各国・地域情報

タイ

作成年月日:2009年7月23日

雇用労働事情

2.1 労働市場の状況

2.1.1 過去3年間の労働力人口、従業員数、失業者数及び失業率

 2009年のタイの労働市場は、今回の世界的な景気後退の影響を受け、2009年第1四半期中に多くの者が職を失った。タイの失業率は、2007年が1.63%、2008年前半も1.65%と極めて低かったが、2008年終わりにかけて失業率が急激に高まり、2009年第1四半期には2.08%となった。2009年は年間でおよそ100万人の失業者が出るとみられる。これは2008年の約60万5,000人、2007年の約58万人と比べると、年間で約2倍、第1四半期だけで約78万人というのは、極めて深刻な状況である。
 加えて、2009年第1四半期の間、労働市場はさらに多くの者が職を求め、非活動の季節労働者が増加したとみられる。

表2‐1 労働状況別の労働者数(2007〜2009年第1四半期)
  2009年
第1四半期
2008年
第1四半期
2008年 2007年
総人口(単位:人)
 -15歳以下の人口
 -15歳以上の人口
66,715,420
14,150,190
52,565,230
66,021,980
14,609,980
51,412,000
66,320,500
14,417,620
51,902,890
65,739,960
14,695,460
51,044,500
総労働力人口 37,529,980 36,688,330 37,700,390 36,941,980
 就業者数 36,502,810 35,820,070 37,016,610 36,249,460
 失業者数 779,410 605,470 521,980 508,480
失業率 (単位:%) 2.08 1.65 1.39 1.38
求職者数 163,160 107,740 93,320 89,240
非求職労働者数 616,260 497,730 428,660 419,240
非活動季節労働者数 247,750 262,790 161,800 184,050
※出典:
Ministry of Labor.

図2‐1 労働状況別労働人口の割合(2009年第1四半期)
図2‐1 労働状況別労働人口の割合(2009年第1四半期)

※出典:
Ministry of Labor.

表2‐2 性別、年齢別失業者数(2007〜2009年第1四半期) (単位:千人)
  2009年
第1四半期
2008年
第1四半期
2008年 2007年
性別  男性 458.3 343.4 302.6 305.9
 女性 321.1 262.0 219.4 202.6
年齢別 15〜29歳 535.3 393.0 364.3 355.6
30〜44歳 160.8 150.8 109.3 100.8
45〜59歳 71.0 55.9 43.8 46.7
60歳以上 12.3 5.7 4.6 5.3
※出典:
Ministry of Labor.

 タイの失業の傾向は、15〜29歳の若年労働者の失業数が最も多く、また、男性の方が女性より失業者が多いことが分かる。また、上記表からは、すべての年齢層及び男性、女性とも、失業が著しく増加していることが分かる。2008年と2009年の第1四半期を比較すると、著しい若年層の増加とともにタイでの女性の就労が増加していることが分かる。

2.1.2 業種別労働者数

 前年までと比較すると、2009年第1四半期の農業部門の雇用が減少し、非農業部門の雇用が増加していることが分かる。それにもかかわらず、雇用が最も高いのは農業、狩猟及び林業で、およそ1,200万人の労働者がこの産業で雇用されている。
 また、今回の世界的な景気後退により、タイの輸出入産業は製造業及び農産業のような主要産業の伸び悩みを受け、最も脆弱な状況にある。

