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シンガポール

作成年月日:2009年12月5日

労働力の送出・受入れについて

5.1 関係法令及び制度の概要

 英国の入植者たちは1928年に移民制限法を制定し、ゴムと錫産業の業績悪化に対応した。男性中国人移民の月ごとの割り当てを決め、中国政府が女性中国人の移民を制限したのに合わせ性別割合のバランスを取ることにしたのである。門戸開放移民政策は外国人労働者に自動的に市民権を与えた。これが1931年までに数百人から数百万人へと驚異的な人口増をもたらした。1932年には月ごとの割り当ては中国人以外の非英国人移民にも拡大された。1965年の独立後移民法は改正され、シンガポールは主権国として確立し、国家としてのアイデンティティーを形成したのである。1965年以降、シンガポールは物的資源と人的資源の欠如に直面した。この問題を克服するため、シンガポール政府はビジネス志向、外国からの投資誘致、輸出促進型経済政策を採用し、戦略的な政府保有企業への政府指導型投資と組み合わせた。この経済戦略により1960年から1999年までシンガポール経済が年率8%の成長を遂げることが可能になった。
 1987年に家事労働者採用計画が施行されると同時に移民労働者政策と課徴金計画も実施された結果、1980年代中頃の景気後退期中に移民労働者の数と構成の調節が可能になった。1988年に移民法が改正され1)労働許可制度、2)外国人労働者課徴金制度、3)国内法の強制執行による移民労働者の入国規制、国境の保護が行われることになった。主な改正点として、第1に、労働許可制度により外国人労働者は能力、人種、性別に分類され、国が労働力の供給を管理し、労働力市場の需給に対応できるようになった。第2に、外国人労働者課徴金制度は、非熟練労働への依存を減らしシンガポールを高度に技術的な国に脱皮させるのに役立った。非熟練労働者と、従業員の40%以上が非熟練労働者である雇用者の課徴金を引き上げることによって実行された。第3に、国内法の強制執行により政府は国境だけではなく、国家全体をより良く管理できるようになった。これらの方法はより効果的な移民管理と法の厳しい強制執行につながった。この政策により、懲役刑などの公的処罰、恩赦や違法移民労働者の送還が打ち出された。
 シンガポールの外国人労働者がもたらすのは、外国からの能力と労働力である。外国人の能力に含まれるのは、プロのビジネス能力か学歴を持つ熟練者である。シンガポール居住の有能な外国人労働者で就業ビザを有する者は永住権(PR)を申請でき、次いで2年から10年の市民権が得られる。永住権者はシンガポール国民と同じ権利を持つ。例えば、政府から住宅助成金が受けられる資格を有する。
 外国人労働者は非熟練労働者である。外国人労働者は主としてタイ、フィリピン、インド、バングラデシュ、スリランカ出身で建設、製造、家事労働に従事している。彼ら外国人労働者は低技能、低賃金の職に就いている。しかしながら、1970年の移民法改正により非熟練、低熟練者の滞在は一時的なもので経済下降期には送還できるようになっている。
 人材開発省(Ministry of Manpower:MOM)は移民労働者に関する政府の政策を管轄している。シンガポールにおける外国人の雇用を規制する主たる法規が2つある。2002年職業紹介法(Employment Agency Act 2002、2004年に改正)と1990年外国人労働者雇用法(Employment of Foreign Workers’ Act 1990)であり、これらの施行により労働許可証保有者は1965年雇用法(Employment Act 1965)の規制から外れている。その結果外国人労働者に関する立法、規制が改善され、例えば建設、水産、製造、サービス業で外国人労働者の割り当てもしくは“依存度上限”が導入された。
 職業紹介法の規定により職業紹介業者は求職者に紹介料の過剰請求、すなわち最初の月給の10%以上を請求できないことになっている。職業紹介業者は、また、5シンガポールドル以上の登録料請求を禁じられている。しかし、これらの規制は家事労働者に適用されない。そのため、女性移民労働者の直面する差別が増え、家事労働者保護に失敗している。雇用法と労働者災害補償法は家事労働者ではなく、熟練、非熟練労働者のみを保護している。2004年雇用法は、週当たりの労働時間の上限を42時間、週2日の休息日を規定している。
 外国人労働者に関する政策が経済と社会の必要に合わせて改正された結果、彼らの流入が管理できるようになった。現在の政策により、雇用者は雇用する各外国人労働者につき月次課徴金を支払わなければならず、また‘(外国人労働者)依存度上限’で企業など組織体の外国人労働者の割合を管理している。1991年には2層課徴金が制度化され、従業者全体の(外国人労働者)依存度上限を変える潜在能力を持つ労働者の課徴金引き上げが行われた。この課徴金変更は50シンガポールドルから470シンガポールドルにわたり、経済分野、労働者の熟練度、異なる経済時代の諸変化で決まる。‘依存度上限値’は分野と労働許可のタイプによって決まる。労働許可証保持者の雇用者はマレーシア人を除く外国人労働者につき5,000シンガポールドルの安全保証金の納付も必要である。外国人家事労働者は労災補償が受けられないため、最低1万シンガポールドルの傷害保険の付保が必要である。労働市場の変化への対応するには、労働者の流入を規制するこのシステムは不可欠である。
 外国人労働者雇用法がもう1つの移入労働力を規制する法システムである。シンガポールで就業希望の外国人労働者は以下の5つの入国許可のうちの1つを保持する必要がある。熟練及び専門的職業者は雇用許可書(Employment Pass)で入国する。短期訪問の芸能人のような専門職者は専門職滞在許可書(Professional Visit Pass)で、マレーシアの住民で毎日シンガポールへ通勤する外国人労働者は日帰り許可証(Day Permit)で、入国が許される。大多数の外国人労働者は労働許可証(Work Permit)とグループ労働許可証(Block Work Permit)を保有し、低収入の職業に従事している。グループ労働許可証を持つ者は建設や造船業といった特定のプロジェクトにグループで雇われる。これらの労働者は、マレーシア以外のアジア諸国から来ている。
 永住権(PR)を申請できる労働者は、一般的にシンガポール内で100万シンガポールドル以上の資本投資をする。永住権は、シンガポール居住者であるシンガポール国民の外国人配偶者や子弟といった他の非シンガポール人にも与えられる。また、永住権者は、月給1,200シンガポールドル以上の仕事を引き受けるのに許可を要しない。

