられていたなか、対テロ特殊部隊はインドネシア全土で直近4ヶ月の間に260人のテロリストを検挙し、インドネシア国家警察は各会場にも厳重なセキュリティを配置するなど、安心して競技を観戦できるようにされていました。


また、成績では、インドネシアは金31個、銀24個、銅43個を獲得し、中国、日本、韓国に次ぐ、総合4位という好成績を残しました。2014年に韓国のインチョンで開催された前回大会では、金4個、銀5個、銅11個の総合17位だったことを考えると、すばらしい成績です。今回のアジア競技大会におけるインドネシアの目標であった金16個以上、総合10位という目標も大幅に上回り、これまでのアジア競技大会でのメダル獲得数で最多を記録しました。目標を達成したジョコウィ大統領は「より大きな大会を開催できる」と話し、2032年夏季オリンピック招致を計画すると発表しました。


目標を達成し、さらに弾みをつけたいインドネシアは、来年フィリピンのマニラで開催される東南アジア大会(Sea Games)、2年後に開催される東京オリンピック、2024年のパリオリンピック、2028年のロサンゼルスオリンピックに向けて課題が残されています。アジア競技大会での参加国は45カ国・地域でしたが、オリンピックでは200カ国以上が参加するということ。今回インドネシアは金メダルを31個獲得しましたが、プンチャックシラット、ジェットスキー、マウンテンバイク、パラグライダー、武術太極拳と、その多くはオリンピック種目外のもので、うち19個はこれまでオリンピック種目でなかった競技での獲得だったことです。なかでもインドネシア発祥のプンチャックシラットでは14の金メダルを獲得しています。東京オリンピックで行われる種目のうち金メダルを獲得したのは、バドミントン、カヌー、空手、テニス、テコンドー、自転車競技、重量挙げ、スポーツクライミング。今後のさらなる選手の強化と世代交代につなげるためには、政府が準備するファシリティがひとつの鍵になると考えられています。


ジョコウィ大統領は、さらなる選手の育成と発展のために、国家予算から2,100億ルピアを準備し、アジア競技大会での活躍に貢献した選手、コーチ、アシスタントコーチらに報奨金を渡すことを決めました。個人種目でメダルを獲得した選手には金で15億ルピア、銀で5億ルピア、銅で2億5,000万ルピア、ダブルス種目でメダルを獲得した選手には個人に金で10億ルピア、銀で4億ルピア、銅で2億ルピア、団体種目でメダルを獲得した選手には個人に金で7億5,000万ルピア、銀で3億ルピア、銅で1億5,000万ルピアが与えられます。さらに報奨金だけでなく、金メダルを獲得した選手には家が与えられ、メダル獲得選手全員に青少年・スポーツ省の国家公務員としてのポストを準備すると話しています。


アジア大会の開催から少し間隔をあけて、10月6日から13日にかけてアジアパラ競技大会が行われることも忘れてはいけません。アジアパラ競技大会は、アジア競技大会と同じくアジア各国から選手が集まる障害者スポーツの総合大会で、アジアパラリンピック委員会が運営主体となって、2010年に中国の広州、2014年に韓国のインチョンで開催され、今回のジャカルタで第3回を迎えます。41の国と地域から714名の選手が集り、8日間の大会期間中に陸上競技、水泳、自転車競技、車椅子バスケットボールなど18競技が行われます。今回のアジアパラ競技大会で特に注目されているのは水泳と卓球で、水泳は26カ国から275名、卓球は25カ国から253名の参加が予定されています。

 

アジアパラ競技大会では、強さと勇ましさで知られるハクトウワシをモチーフにした「モモ」というマスコットがデザインされ、アジア競技大会と同様にアジアパラ競技大会を盛り上げます。モモという名前はモチベーションとモビリティーの頭文字から名づけられています。前大会で日本は、金メダル38、銀メダル53、銅メダル48の好成績を残しており、アジアパラ競技大会での各国の選手の活躍にも期待が高まります。

 

■競技種目

アーチェリー、陸上競技、バドミントン、ボッチャ、自転車競技、チェス、ゴールボール、柔道、ローンボウルズ、パワーリフティング、射撃、水泳、ボウリング、卓球、シッティングバレーボール、車椅子バスケットボール、車椅子フェンシング、車椅子テニス

 

以 上