各国・地域情報

フランス

作成年月日:2004年8月31日

雇用労働関係法令

5.1 労働法令

調査中

5.2 労働基準関係法

労働契約

従業員と雇用者を結ぶ契約である。従業員はその労働の対価として、雇用者から給与を受け取る。このような契約の存在によって、双方に相互的な権利・義務が発生し、一定数の規則を遵守する義務が課される。ここで注意すべきは、書面の存在が不要なことである (いくつかの場合を除く)。しかしながら書面の存在は、契約の範囲を明確にし、紛争のリスクを制限するという限りで保証を与える。いずれにせよ、法律は雇用者に、雇用に際していくつかの項目が記載された書面を提出し、賃金支払い明細書 (こちらにも義務付けられた記載事項がある)の交付を義務付けている。
労働契約の法的定義は存在しないが、それでも、判例によっていくつかの項目が与えられている。裁判官にとっては、人が収入のために、給与と引換えに他者の管理下で働くときから契約が存在する。この定義より、労働手当て、給与、立場の従属の要素が前面に置かれる。労働契約によって明らかにされた労働者の身分は基本的なものであって、企業における一定の権利を守り、認めさせるものである。つまり、少なくともSMIC に等しい給与の受取り、保健衛生に関する保護、有給休暇の取得、労働時間を制限する措置の恩恵に浴することなどである。
パートタイム労働・短期雇用・臨時業務・若年者と失業者のための特別雇用は、書面を要する契約が義務付けられている。
自宅で従業員を雇う個人は、サービス小切手 (給与と社会保険料の支払いを簡素化した方法)を、勤務報酬の支払いのために用いることができる。したがって雇用者は、給与支払明細書の発行を免除される。加えて、2003 年7 月2 日付け法律の枠組みにより、最小規模の企業はTEE (Titre Emploi Entreprise:企業雇用券)を利用することができ、労働契約と給与支払いの代わりにできる。
法律ではあらゆる契約と同様に、労働契約が効力を発するためには、下記の規則を遵守しなければならない。

  • 契約の目的は善良の風俗に反するものであってはならず、公の秩序を尊重しなければならない。
  • 当事者は契約締結能力を享有しなければならない (未成年者は、その法定代理人の許可を要する)。
  • 当事者の合意は、暴力あるいは詐欺の結果としてはなされない。
  • EU の指令により、被雇用者に対する書面による契約の提出が、雇用から2カ月以内に課される。

当事者の義務として、雇用者と被雇用者が労働契約に署名したとき、以下の義務を負う。

雇用者から被雇用者へ
定められた給与を支払い、役職に応じた仕事を与え、労働にかかわる法的・協約的規則を遵守する。
被雇用者から雇用者へ
雇用者の監督と命令の下で勤務し、内部規則と保安指示を遵守する。

図5-1 労働契約の類型


 
CDD (Contrat de Travail à Durée Déterminée:有期限雇用契約)
企業の通常の継続的業務にかかわるポストを目的としても結果としても、与えることはできない。期間は9 カ月 (1 回の更新は可能)を超えてはならない。ただし、以下の例外を除く。
  1. 季節労働に対する8カ月
  2. 緊急の作業あるいはCDI (Contrat de Travail à Durée Indéterminée:無期限雇用契約)で募集している労働者を待つ間の9カ月
  3. 仕事の一時的増加による慣例的臨時雇用に対する18カ月
  4. 輸出の例外的需要がある場合の消失が予定されているポストに対する24カ月
雇用者はすべての場合において、給与の合計支給額の6%に相当する不安定雇用手当ておよび有給休暇手当てを支払わなければならない。
派遣労働契約 (派遣会社との3者契約)
契約条項はCDD と関連を持ち、同じ規則に従う。相違点は労働日数5日当たり1日の割合で (最高10日)、契約期間が延長あるいは短縮されうることである。労働者は、有給休暇相殺補償金と10%の不安定雇用手当てを享受する。

労働時間

労働時間の規制は、労働時間削減に関連してオブリ諸法により修正された。これらの法律自体は、2003年1月17日付フィヨン法による修正を受けた。
全労働者に共通の諸規則は、以下に展開される。しかしながら、フィヨン法以降、職種あるいは企業それ自体の内部において多くの措置が修正可能である。
従業員数にかかわらず、あらゆる企業において法定労働時間は週35時間に設定された。これは、時間外労働を開始するための基準となる時間である。しかし、実際の労働時間は、必ずしも法定労働時間に適っている必要はない。協約と集団協定によって、より少ない労働時間を設定することができる。また、実際の労働時間は補償を受ける権利が与えられる時間を上回ることもできる。