表2‐3 産業別労働者数(2007〜2009年第1四半期)(単位:千人)
産 業 2009年
第1四半期
2008年
第1四半期
2008年 2007年
農業 12,904.49 12,795.88 14,699.12 14,306.01
 農業、狩猟、林業 12,399.69 12,389.10 14,283.25 13,862.41
 漁業 504.80 406.70 415.87 443.60
非農業 23,598.33 23,024.20 22,317.50 21,943.44
 製造業 5,584.97 5,800.70 5,453.27 5,619.23
 電気、ガス、水道業 102.22 92.80 106.39 101.77
 建設業 2,537.15 2,454.50 2,214.04 2,148.74
 卸売及び小売業、自動車・オートバイ及び家庭用品修理業 6,175.46 5,855.20 5,754.28 5,574.40
 ホテル、レストラン 2,587.74 2,403.60 2,384.25 2,342.96
 運輸、倉庫、通信業 1,203.62 1,152.70 1,117.09 1,058.06
 金融仲介業 349.55 347.80 373.13 341.86
 不動産、賃貸及び関連業 748.16 734.70 731.51 717.33
 公務、防衛 1,354.51 1,272.10 1,299.30 1,250.96
 教育 1,092.14 1,066.70 1,061.56 1,045.93
 健康及び社会奉仕 661.68 641.90 681.39 633.41
 その他、地域、社会、個人サービス活動 867.54 839.70 825.65 750.33
 家内工業 248.40 247.20 217.71 233.16
 その他 85.19 50.90 97.94 125.32
※出典:
Ministry of Labor.

2.1.3 新規学卒者の就職状況

 2009年第1四半期、タイの労働力の大多数にあたる約1,100万人が少なくとも小学校中退以下の教育を受けている。これに続き、約800万人が少なくとも小学校卒業程度、続く約1,000万人が中学・高校卒業程度の教育を受けている。
 さらに、かなりの数の従業員が、専門科あるいは教育科で、研修を受けた経験がある。タイで大学に進学した労働者の数は依然として非常に少ない。2009年第1四半期では、約100万人の労働者が何の教育も受けていないが、2008年第1四半期の約112万人よりは減少している。詳細を表2‐4に示す。

表2‐4 最終学歴別就業者数(2007〜2009年第1四半期)(単位:千人)
  2009年
第1四半期
2008年
第1四半期
2008年 2007年
無就学 1,070.3 1,123.8 1,115.0 1,227.5
小学校中退 11,022.1 11,117.7 11,450.1 11,597.6
小学校卒業 8,330.2 8,074.3 8,439.7 8,254.1
中学校卒業 5,511.2 5,431.1 5,620.1 5,320.9
高校卒業合計 4,848.5 4,576.1 4,755.4 4,522.5
 - 普通科 3,597.8 3,413.8 3,544.8 3,326.2
 - 専門科 1,237.2 1,149.4 1,196.8 1,182.2
 - 教育科 13.6 12.9 13.8 14.0
大学卒業合計 5,598.8 5,360.0 5,486.6 5,157.2
 - 学術科 3,140.0 2,910.3 3,032.6 2,808.8
 - 専門科 1,709.9 1,689.2 1,699.1 1,593.2
 - 教育科 748.9 760.6 754.9 755.2
その他 26.7 24.1 27.7 30.6
不明 94.9 113.0 121.9 139.1
合 計 36,502.8 35,820.1 37,016.6 36,249.5
※出典:
Ministry of Labor.

 大多数の学卒者は、技能系の職を見つけることができるが、学校教育を受けていない者は、農業、製造業、あるいは小売商の作業員として働くことが多い。
 2008年と2009年の第1四半期を比較すると、小学校、中学校及び高校を卒業した就業者は増加し、小学校中退以下の就業者は減少していることが分かる。また、何らかの研修を受けた就業者も増加している。

2.1.4 離職者の現状

 2008年のタイの自発的離職者の割合は、前年の12.73%よりは減少したが、依然、約10.68%である。通信産業が、約15.08%で最も高く、不動産開発及び商業関連が続きそれぞれ14.04%と13.71%である。最も低いのは、エネルギー・石油産業で約4.59%と自動車関連産業で8.07%である。
 全産業の各ポスト別について見ると、事務及び作業員の地位が最も高くそれぞれ9.76%と9.42%である。これに上級管理職の8.25%、中間管理職の7.39%、経営者の6.48%が続いている。従業員レベルでは、食品・消費財産業が最も高く(13.77%)、銀行、金融及び安全産業(13.45%)、通信産業(12.17%)、交通、運輸産業(12.06%)である。
 40%以上の離職率の会社は、通信、商業及び小売、製造業、及び自動車関連の各産業である。しかし、経営者レベルの自発的離職率が最も高いのは、薬剤業(14.29%)及び各種専門職事業者(14.81%)である。2009年第1四半期では、およそ11万人の従業員がレイオフ(一時解雇)され、2008年第1四半期の約3万5,900人から急激に増加している。2009年1年では、全国でおよそ100万人が離職するとみられている。