5.2 労働力移動の規模

 2009年の年央推定人口では、シンガポールの概算人口499万人のうち、374万人がシンガポール居住者で、125万人が非居住者である。

表5‐1 居住者と非居住者の年央推定人口(2003〜2009年)  (単位:千人)
総人口 居住者 非居住者
2003 4,114.8 3,366.9 747.9
2004 4,166.7 3,413.3 753.4
2005 4,265.8 3,467.8 798.0
2006 4,401.4 3,525.9 875.5
2007 4,588.6 3,583.1 1,005.5
2008 4,839.4 3,642.7 1,196.7
2009 4,987.6 3,733.9 1,253.7
※注
総人口はシンガポールの居住者と非居住者、居住者人口はシンガポール国民と永住権(PR)から成る。
※出典:
http://www.singstat.gov.sg/stats/themes/people/
hist/popn.html

表5‐2 シンガポール人口詳細
  2007年 2008年
総人口(単位:千人)
居住者人口
 シンガポール国民人口
 永住権者人口
非居住者人口
4,588.6
3,583.1
3,133.8
449.2
1,005.5
4.839.4
3,642.7
3,164.4
478.2
1,196.7
就業者数(単位:千人)
 地元
 外国人
就業人口増加率(%)
 地元
 外国人
2,730.8
1,830.0
900.8
9.4
5.2
19.1
2,952.4
1,894.7
1,057.7
8.1
3.5
17.4
65歳以上のシンガポール国民1人に
対する15〜64歳のシンガポール国民数
(単位:人)
7.6 7.5
海外滞在シンガポール国民(単位:千人) 147.5 153.5
※出典:
Ministry of Manpower, “Manpower Statistics in Breif 2009”,
http://www.mom.gov.sg/publish/etc/medialib/
mom_library/mrsd/glm.Par.41834.File.tmp/
mrsd_msib2009.pdf
※出典:
“Population in Breif 2008”,
http://www.nps.gov.sg/files/news/
population%20in%20brief%202008.pdf

 短期間の目的でシンガポールへ入国する外国人労働者は、1970年の3万900人から2005年の79万7,900人へ増えたと推定されているが、これは24倍の増加である。表はシンガポールにおける非居住者の率を示している。統計によれば、2009年において、シンガポール人口の4分の1が非居住者で、しかも永住権者を含んでいない。

表5‐3 総人口に占める非居住者の割合
  1970年 1980年 1990年 2000年 2009年
非居住者 2.9% 5.5% 10.2% 18.7% 25.3%
※出典:
Statistics Singapore, “Time Series on Population (Mid-Year Estimate)” から作成、
http://www.singstat.gov.sg/stats/themes/people/
hist/popn.html

表5‐4 外国人労働者の需要と外国人労働者の全雇用に占める割合の実績と見通し
(単位:千人)
シナリオA シナリオB シナリオC
2004 495.13
(22.8)
495.13
(22.8)
580.71
(26.8)
2009 582.57
(23.7)
582.57
(23.7)
779.10
(31.7)
2014 788.45
(27.8)
803.73
(28.4)
1,117.82
(39.5)
2019 1,110.34
(33.8)
1,144.50
(34.8)
1,579.59
(48.1)
2024 1,528.94
(40.1)
1,598.72
(42.0)
2,163.34
(56.8)
2029 2,40.30
(46.1)
2,150.17
(48.6)
2,850.03
(64.5)
2034 2,163.63
(50,9)
2,782.86
(54.2)
3,626.40
(70.7)
※出典:
“Foreign Labour and Economic Growth Policy Options for Singapore”,
http://www.business.curtin.edu.au/files/04_2.pdf