表5-1 法定労働時間
労働者 1日当たりの労働時間の上限 1週当たりの労働時間の上限
18歳以上 10時間
6時間の連続勤務を超えた場合、少なくとも20分間の休憩が認められなければならない。
臨時超過勤務の場合、48時間、あるいは連続する12週間について44時間(県労働局の許可により特例が可能)
18歳未満 7時間
連続勤務時間は最高4時間30分で、少なくとも30 分間の休憩が認められなければならない。
35時間
超過勤務時間 (労働法典第L212-5 条)
時給の増額あるいは補償に対する権利を付与する。超過時間の控除と増額は、賃金支払い明細書に表示されなければならない。
超過時間の増額の合計は業種の協定によって設定される。増額の割合は10%を下回ってはならない。協定がない場合、最初の8 時間に対しては25%、以降は50%の増額である。1 年当たりの超過時間割当ては、業種の拡大協定によって、ない場合はデクレによって設定される (従業員1 人当たり1 年間に180 時間の法定超過勤務時間)。
いずれにせよ、労働協約あるいは拡大集団協定、または、企業協約あるいは協定の適用に際し、超過勤務時間に対する支払いと増額は、「代替代償休日」に代えることができる。
新年度 (9 月)の始めに、35 時間法のそのほかの修正を巡って、労働相と組合の会合が予定された。

休暇

祝祭日
表5-2 労働法典第L222-1条に指定されている法定祝祭日
祝祭日 日 付
元旦 1月1日
メーデー 5月1日
第2次大戦終戦記念日 5月8日
革命記念日 7月14日
聖母被昇天祭 8月15日
万聖節 11月1日
第1次大戦終戦記念日 11月11日
クリスマス 12月25日
五旬祭の月曜日 移動祝祭日
復活祭の月曜日 移動祝祭日
キリスト昇天祭 移動祝祭日
5月1日のみ必然的にすべての労働者に対する祝日となる (あらゆる人が休業し、支払いを受ける日)。
法定祝祭日には、職業あるいは地方の祝祭日を加えることができる。祝祭日と休業日に対する支払いは、少なくとも勤続3カ月で、祝祭日(いかなる条件も存しない5月1日を除く)前後の2カ月間に200時間の勤務があるすべての従業員に対して義務付けられている。
有給休暇
すべての労働者は、参照年度中 (6月1日~翌年5月31日)少なくとも1カ月間の実質的労働期間従業していた場合、年ごとに雇用者から支払われる有給休暇に対する権利を持つ。しかしながら、業種協定あるいは企業協定によって異なる参照期間を設定できる。また、有給休暇金庫が設立されている職種では、参照年度は4月1日~翌年3月31日となる。
これらの職種では、有給休暇は雇用者からではなく、有給休暇金庫から支払われる。
病気の期間とストライキは、法律上、労働時間と同等の扱いを受けない (労働協約の取決めと条項が反対する場合を除く)。
労働者は、参照年度中、実際に働いた月ごとに2.5日、あるいは1年につき全体で5 週間、就業日(日曜日以外の毎日)を休日にする権利がある。労働時間の調整という枠組みで署名された多くの協定により、過重労働を埋め合せるための、追加の休暇取得が可能になった (特に管理職の大部分に対して)
母性・父性・養子縁組休暇
賃労働に従事する妊娠した女性は、妊娠の際、一定の特別な措置を受けられる。いくつかの場合、これらの措置は養子縁組にも適用される。一方父親は、諸々の条件下で父性休暇を取ることができる。
以下は妊娠した女性を保護する措置である。
  1. 雇用者は、雇用の拒否・使用期間中の労働契約解消・配置転換の言い渡しに関して、女性の妊娠を考慮に入れてはならない。
  2. 状況が要求する場合、妊娠した従業員は一時的にほかの仕事に配属可能となる。
  3. 診察のために、給与の損失なく欠勤する許可を得る権利がある。
  4. 補償された母性休暇を得る権利があり、その間労働契約は一時停止となる。
  5. 妊娠が明白な女性は、通常課される契約解除予告を遵守することなく辞職することができる。
  6. 妊娠の全期間を通じて、また、出産 (あるいは養子縁組)後に、当該従業員が妊娠と無関係な重大な過失を犯した場合、あるいは雇用者が労働契約を維持することが不可能となった場合、雇用者は当該従業員を解雇できる。
  7. 母性休暇・養子縁組休暇の全期間を通じて、解雇することはできない。
母性・養子縁組休暇は、第1・2子については16週間 (出産前に6週間、出産後に10週間)、第3子については、26週間となり、複数子出産の場合には、出産前休暇が (6週間の代わりに)10週間となる。
第1子または複数子誕生の際、賃労働者である父親は、最高で連続11日間 (複数子出産の場合には18日間)の父性休暇の権利がある。休暇取得のために父親は、遅くとも休暇開始日の1カ月前には、雇用者に対し、受領証を備えた書留によって通知しなければならない。この期間中、労働契約は一時停止されるが、権利開始の条件を満たせば、SS (Sécurité Sociale:社会保障)から休業補償手当てが支払われる。