2.1.5 職種別技能労働者数

 タイでは従業員のほとんどがさまざまな形で研修を受けており、そのため技能労働者が多い。職種別に見ると、最も多いのは農業、漁業で、約1,100万人である(2008年は約1,300万人)。次いで販売員、サービス員のうち約6,700万人が技能労働者である。その他各職種でも約500万が技能労働者である。
 他にも、弁護士、上級公務員、マネージャー、各種専門職、各種技術職及び関連専門職及び事務員といった、かなり高い専門性の技能、訓練及び資格を必要とする職種にも多い。しかし、2009年と2008年の第1四半期の労働力を比較すると、特に、農業、漁業、販売やサービス員には増加が見られるのに対し、弁護士、上級公務員及びマネージャーでは減少傾向である。

表2‐5 職種別技能労働者数(2007〜2009年第1四半期)(単位:千人)
職 種 2009年
第1四半期
2008年
第1四半期
2008年 2007年
弁護士、上級公務員及びマネージャー 1,060.7 2,418.8 1,373.1 2,508.4
各種専門家 1,459.4 1,436.8 1,493.3 1,417.3
各種技術職及び関連専門職 1,555.3 1,497.5 1,532.3 1,550.1
事務員 1,422.0 1,349.6 1,380.9 1,339.8
販売、サービス員 6,790.9 5,486.7 6,061.2 5,200.1
農業、漁業 11,280.1 10,905.2 13,179.3 12,699.5
手工業及び関連職 4,803.1 4,573.3 4,392.9 4,047.9
製造業 3,103.8 3,114.1 3,024.6 3,053.6
単純労働者 5,027.5 5,038.2 4,578.9 4,432.7
合 計 36,502.8 35,820.1 37,016.6 36,249.5
※出典:
Ministry of Labor.

2.2 賃金

2.2.1 法定最低賃金の最近の動向

 労働省は、最低賃金を産業や部門別ではなく地域別に定めている。最新の最低賃金は、2008年6月1日に発効したものである。バンコク首都圏が依然、最も高く1日当たり約203バーツ※1である。続いて、プーケット、チョンブリ、サラブリ、チャユンサオ、アユタヤ及びラヨーンの順である。
 一方、最も最低賃金が低いのは、ピサヌローク、ターク、ナン、マハサラカム、メーホンソン、スリン、パヤオ、ピチト、プレー、シーサケット、ウトラディット及びチャイヤブームである。

※1
1タイバーツ=2.7987日本円(2009年7月23日現在)

表2‐6 地域別最低賃金(2008年6月1日現在)
最低賃金
(単位:バーツ)
地域
203 バンコク、ナコンパトム、ノンタブリ、パトゥムタニ、サムットプラガン、サムットサーゴン
197 プーケット
180 チョンブリ
179 サラブリ
173 チャユンサオ、アユタヤ、ラヨーン
170 ナコンラーチャシマ
169 ラノーン
168 パンガー、チャンマイ
165 クラビ、カンチャンブリ
164 ペチャブリ、ラチャブリ
163 ジャンタブリ、プラジンブリ、ロブリ
162 ルーイ
161 シンブリ、アントーン
160 プラジュアップキリカン、サムットソンクラム、サゲオ
158 チュンポーン、ウタイタニ
157 チェンライ、トラン、ノンカイ、ウドンタニ
156 カンペンペット、タラート、ナコンナヨック、ランプーン
155 ガラシン、ナコンシータマラート、ブリラム、パッタニ、パッタルン、ペッチャブン、ヤソントン、ヤラー、サコンアコン、ストゥン、スラタニ
154 コンケン、チャイナート、ロイエット、ランパーン、スパンブリ、ノンブアランプー、ウボンラチャタニ
153 ナコンパノム、ナラティワート、ムダハン、スコータイ、アムナートジャルン
152 ピサヌローク
151 ターク、ナン、マハサラカム、メーホンソン、スリン
150 パヤオ、ピチト、プレー、シーサケット
149 ウトラディット
148 チャイヤブーム
※出典:
Ministry of Labor.