 将来の人口成長に関する経済調査では、異なる移動率と合計特殊出生率(TFR)の影響予測を基に3つのシナリオが描かれた。
 【シナリオA】合計特殊出生率が1999年の1.48から2049年に1.25に低下し、移民流入が1999年の年間3万人から2029年までに年間5万人に純増する。外国人労働者の需要が2004年の49万5,000人から2034年には5倍増加し261万になり、全労働力に占める外国人労働者の率が23%から51%に増加する。これは移民奨励の場合で、今後50年の間に熟練外国人労働者の流入が徐々に増え、地元住民と同化することを想定する。
 【シナリオB】合計特殊出生率が1.48から徐々に2029年に1.25に低下し、純移民流入数が毎年一定の3万人とする。2004年の外国人労働者数49万5,000人が2034年には278万に増加し、外国人労働力率が54.2%になる。これは移民率現状維持策の場合である。
 【シナリオC】合計特殊出生率が1.48で不変、移民流入の純増がないものとし、外国人労働者の導入が経済成長に不可欠の要素と仮定する。外国人労働力需要が2004年の58万710人から2034年には363万人に増加すると予想する。この場合、外国人労働力率は70.7%となる。これは反移民、移民抑制策で出産奨励策により出生率を一定に維持しつつ移民の流入を削減するのである。
 これら3つのシナリオすべてにおいて、人口が老齢化し、出生率が低く人口減少を補えないために、今後25年間にわたり、平均年間労働力成長率は低下するとしている。移民率は増加しているが、労働力成長率低下の一部しか相殺できず、効果が現れるのは2025年からであろう。
 シンガポールでは実際の移民者数は公表されていない。移民者数を推定するために、過去10年の居住者人口、出生者数と死者数が用いられる。表5‐5は1990年から1999年の流入移民の推定統計を示す。2000年には、前述の登録に基づいてシンガポールの国勢調査が実施された。シンガポール居住者人口には永住権者、シンガポール居住者から生まれたシンガポール国籍者が含まれる。2000年以降、永住権者の実数は公表されていない。

表5‐5 移民者数の推移
移民者数
1990 20,233
1991 21,330
1992 20,020
1993 20,240
1994 21,740
1995 23,980
1996 25,510
1997 27,570
1998 28,990
1999 26,770
表5‐6 シンガポールの永住権者数   (単位:千人)
1970 1980 1990 2000 2008
永住権者数 138.8 87.8 112.1 287.5 478.2
※出典:
Singapore Department of Statistics, “Population Trends 2009”,
http://www.singstat.gov.sg/pubn/popn/
population2009.pdf

 2008年以降、12カ月以上継続して外国に滞在するシンガポール国民は人口国勢調査から除外されている。除外される者には、海外留学生、海外勤務者、移民(流出)したがシンガポール国籍を放棄していない者が含まれる。人口の二重計上を避け、政府当局が資源を適切に配分するためにこうしているのである。シンガポール人口統計によれば、2008年の時点で18万400人以上の海外滞在シンガポール国民がいた。

5.3 労働力移動の要因

 相当数の外国人労働者が存在することには、5つの主な利点がある。第1に、それは成長と、雇用創出をもたらす。第2に、人材と技能の供給によって競争力を維持し、経済の拡大に伴う賃金上昇が緩和される。外国人労働者は経済ブーム時に経済界全体のあるいは特定分野の労働力不足を和らげ、賃金コストを引き下げ、その結果経済成長率が減速しなくなる。外国人労働者は、景気後退時には容易に削減もしくは本国への送還ができるので地元労働者から失業の脅威を取り除ける。輸入労働力は労働力市場の周期的変動を安定化するのに役立つ。第3に、外国人労働者は経済の下降を安定させる緩衝であり、地元労働者が失業から守られる。第4に、安い外国人労働者の供給と活用によって地元の労働者と技能では支えられない産業の発展が可能になる。第5に、外国人労働者は地元労働者の肩代わりになるので地元労働者は安心してはいられない。移入労働力により、受入国は教育・訓練という人材への投資コストを負う必要なしに、人材の質、量、範囲、柔軟性を増加できる。
 外国人労働者の過度の需要は、大きな経済成長に対し地元労働力供給の低下に起因する。1971年には女性の労働市場参加が奨励され、労働者全体に占める女性の割合が26%から1985年の48%まで増加した。外国人女性家事労働者も増加し、母親の役割と生産的労働者の二役をこなすワーキングマザーを支えた。
 労働力の国際移動は地元国民の所得を増やすと同時に、所得再分配も引き起こす。移民が資本の移動を伴う場合、労働者の損失を減らし、資本家の利益を良化させ、国の福祉に前向きの効果をもたらすのである。
 移入労働力政策は労働力の需要と地元の労働力供給のギャップを埋めることを意図するのであって、非熟練労働者は家族の呼び寄せや、地元民との結婚も、永住も許されない。経済成長する上で技術レベルを向上し、地元の人々に技術移転をし、さらに将来の世代が移転技術の恩恵を受けられるようにするのが目的なのである。したがって、非熟練労働者の滞在は短期間で、地元人口比率が一定の状態に留まることが望ましい。
 他方、熟練労働者は受入国の人々との結婚、定着、家族の呼び寄せが許される。これらの熟練労働者は大多数が若い労働者である。その結果、出生率が上昇し、永住権者の増加に合わせて地元の人口が増える。熟練専門家や熟練労働者を永住権者として慎重に選べば、国民全体の技術の質を引き上げることもできる。

