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インドネシア

作成年月日:2019年8月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2019年7月

今月のテーマ

「インドネシア黄金時代に向けた課題」


今年、インドネシアは独立から74年目を迎えます。1945年に独立してから、100周年を迎える2045年を「インドネシアの黄金時代(Generasi Emas)」として、政府は中長期の成長戦略を計画しています。インドネシアは周辺各国が少子高齢化に伴い人口減少の問題に直面するなか、人口オーナスを経験し続け、2045年には人口が3億2,000万人近くに達すると予測されています。現在よりも1つ順位は落ちますが、インド、中国、アメリカ、ナイジェリアに次ぐ、世界で5番目に大きい人口を擁する国になり、一人あたりGDPでは世界第7位になることを視野入れて経済成長を推し進めています。

 

この2045年に向けて、ジョコ・ウィドド大統領政権では、インドネシアが今後さらなる発展を続けていくために、強固な基盤の整備を進めており、第1期では、特にインフラ整備と公共サービスの質の拡充に力を注いできました。地域ごとにバランスの取れたインフラ整備、組織や公共サービスの質、人材の質は、インドネシアが2045年の黄金時代を迎えるための必須項目だとスリ・ムリヤニ財務大臣も話しています。今回は、インドネシアのローカル新聞社である、コンパスが独自に行った調査をもとに、今後の2045年を迎えるにあたってインドネシアが抱える課題を見ていきたいと思います。

 

コンパスが2019年8月7日・8日にインドネシア国内17都市で17歳以上の525名を対象に行った電話調査によると、政府が実施したインフラ整備、国防・安全、公共サービスの改善に対し、およそ76%が評価できると回答しました。この3分野については2045年までにさらに改善されていくだろうと前向きな回答が集まっています。そのなかでも、ジョコウィ政権が第1期で行った政策でもっとも評価が高かったものがインフラ整備でした。回答者の10人に8人が現在のインフラ整備の取り組みは良好だと回答しています。インドネシア各地の空港が整備され、高速道路がジャワ島・スマトラ島で拡張され、首都ではMRT(大量高速交通)も完成しました。また、今後も高速道路の拡張、MRTの延伸、LRT(軽量軌道交通)の整備、港の建設などインフラ整備の計画は続きます。

 

また、全体の76%が国防と安全について、安全管理システムの強化も良好と評価されています。政府が行う公共サービスの質の改善もポジティブな回答が集まったほか、政府の業務効率化につながる官僚制度改革も現在のところ評価されています。以上のように、特定の分野では現状に対して政府が発展に貢献したと前向きな回答がされており、これら分野がインドネシアを発展させていくための推進力となっています。

 

しかし、一方で基盤が十分でないために、インドネシアが発展を続けていくための阻害要因になっているものも見られます。特に汚職や地方との経済格差は政府にとって大きな悩みの種で、このまま放っておくと、2045年に向けた大きな障害になってしまいます。調査に回答した人の3分の2は汚職がインドネシアが成長する上での最大の問題であると回答しており、汚職をなくすためには法律を整備するだけではなく、汚職が発生しないような戦略的で強固な予防措置が必要になってきます。汚職があっては官僚制度改革の実施すら実現できません。

 

また、汚職に続いて、天然資源も課題にあげられています。土地の保有や鉱山の管理が外国企業によって行われており、インドネシアの天然資源の豊富さに対して、十分にインドネシア国民がその恩恵を受けられていないという回答も20.6%に上りました。そのほか、科学技術の専門家の不足についても回答者の15%が早急に対応しなければならない課題だと回答しています。科学技術に長けた人材は第4次産業革命(Industry 4.0)で成長をするためのカギになるため、政府が特に注力して取り組まなければならない課題の一つなのです。

 

現在、インドネシアは人口オーナスと第4次産業革命に突入しようとしています。経済成長を実現するための絶好の機会のため、機会を捉えて成長するために準備が進めなければなりません。2045年には先にも述べたように人口が3億2,000万人近くに達し、そのうち67%が15歳〜64歳の生産人口という非常に理想的な状態になります。ただし、進歩の早い科学技術に対応する準備がなければ、多く抱える生産人口もまったく役に立てられません。2045年を迎えたときに、インドネシアが他国にとって魅力的な市場であるだけでなく、プレイヤーとして活躍するために、すでに成果が評価されている分野、今後改善しなければならない分野の両方での課題を克服し、最大限に成長できる基盤を作らなければなりません。


以 上