2.2.2 賃金もしくは給与の実態調査結果

 最新の労働力調査では、平均賃金が最も高い産業は、金融仲介業、公務及び防衛職、外資系勤務者、不動産、賃貸及び関連業及び鉱業、採石業であり、逆に最も低いのは、農業、狩猟、林業が、漁業、建設業及び家内工業であった。
 2009年と2008年の第1四半期を比較すると、金融仲介業が最も高い給与及び賃金の増加率で、外国の組織に雇用された者、鉱業、採石業、教育及び健康及び社会奉仕で働く者が続いている。
 2009年に入り最も平均賃金が下がったのは、地域社会及び個人サービス活動であった。また、農業、狩猟、林業、家内工業、電気、ガス、水道業でも、2008年に比べ大きく下がった。

表2‐7 産業別賃金(2009年第1四半期)
産 業 平均賃金(バーツ) 2008年同期比増加率(%)
農業、狩猟、林業 3,457 -31.40
漁業 5,074 -6.15
鉱業、採石業 11,057 4.70
製造業 7,453 -4.89
電気、ガス、水供給業 9,246 -19.21
建設業 5,568 -5.25
卸売及び小売業、自動車、
オートバイ及び家庭用品修理業
7,739 -5.86
ホテル、レストラン 6,477 -3.66
運輸、倉庫、通信業 10,158 -15.91
金融仲介業 21,573 22.95
不動産、賃貸及び関連業 12,580 -1.19
公務、防衛 18,324  
教育 10,761 4.32
健康及び社会奉仕 10,204 2.66
その他の地域、社会、
個人サービス活動
6,440 -52.26
家内工業 4,872 -21.21
外資系勤務者 17,364 23.41
※出典:
Ministry of Labor.

 職種別の平均賃金を見ると、依然として弁護士、上級公務員及びマネージャーが最も高額で3万9,472バーツ、一方、最も低いのは単純労働で約4,006バーツである。
 2009年に入り最も平均賃金が下がったのは農業、漁業関係者であり、続いて、単純労働者及び手工業及び関連職である。唯一成長を見せたのは事務員であった。

表2‐8 職業別賃金(2009年第1四半期)
職種 平均賃金(バーツ) 2008年同期比増加率
(%)
弁護士、上級公務員及びマネージャー 39,472 -1.74
各種専門家 19,725 -1.02
各種技術及び関連専門職 12,794 -5.13
事務員 10,173 1.37
販売、サービス員 6,300 -3.32
農業、漁業 4,209 -47.47
手工業及び関連職 5,562 -11.82
製造業 6,475 -0.24
単純労働者 4,006 -13.13
※出典:
Ministry of Labor.