5.4 送り出しの所管機関

 CONTACT Singaporeはシンガポール経済開発庁(Economic Development Board:EDB)と人材開発省(MOM)が共同で設立した政府機関で、事務所を中国、インド、英国、ドイツ、オーストラリア、米国に置いている。2009年10月までに、CONTACTは米国にあるシンガポールの民間、公共諸機関と協力しシンガポール人に約200件の米国での就業の機会を提供した。経済開発庁、防衛科学技術庁(DSTA)、情報通信開発局(IDA)、陸上運輸局(LTA)、教育省(MOE)、財務省(MOF)、外務省(MFA)、貿易産業省(MTI)、金融管理局(MAS)、公務員局(PSD)、都市再開発局(URA)、政府系投資会社(GIC)等がこれらの諸機関である。仕事の種類は、エンジニアリング、金融、会計、情報技術、経済学、建築、経営、戦略から国際関係論の広きにわたる。Career@Homeを確立しようというこの動きは、シンガポールに本拠を置く雇用者を海外在住の専門家や海外就労を希望する新卒者とネットワークで結び付けるものである。Career@Homeはニューヨーク、シカゴ、ミシガン、ロンドン、シドニー、北京、上海で活動している。
 海外シンガポール人ユニット(Overseas Singaporean Unit:OSU)は2006年にシンガポール政府によって組織され、多部局の在外シンポール人に関する計画、政策を調整、在外シンガポール人に本国の最新情報を提供、公共、民間機関との接触を助け、在外シンガポール人と本国の同胞と結ぶネットワークを作り、シンガポール内の雇用者と結び付け、あるいはシンガポールの雇用者と海外事業を結び付ける。OSUは、また、優れたビジネスリーダーを組織化し、在外シンガポール人が主要ビジネス・企業の指導者層とネットワークを結び、アジア・パシフィック地域とシンガポールにおける就職チャンスについてもっと知る手伝いをしている。この取り組みは、在外シンガポール人のシンガポール外での就職を支援している。

5.5 送出労働力の属性

 労働力の送出は、国と海外とが交流しネットワークで結び付きを促進している。それは現代のグローバル化の時代にあって極めて重要である。多国籍企業が製造業の生産と直接輸出販売の3分の2以上を占め、そうした企業では海外雇用の割合が高い。これら多国籍企業は経済界のほぼすべての部門に存在している。約7,000社が米国、日本、ヨーロッパ企業で、1,500社が中国、1,500社がインド企業である。シンガポール経済の効率的なインフラは多くの投資と労働力をもたらしている。

5.5.1 受入国

 シンガポールからの送出労働力を受入れている国は以下のとおりである。短期あるいは恒久的就職を目的としている。

  • ヨーロッパ:イギリス、デンマーク、フランス、ドイツ、スエーデン、オランダ
  • オセアニア:オーストラリア、ニュージーランド
  • アジア:カンボジア、インド、フィリピン、ベトナム、中国、マカオ、日本、韓国
  • 中近東:オマーン、カタール、アラブ首長国連邦
  • 北米:カナダ

5.5.2 職種

 シンガポール人が海外で携わっている職種は金融家、法律家、技術者、建築家、医師、イベント主催者、情報設計者、ビジネス・コンサルタント、ビジネスの専門家、管理職者、精神分析医などである。

5.5.3 年齢

 在外シンガポール人の年齢別数は、以下のとおりである。

表5‐7 在外シンガポール人の年齢別及び性別一覧(2008年6月)
年 齢 人 数 男 性 女 性
0〜4歳 7,600 3,600 4,000
5〜9歳 8,600 4,100 4,400
10〜14歳 9,300 4,600 4,700
15〜19歳 8,800 3,900 4,900
20〜24歳 13,300 5,600 7,700
25〜29歳 14,100 6,900 7,300
30〜34歳 16,200 7,800 8,400
35〜39歳 17,700 8,700 9,000
40〜44歳 18,800 9,700 9,100
45〜49歳 18,700 9.700 9,000
50〜54歳 15,800 8,200 7,600
55〜59歳 11,200 5,700 5,400
60〜64歳 6,800 3,500 3,300
65〜69歳 4,200 2,100 2,100
70〜74歳 3,200 1,800 1,400
75〜79歳 2,700 1,700 1,000
80〜84歳 1,700 1,100 700
85歳以上 1,900 1,000 800
合 計 180,400 89,800 90,600
※注
端数調整のため合計は総数と合わない。
※出典:
Singapore Department of Statistics, “Population in Breif 2009”, http://www.singstat.gov.sg/stats/themes/people/
popinbrief2009.pdf