2.2.3 役職別給与体系のサンプル

 給与体系は、組織ごとあるいは部門ごと、また役職や労働者の技能レベル、経歴、学歴によって決まる。また、勤続年数によって定められることがある。
 事務職系では、若年層が主に担当する在庫管理及びサポート職と販売及び顧客サービス職で月に最低約8,000バーツ、最高で約2万5,000〜3万バーツである。また、経理、財務部門及び秘書職では月給4万バーツに対し、マーケティングや調達部門では、最低でも月給1万5,000バーツである。上級職をみると、経理・財務で月給10万バーツ以上、管理職では、秘書を除いて月給15万バーツ、経理・財務及び人事部門では月給25万バーツである。
 産業別では、航空部門の若年層は、月給約8,000バーツだが、国際航空のさまざまな種類の業務及び資格の種類や経歴により、最高約15万バーツを得ることができる。銀行や輸出入業の月給は1〜2万バーツであり、上級職になると、航空部門、小売及びFMCG業、輸出入業もでも高額の給与を受け取ることができる。上級管理職レベルでは、薬剤業、石油及びガス業で月給約30〜35万バーツと最高水準の給与が得られる。
 各種技能及びエンジニアリングは、通常約1万バーツ程度で、上級職になってもあまり伸びない。IT部門は、若年層で約1万5,000バーツ、最高で約3万バーツを得ることができる。上級職ポストでは8万バーツ、管理職及び上級管理職は20〜25万バーツを得ている。加えて、日本語が話せる若年層は、8万バーツを得ており、職級や国籍等により、最高約15〜35万バーツを得ている。
 これらの給与体形は、従業員の基本給のみで、その他の手当や役職手当などは入れられていない点に注意しなければならない。給与の決定要素には、従業員の持つ資格、経歴及び学歴が含まれている。これらは、従業員が、より上のレベルの職種を求める際の市場での信用にも広げられる。これらのポスト(特に上級管理職及び高い技能職)の外国人従業員は、国籍や資格及び経歴によって著しく大きな額を得ることができる。会社の規模や国際企業あるいは世界的な組織により、給与体系は大きく異なる。2つの別の会社で同じレベル、同じポストでも、大きく異なる手当や補償を提示できることに注意すべきである。

2.3 労働時間の現状

 図2‐2及び表2‐9より、タイの労働者の大多数である、約1,330万人が週40〜49時間働き、続いて約1,140万人の労働者が週50時間以上働いていることが分かる。非常に少ない労働者(およそ0.9%)が、週1〜9時間及び週10〜19時間(4.2%)働いている。同様に、非常に少ない約190万人の労働者が、週30〜34時間働いている。これらの週40時間以上働いている者は、普通、ポストや条件によりより遅い時間に1日に8〜10時間働いている。しかし、労働者のための通常の慣行では、休憩時間を含む1日8時間労働である。

図2‐2 労働時間別労働者の割合(2009年第1四半期)
図2‐2 労働時間別労働者の割合(2009年第1四半期)

※出典:
Ministry of Labor.

表2‐9 労働時間別労働者数(単位:千人)
労働時間 2009年
第1四半期
全体比割合
(%)
2008年
第1四半期
全体比割合
(%)
0時間 976.7 2.7 668.7 1.9
1〜9時間 313.3 0.9 322.6 0.9
10〜19時間 1,543.0 4.2 1,302.7 3.6
20〜29時間 3,220.8 8.8 3,284.4 9.2
30〜34時間 1,976.1 5.4 1,866.4 5.2
35〜39時間 3,623.4 9.9 3,581.3 10.0
40〜49時間 13,374.8 36.6 13,060.6 36.5
50時間以上 11,474.6 31.4 11,733.3 32.8
合 計 36,502.8 100 35,820.1 100
※出典:
Ministry of Labor.

表2‐10 役職別の給与体系の事例2009年(単位:バーツ)
役職 ジュニア シニア
最小 最大 最小 最大
部門別 管理・サポート 8,000 25,000 30,000 40,000
経理及び金融 8,500 40,000 25,000 100,000
人事 10,000 30,000 20,000 50,000
マーケティング 15,000 35,000 20,000 50,000
調達 15,000 25,000 25,000 40,000
セールス及び顧客サービス 8,000 30,000 20,000 50,000
秘書 12,000 40,000 25,000 50,000
産業別 航空 8,000 150,000 40,000 150,000
自動車 15,000 25,000 30,000 50,000
銀行 10,000 20,000 20,000 55,000
金融(ノンバンク・リース) 13,000 17,000 20,000 80,000
製薬 40,000 60,000
小売及びFMCG 50,000 100,000
石油及びガス 15,000 30,000 25,000 45,000
輸出入 10,000 20,000 20,000 40,000
保険 12,000 16,000 25,000 70,000
IT・日本語 ビジネス・エンジニア 14,000 40,000 30,000 55,000
製造エンジニア 10,000 45,00 20,000 50,000
システムハードウェアネットワーク 15,000 30,000 25,000 60,000
Application/ソフトウェア 18,000 30,000 20,000 80,000
日本語修得者(タイ人) 15,000 40,000 40,000 60,000
日本語修得者(タイ人以外) 30,000 80,000 40,000 80,000
役職 管理者 上級管理者
最小 最大 最小 最大
部門別 管理・サポート 35,000 70,000
経理及び金融 40,000 150,000 100,000 250,000
人事 25,000 150,000 100,000 250,000
マーケティング 50,000 100,000 150,000 250,000
調達 30,000 80,000 100,000 200,000
セールス及び顧客サービス 35,000 120,000 80,000 250,000
秘書 35,000 80,000 80,000 120,000
産業別 航空 60,000 150,000 70,000 170,000
自動車 60,000 100,000 120,000 200,000
銀行 40,000 150,000 120,000 150,000
金融(ノンバンク・リース) 50,000 150,000 85,000 250,000
製薬 50,000 100,000 200,000 350,000
小売及びFMCG 80,000 150,000 150,000 250,000
石油及びガス 30,000 75,000 80,000 300,000
輸出入 40,000 80,000
保険 40,000 100,000 100,000 120,000
IT・日本語 ビジネス・エンジニア 45,000 100,000 80,000 180,000
製造エンジニア 50,000 120,000 85,000 200,000
システムハードウェアネットワーク 60,000 150,000 150,000 250,000
Application/ソフトウェア 40,000 200,000
日本語修得者(タイ人) 40,000 150,000
日本語修得者(タイ人以外) 60,000 150,000 100,000 350,000

2.4 労使関係の現状

2.4.1 労働組合の現状

 現在、タイには全国レベルの組合がおよそ1,779組合ある。労働者側の組合のうち、民間企業労働組合は、およそ1,299組合と約34万1,520人の組合員を有するタイで最大の組合組織である。次いで、全組合員数約17万5,000人の国営企業労働組合がある。雇用主側の組合は、全国でおよそ391組合ある。
 労働省労働保護福祉局が、タイにおける労働法規が遵守されているかの監督を行っている。これらは、定期的な検査や調査を通して行われる。検査や調査によって認められた雇用主には、さまざまな資格やライセンスを発行している。組合は、民間及び公共部門で働いている双方の者で形成される。確実な監督機関及び仲介・仲裁機関が政府によって立ち上げられている。労働組合の数は、2009年初めにわずか2、3の新組合の加入が見られるだけで極めて少ない。

表2‐11 労働組合数(2009年)
  組織の種類 組織数
労働組合 国営企業労働組合(組合員数) 44(175,000人)
民間企業労働組合(組合員数) 1,299(341,520人)
国営企業労働組合連合会 1
労働組合連合会 18
労働者連盟 12
雇用主組織 雇用主団体 391
雇用主組合連合会 2
雇用主連盟 12
※出典:
Department of Labor Protection and Welfare.

2.4.2 労働争議の現状

 2005年は5,693件の労働争議が報告されており、2006年は約6,982件だった。しかし、2007年になると約2万1,274件へと膨れ上がった。その原因は製造業と金融仲介業における争議の急増である。約1万8,000人の従業員が金融仲介業の労働争議に関係している。
 争点となるのは主に従業員がレイオフされ解雇されるケースである。2007年は約1万1,059件の解雇が報告されている。次いで、労働保護法の不法行為の約4,506件が報告されている。労働条件合意の決裂は、約4,057件が報告されている。最も少ないのは労働災害補償法に関する争議で、わずか7件であった。

表2‐12 労働争議の争点(2007年)
争点 争議数
解雇 11,059
労働条件合意の破綻 4,057
労働保護法の不法行為 4,506
労働関係法の不法行為 212
訴訟判決の享受 103
命令/決定に対する控訴 376
労働者及び雇用主の不法行為 681
労働者弁償法 7
社会安全法 19
その他 254
合 計 21,274
※出典:
Ministry of Labor.