5.5.4 技能水準

 海外で働くシンガポール人の過半数は高等教育(大学以上)を受け、少なくとも学位又は卒業証明書(diploma)を持ち専門的職業に就いている。海外へ行き大学教育を受けそのまま就職する者もいるが、シンガポール人の大多数は経済的に余裕がない限り海外へ行かない。その結果、優れた高い技能を持つ者が真剣に海外で働くことを検討する。

5.6 送出労働力の技能水準の評価制度

 送出労働力の技能水準を評価する国のシステムはない。海外で働くシンガポール人の大半は企業が評価する実務経験、能力、知能を基にして受入れられる。

5.7 受入れの所管機関

 1991年に設立されたシンガポール経済開発庁(EDB)は、シンガポールをグローバルなビジネスセンターとして確立する戦略を立案、実行し、投資を進め、能力を育成する政府の機関である。同庁は、シンガポール人が良い職とビジネスチャンスを得る手段を提供するために、製造、サービス産業において地元及び外国の投資家を支援する。それはシンガポール経済の持続性を高め、ビジネスチャンスを創出する。EDBは、また、より多くの雇用を創出する新たな産業分野を発掘、開発することで、就職の機会を増やしている。さらに、情報センターとして機能し、投資家を誘致する企業寄りの環境作りをしている。ワールド・シンガポール(World Singapore)はシンガポールを世界と結び付けるEDBのプロジェクトである。そして、それは、諸計画、経済、政治が長期的に安定するような優れたビジネス環境の礎を作るものである。もう1つのプロジェクトがフューチャー・シンガポール(Future Singapore)である。これは外国の人材、投資家、企業を迎え入れ、シンガポールに革新をもたらすことを目指している。ビジネスの見通しや世界の趨勢を注意深く調査した結果、ビジネスの3主要成長テーマを特定し、モデル・ケースとして展開するに至っている。それらは、都市問題の解決・ライフスタイル、高年齢化、医療・福祉である。これら3テーマを通して、政府は新しいビジネスチャンスの創出を試みている。EDB投資計画はアジアへの投資を行い、グローバル化した経済において企業が国際市場のリーダーになり競争力が高まるように設立された。また、産業発展に大きな影響力を持つグローバルな多国籍企業と協働している。そうしたことから、外国の人材や専門家がシンガポールで働く結果になっている。
 外国の人材募集はコンタクト・シンガポール(CONTACT Singapore)が主体的に行っている。この組織はシンガポール経済開発庁と人材開発省の協力によるものである。コンタクトはグローバルな人材を誘致し、シンガポールで働き、投資し、居住するのを支援し便宜を図る。外国の人材の誘致について責任を負う機関である。アジア太平洋、北米、オーストラリア、イギリス、ヨーロッパに事務所を置き、国際的に働く見込みのある人材や国際的投資家に資料、情報を提供する。シンガポールにおけるキャリア機会や、産業発展の情報を提供してシンガポールに本拠を置く企業とグローバル人材を結び付け、シンガポールへの人材の流入を進める。民間企業にシンガポールに興味を持つ投資家を紹介する役割もする。コンタクトは1999年にマンパワー21、国際マンパワー計画、外国人用住居計画をスタートした。人材開発省に代行して外国人家事労働者の採用を管理するのはForeign Recruitment Consultant、Workforce Solutions Pte. Ltd.、Personnel Services Pte. Ltd.、21st Century Employment Agency、3A’s Consultancy & Services、3S Resources Pte. Ltd.、A-Star Employment Agency LLP、A.C. Toh Enterprises、A Pratama Employment Agency、AA Overseas Employment Centre、AATAS Employment Agency等である。