 2007年に次いで、2008年には約4万6,402人の従業員が雇用主との争議に巻き込まれた。同様に、約1,151人の従業員がストライキに関与し約1万2,950日の労働日が失われた。さらに504人の労働者を含むロックアウトにより3万8,801日の労働日が失われた。

表 2-13 労働争議、ストライキ及びロックアウト(2008年)
四半期 労働争議 ストライキ ロックアウト
第1四半期 27,275 272 -
第2四半期 8445 951 371
第3四半期 10,682 200 133
合 計 46,402 1,151 504
※注
第4四半期は進行中のため合計に含めない。
※出典:
Ministry of Labor.

2.5 募集、採用、雇用、解雇の現状

2.5.1 就業規則の例等

  1. 労働時間
    • 1日8時間以内、及び1週48時間以内
    • 従業員の健康、又は安全にとって有害な労働に対しては、
      1日7時間以内、及び1週42時間以内
    • 従業員の1日最小5時間の労働に対し、最低1時間の休憩
    • 週休1日以上、少なくとも6日ごとに1日の休日

  2. 休祭日
    • 労働記念日の祭日を含む13日以上の休日
    • 祭日が週ごとの休日にあたった場合、続く週日に追加の休日
    • 1年間継続して働いた従業員に、6日以上の年間休暇
    • 1年間に30日までの全額支給の疾病休暇
    • 妊娠ごとに最低90日の産休

  3. 超過勤務手当
     雇用主が従業員に、週日に超過勤務を求める場合、雇用主は超過勤務手当を支払わなければならない。超過勤務手当は、正規の勤務で得られる基本時間給の1.5倍を下回らない割合とする。あるいは、出来高払いの者は、週当たり出来高の1.5倍を下回らない割合とする。
     雇用主が従業員に、休日に超過勤務を求める場合、雇用主は休日勤務手当を支払わなければならない。休日勤務手当は、正規の勤務で得られる基本時間給の3倍を下回らない割合とする。あるいは、出来高払いの者は、週当たりの基本給の3倍を下回らない割合とする。

  4. 休暇
    • 従業員が病気で休む場合、傷病休暇扱いとする。これが週3日以上の場合、雇用主は従業員に、公的病院あるいは一級の開業医から疾病証明書を取るよう請求できる。従業員がこれらの機関から疾病証明書を得られない場合、雇用主に対して適切な説明をしなければならない。
    • 従業員が断種目的あるいはその結果のために休む場合、一級の開業医のその旨の証明書を取得しなければならない。
    • 従業員は、就業規則の許す範囲で、個人的な理由で休暇を取得できる。
    • 従業員は、政府の命令や軍関係法令に従って召集された場合、休暇を取得できる。
    • 従業員は、大臣により規則に定められた研修あるいは技能や知識向上のために休暇を取得できる。

  5. 雇用の終了
    • 有期雇用の場合、雇用期間が完了した時、契約は終了する。この場合は雇用主も労働者も事前の予告は必要ない。
    • 雇用期間が定められていない場合、雇用主あるいは労働者は、賃金支払いの一巡前までに、書面で相手側に予告することにより契約を終了できる。
    • 製造ラインあるいは組織全体の体制変えの結果として、雇用を終了する場合、雇用主は解雇の60日前までに通知する義務がある。

2.6 転職の現状

 2009年第1四半期、大多数の失業者は、約13万6,000人の単純労働者であった。次いで、約11万5,000人の製造業従事者であった。唯一、第1四半期の失業者が少なかったのは、弁護士、上級公務員及びマネージャー及び各種専門職事業者である。また、表2‐14から、低い技能の労働者が、前年より高い失業のリスクに直面していることが分かる。図2‐3にこれらの割合を示す。

表2‐14 失業前の職業(2007〜2009年第1四半期)(単位:千人)
失業前の職業 2009年
第1四半期
2008年
第1四半期
2008年 2007年
弁護士、上級公務員及びマネージャー 2.1 8.4 4.8 4.8
各種専門家 9.3 10.2 7.8 4.1
各種技術職及び関連専門職 30.5 25.0 16.1 13.2
事務員 38.0 22.1 23.5 20.3
販売、サービス員 76.7 50.6 46.2 46.6
農業、漁業 83.7 69.4 37.1 37.9
手工業及び関連職 108.2 77.9 60.7 60.0
製造業 115.5 44.2 47.7 47.8
単純労働者 136.1 143.4 95.6 83.6
合 計 600.2 451.1 339.5 318.3
※出典:
Ministry of Labor.