5.8 受入労働力の属性

5.8.1 送出国

 シンガポールは移民労働者の主目的地の1つである。1968年に、シンガポールは短期労働者の受入れ政策を緩和した。1973年の経済ブーム時には労働力全体の約8分の1が半島マレーシア南部、特にジョホールからの、シンガポール人ではない労働許可証保持者であった。他の労働力送出国は、マレーシア(半島以外も含む)、香港、台湾、インドネシア及びフィリピンのようなその他の東南アジア諸国である。
 シンガポールでは、女性は男性に較べ合法的に雇用される機会が多い。貧しい移民女性労働者はほとんどが裕福な女性のための家事労働に従事する。2005年の記録ではシンガポールの家事労働者のうち、約6万3,000人がフィリピン出身、約6万人がインドネシア出身であった。シンガポールの家庭の約7軒に1軒が家事労働者を雇っていたことになる。このように大勢の出稼ぎ家事労働者がいる大きな要因は、海外労働力促進政策と、インドネシアとフィリピンの文化的、宗教的親近感である。これらの貧しい国々は意図的に労働力を輸出して貧困、国内の失業、外貨稼ぎ策としたのである。インドネシア政府は毎年280万人以上の労働者を送り出している。1978年までにシンガポールが労働力不足になり、門戸を開放した結果、製造業ではインドネシア、タイ、スリランカ、インド、バングラデシュ出身の労働者の採用が増加した。外国人労働者のうち、中国人が3%、マレー人41%、インド人56%で、全外国人労働者のうち永住権者が10%であった。永住権者の大半は、倫理、文化、言語、食事の類似性によりシンガポール社会への融和が容易なマレーシア出身者である。1970年にマレーシア政府が輸出志向の工業化政策をとったため、シンガポール政府は他地域からの労働力を多く導入せざるをえなくなった。
 高収入の熟練労働者あるいは専門家は就労許可証を得て米国、欧州、オーストラリア、日本、インド、マレーシア、香港から来る。

5.8.2 職種

 シンガポールにおける外国人労働者の職種は以下のとおりである。

  • 非熟練:家事手伝い、工場生産、造船、船舶修理、技術作業、自動車修理、印刷出版、建設等
  • 熟練:専門職、経験と資本を持つ起業家
  • 高度熟練:法曹家、医師、技術者、多国籍企業で金融、通信のような国際的な分野で業績をのばした経営者、技術者、また繊維、衣類、電気、電子のような主要労働集約型輸出産業で活躍した経営者、技術者等

5.8.3 年齢

 外国人労働者に許される年齢枠は23歳から50歳までである。これらの外国人労働者は正規教育を8年以上受けている必要があり、シンガポール到着後3日以内に英語のテストに合格しなくてはならない。

5.8.4 技能水準

 シンガポールの外国人労働者の過半数は未熟練か半熟練である。これら労働者は短期か特定のプロジェクト専用の労働許可で雇用される。彼らの採用は民間斡旋業者か、特定の二国間の労働力受入れ・送出協定(MOUs)によって行われる。これらの労働者は農業、漁業、及び外国資本の直接投資が多くない第三セクター(例えば建設とサービス)で雇用される。
 対極的なのが高度な技術、技能を持つ外国の人材で、ハイテク、情報技術、研究開発(例えばバイオ技術)の仕事をしている。これらの分野では、地元人材で有資格者は多くない。シンガポールの高学歴(大学以上)就業者のうち、3分の1が外国人である。一般的に、高学歴者は非居住者と居住者共に同じ職群、職位にあるが、非居住者は居住者や国民よりも高い所得を得ている。さらに経営、管理職の非居住者は就業者の中で最高給のグループである。しかしながら、このことは女性の非居住者就業者にはあてはまらない。彼女たちは最下位の教育、職業グループに入っている。その収入はシンガポール人の同じ職の人々より低く、このことは非居住者の不均衡な所得配分を示す。
 また、シンガポールには中等教育を受け、中間レベルの仕事をする者は十分にいるが、高能力で経験を積んだ管理職や、専門的な仕事をする者は不十分、ということを示している。建設や製造業における単純労働、労働集約的仕事では人手不足である。

5.9 受入労働力の技能水準の評価制度

 1990年外国人労働者雇用法の規定では、主として4種類の雇用許可、又はビザがある。

  • P-pass:専門家、管理、経営職者、スペシャリストで月収7,000シンガポールドル以上
  • Q-pass:高度の技能を有する者
  • S-pass:中レベルの技能を有する者
  • R-pass:半熟練と非熟練労働者(例えば家事労働者)

 R-pass保持者は次の規定を守る必要がある。

  1. 月収上限が2500シンガポールドル
  2. 労働許可の失効時に本国送還を保証するための保証金5,000シンガポールドルの供託が必要

 雇用許可書(Employment Pass)のための一般的な必要最小限の条件は、卒業証明書(Diploma)か認められた大学の学位である。ただし、雇用歴、技能、経験年数が、認可当局の審査の後、学歴欠如の補正要素と見なされることもある。

5.10 労働力送出・受入れに関する二国間・多国間協定

 アジア経済危機後、経済・金融再構築に関し、アセアン諸国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ベトナム)の間で大きな隔たりが生じた結果、二国間協定が増加した。シンガポールはサービス産業に関して自由経済政策を取っており、マレーシアの半保護経済政策と明確に違っている。経済政策と成長のギャップが最近のWTOの会議における反応の乏しさにつながった。シンガポールの自由貿易協定(FTA)はアセアンと北東アジアに再び焦点を当てなおすのに役立っている。このことは、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピンといった他のアセアン諸国が積極的に貿易開放に向かうよう促した。
 シンガポールが調印した協定は、ニュージーランドと二国間自由貿易協定(ANZSCEP)、日本と貿易協定(JSEPA)、オーストラリアと自由貿易協定(SAFTA)、米国、欧州自由貿易連合(アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウエイ、スイス)、1989年APEC(オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中華人民共和国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプア・ニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、台湾、タイ、米国、ベトナム)などである。
 シンガポールと米国の二国間関係は長期かつ強固である。この関係は防衛、経済、戦略上の協力、情報技術、関税管理、交易への技術的障害、金融サービス、一時入国、電信電話、電子商取引、投資、競争、政府調達、知的財産保護、透明性、労働、環境、健康、教育での協力の上に成り立っている。米国・シンガポール自由貿易協定は2004年に経済的つながりを作るため、始められた。続いて、戦略的枠組み協定が2005年に締結され、両国の連携は防衛と安全保障の分野に広がった。米国はビザと労働市場の課題が拡大したことにより、米・シンガポール自由貿易協定に調印した。米国連邦議会はこれらの自由貿易協定に対応して6,400のビザを発給した。H-1Bビザが中国籍、インド国籍者に割り当てられた。シンガポール・米国自由貿易協定以来、米国の自由貿易協定では移動制限がなくなった。自由貿易協定ではシンガポール側は国内法で高度の保護を確保している。米国・シンガポール自由貿易協定ではネガティブ・リスト方式をとっており、リストに記述のない事柄はすべて許可になっている。内国民待遇、市場参入、地元優先関連分野のみが制限条項となっている。
 ANZSCEPはシンガポールとニュージーランドの間の経済及び社会的連携を確立、改善するために2001年に発足した。この協定で、ニュージーランドの企業が技術を商業化し、ビジネスを国際化することができるように、ニュージーランドはシンガポールに海外技術センターを設立した。
 日本・シンガポール新時代経済連携協定(JSEPA)はサービス産業の自由化と外国への直接投資に焦点をあてている。この連携は規制改革、通関手続きの簡素化、人材の移動、開発、国境を越えた資本と労働力の流れ、教育、訓練に関するパートナーシップを謳っている。経済的利益は年額3,300万シンガポールドル(90億米ドル)に達する。
 シンガポール・オーストラリア自由貿易協定の第11章は“商業と投資に携わる実業家の活動”を規定している。シンガポールとカナダは共同訓練計画を作成し、発展途上国が資源、専門知識、経験を共有するのを支援している。シンガポールは、また、ラテンアメリカ諸国と二国間関係を維持している。例えば、アルゼンチン、ブラジル、チリ、キューバ、メキシコ、パナマ、ペルーなどで、シンガポール協力計画の下、技術支援を提供している。これらの国々に高い関心を持つ企業があり、2007年の貿易及び投資に関するメルコスール(南米南部共同市場)・シンガポール覚書(MOU)で経済的つながりは一層強化された。2008年にはシンガポール・ペルー間で自由貿易協定が調印された。
 シンガポールでは、WTO(世界貿易機関)加盟国が団結権、団体交渉権、強制労働使用の禁止、搾取的な子供の労働や労働者の差別禁止といった主要な労働基準を承認している。
 現在、シンガポールはカナダ、チリ、インド、ヨルダン、メキシコ、韓国、中国、及びスリランカと自由貿易協定の交渉を行っている。