図2‐3 失業前の職業(2009年第1四半期)
図2‐3 失業前の職業(2009年第1四半期)

※出典:
Ministry of Labor.

2.7 その他の雇用慣行

2.7.1 企業の慣行

 労働保護法及び各自治体で定められた保護政策及び労働基準法を、雇用主は堅守するように求められている。これら基準の範囲内で、他の規定及び会社の慣行は自社の方針に沿って変えることができる。しかし、労働保護福祉局は、雇用主が従業員に下記の項目を手当に含むことを奨励している。

  • フリンジ・ベネフィット(追加給付)
  • 労働者のための貸付基金
  • 託児所
  • 労働保護福祉に関する教育
  • 労働保護福祉に関する教育及び手法の供給
  • HIV/AIDSに関する管理標準の整備
  • 持続可能経済のための雇用主と従業員を対象とした労働保護福祉に関する研修
  • HIV/AIDSに関する管理のガイドライン整備

 法に定められたもの以外の、タイの一般的な従業員手当には、以下のようなものがある。

  • 車の提供と手当
     これは会社が従業員に社有あるいは別の車を準備する場合である。これらは、私用及び社用の両方で使用できる。ガソリン代や維持費を会社が持つ場合もある。しかし、これは特権で、普通は経営者や特別な部門のためのものである。
  • 交通費と手当
     従業員が使う全交通費を負担する会社もある。これらは、月額で定額あるいは雇用主と従業員の間での話し合いと見積りに基づく額の場合がある。
  • 住居と住居手当
     転居が求められる時、住居及び住居手当を提供する会社がある。これらは、建物の提供、さまざまな住居費用、住宅サービスのような確実な快適さの提供、及び合意された契約に基づく住居手当などがある。
  • 教育費
     従業員の子供の教育費全額あるいは一部を雇用の期間中負担する会社がある。話し合いで合意した契約により、学校の種類や負担範囲により額が異なる。従業員が参加する研修やスキルアップのためのワークショップの費用を負担する会社もある。これは全額会社負担と一部負担の場合がある。
  • 娯楽費
     これには、従業員と会社の大事な顧客の両方のための娯楽が含まれる。これらは、会社によってまちまちであり、従業員に与える手当の形をとることもある。あるいは重要な領収書や必要書類を提出することで費用を負担する場合もある。
  • 医療費
     これには、会社による医療費の一部あるいは全額負担の場合が含まれる。従業員は、普通、医療費の領収書及び記録を手渡すことで医療費が払い戻しされる。これらは、従業員の家族にも適用される。
  • 従業員の自社株購入権(ストックオプション)
     これは、従業員が将来決められた数量の自社株をあらかじめ定めた額(権利行使価格)で購入する権利が与えられる、株価と連動した報奨制度である。この権利は、株価が権利行使価格を上回った時のみ、市場価格との差額により利益を得ることができる。株価が権利行使価格より下落した場合、従業員は株を買う義務はない。この種のプログラムに参加する従業員には税の優遇措置がある。株割り当ては、全従業員が対象あるいは任意で対象範囲を定められる。

参考文献

  1. Adecco Thailand. (2009).
    http://www.adecco.co.th/
  2. Department of Labor Welfare and Protection. (2009).
    http://www.labour.go.th/
  3. Ministry of Labor. (2009).
    http://eng.mol.go.th/
  4. The Center for Economic and Business Forecasting. (n.d.).
    http://utcc2.utcc.ac.th/localuser/cebf/
    analysis.php

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