5.11 労働力移動の問題点

 外国人労働者の増加の見込みに伴い、外国人居住区、過度の混雑、過度の公共施設・サービス利用、及び外国人家事労働者による異なる文化、価値の影響のシンガポールの若い世代への伝播という問題の懸念が発生した。公共施設・サービスとは、例えば次のようなものである。住居、交通手段、医療、娯楽施設、その他の社会的諸サービスである。外国人家事労働者はシンガポールの子供の世話をする。シンガポール文化の独自性が薄れてしまうのである。外国人労働者と低賃金、劣悪な労働、居住条件、犯罪の発生の間には相互関係があり、その結果、警察と司法サービスがもっと必要になる。もっと深刻な場合には、雇用機会の減少、低賃金、訓練、昇進の遅さが政治的結束を乱すかもしれない。そして好ましからざる報道があったりすると、受入国と送出国の間に政治の不安定、緊張をもたらす。この問題は、西インド、アフリカ、トルコ、ユーゴスラビアから労働者を受入、雇用している英国、フランス、ドイツ等の国々で既に発生している。これらの国々は種々の社会問題に直面している。地元住民が、生活の質が低下したため、特に文化的、民族的に違いがはっきりしていると、外国人に対して敵意を抱くのは珍しくない。外国人労働者の報酬、権利、責任、待遇が自分たちと同等でないと地元労働者が感じると状況は悪化する。移住者の管理費用、雇用代行業者に払われる料金、非熟練労働者受入割り当てを考えると不法移住者は共通かつ深刻な問題である。地元民が避けるため労働力不足になっている労働集約、低賃金産業での就労を厭わないので、厳しい罰則にも関わらず企業はこれら外国人労働者を雇用するのである。
 もう1つの一般的な問題は、外国人家事労働者は法律で保護されておらず、週6日以上早朝から夕方遅くまで働くということである。休日は月に1日のみという場合も多い。また、最初の数カ月の仕事に対して給与が支払われない。なぜなら、就職斡旋業者に借金の返済をしなければならず、しかも雇用許可書(Employment Pass)を持つ熟練労働者は医療、住居、教育に政府の補助を受け、2年から10年後には市民権の申請ができるのに対して、政府から無料の法律上の支援が得られない。長年の間には、雇用者による、メイド虐待の報告が寄せられており、関連諸国との政治関係を脅かしている。
 他の課題は、低熟練外国人労働者の定期的交代がもたらす生産性へのマイナスの影響、底辺賃金の低下に起因する所得の不均衡の増加、不法入国増加と不法入国取り締まり費用の増加、それに入国外国人と出国シンガポール人の増加、年配、低学歴シンガポール人の外国人による置き換えが生むシンガポールの国家としての独自性の希薄化である。
 1998年の2%から2003年の5.3%に失業率が上昇するにつれ、地元住民の失業に対する懸念が深まり、地元労働者は雇用の安定を危惧し、外国人労働者数が減少すれば、特に地元失業者に仕事が多く回ってくると考えるようになった。このようにして、地元シンガポール人は出入国管理に対して一般的な反感があるが、今や労働者の4人に1人が外国人労働者であることを考えれば理解できるのである。これはシンガポールだけの現象ではなく、米国、フランス、英国、イタリアでは国民の半数以上が過剰な移民が国内にいると考えている。
 さらに、国を離れ、海外で永住権を取得して働くシンガポール人は主として高度の技術手腕を持ち、高収入を得る階層出身である。この傾向が長期間継続すれば、シンガポールは国として価値ある有能な人材を失い、地元の人的資源が減少することになる。外国人労働者の流入が継続するに従い、膨張する外国人の人材プールに対する地元の人材、特に高度熟練、専門職の人材が労働市場で失われていく。この状態は、欠員があり、かつ優れた能力と経験を欲しがる国々において、シンガポール地元民の永住移民に拍車をかける。さらに、最近のニュースでは、シンガポール人労働者の生産性が低下しているといわれており、エコノミストのKit Wei Zheng氏は「移入外国人労働者による成長は持続性がない」と論評している。
 低コスト外国人労働力依存の不都合の1つは、労働力の不足している国が資本集約的な技術へ高めることへの妨げになることである。熟練外国人労働者への存在は、国内の労働者の教育訓練投資を引き下げる可能性がある。雇用者は地元労働力の供給を増やす必要がなく、教育を受けた経験を持つ国内の労働者にとって重要なパートタイム、フレックス制、在宅勤務、幼児を持つ既婚女性への賃金調整といった競争への対応策を立てる必要がない。
 短期的経済コストに外国人労働者の居住費用がある。労働集約的な仕事は労働者に過労と栄養不良と、結果としての生産性低下をもたらす可能性がある。受入国側には人口構造的、社会的、かつ政治的影響がある。このことは外国人労働者の流入と雇用を制限せよという声につながった。しかしながら、ギャラップ社の潜在的純移民指数では、現在の政策を継続して移民率を維持するならば、人口は現在の360万人から1,300万人増加すると予測している。
 いずれにせよ、労働力の需要に対処するにはもっと多くの外国人労働力が必要である。外国人労働力の推定需要は260〜360万人で、シンガポールの全労働力の51〜61%に相当する。経済発展を持続するための過度の外国人労働依存を減少するには4つの道がある。第1に、高齢者の労働参加増加で外国人労働者の需要を最大21%引き下げられる。第2の道は生産性レベルの向上と、経済成長率の低下で、これが最も望ましい選択である。経済成長目標率を下げることは国民1人当たりのGDP成長率を引き下げることで、政策立案者にとっても説明しやすい。また、適切な賃金成長政策が経済成長の外国人労働者依存度を緩和するであろう。
 外国人家事労働者によって、シンガポールの女性は家事から解放され、高度の熟練を要し、多くの収入をもたらすキャリアを求められるようになった。育児中の既婚女性は、子供が学校に行っている間、4時間シフトで働くことも厭わないが、雇用者側の既婚女性の就業を支援する動きは遅々として進まない。女性公務員の給与は男性公務員の給与と較べて低く、また、有給育児休暇は男性の訓練のための予備兵役休暇よりも少ない。しかし、育児にシンガポールの社会全体が外国人ヘルパーに依存し、家庭の価値に重きを置かず、母親と過ごす高質の時間の喪失につながるとすれば、それは社会問題である。政府は持てる資源と人材を結集し、社会的な目的と経済的実行可能性を実現する持続可能な開発戦略を策定しなければならない。


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