労働福祉

産業医制度
すべての労働者が「職場における保健衛生サービス」 (労働法典第L241-1条以降)の下に指定された産業医制度を利用できなければならない。企業の規模に応じて、これらのサービスは企業内にあるか、複数の企業に共通して存在する。1人または複数の産業医がそこで予防活動を行い、従業員の保健衛生の保護に配慮する。産業医の任務は実際に、雇用者・従業員・従業員代表に対して生活と企業での労働における環境改善 (ポストの割当て、危険と災害の防止など)に関する助言を行うことである。産業医は義務付けられている健康診断、特に採用時検診を行い、従業員に提示されたポストに対する医学的見地からの適性を保証する。この検診は定期的に少なくとも年1回実施される。

性別・人種別・年齢別雇用規制

2001年12月16日付法および2002年1月17日付法により既存の措置が強化された。

労働法典第L123-1条
職業の平等は、あらゆる差別の禁止によって明確となる。
  1. 求人そのほかあらゆる形態の広告に、求められる候補者の性別や家族状況を記載したりさせたりしてはならない。
  2. 性別や家族状況を理由として、雇用・配置転換・解雇・労働契約更新の拒否をしてはならない。
  3. いかなる措置も、特に給与・教育・配置・格付け・等級付け・昇進に関して、性別を考慮してなされることはできない。
同等あるいは等価の仕事に対する男女間の給与原則も、第L-140-2 および3 条に明示されている。
毎年、雇用者は、企業委員会に男女の雇用・育成条件の比較状況に関するレポートを書面で提出しなければならない。つまり、雇用者は毎年、職業上の平等とそれを可能にする措置にかかわる目標を巡って、代表的組合と交渉しなければならない。業種のレベルでは、当該交渉は3 年ごとに行わなければならない。障害を抱える労働者に対する優遇措置が数多く存在する。職業への参入を容易にすることを目指すものと、特別手当ての取得を保証する狙いがある。
障害を持つ人の雇用義務
  1. 身体的・精神的能力の不十分さと制限によって雇用を獲得・維持する機会が実際に限られたすべての人々を、障害を持った労働者とみなす。この「障害を持った」という身分は、COTOREP (Commission Techniques d’Orientation et de Reclassement Professionnelle:障害者職業指導社会復帰専門委員会)によって認定されている。
  2. 1987年以降、従業員20 人未満のあらゆる民間企業および公共企業は、パートタイム・フルタイムを問わず、障害があるかそれと同等の労働者を6%雇用しなければならない。
  3. AGEFIPH (Association de Gestion du Fonds pour l’Insertion Professionnelle des Personnes Handicapées:障害者雇用促進基金運営協 会)の支援 国は企業における障害を持つ労働者の雇用を促進するため、さまざまな財政的支援を与えている (例えば環境整備費用・ポスト調整費用の部分負担など)。
2004年1月末、障害のある人を担当する閣外大臣マリー=テレーズ・ボワソーは、1975年6月30日付法を改革した「障害を持つ人の権利と機会の平等・参加・市民権のための」法案を提出した。当案件を国家の優先課題としたジャック・シラクの意向に従って、本文は、障害のある人をより社会に浸透させることを目指している。この条文は、祝日を1日削減することによって生じる8億5,000万ユーロを財源として、2005年に発効することになっている。これは、尊厳のある自律的生活の諸条件を保障することを目指して、「補償すべき権利」を定めている。
政府は加えて、最高でも5年以内の期限で、障害のある人を年齢に応じて区別するすべての措置を廃止することを約束している。

5.3 労働組合関係法令

組合

労働者の権利向上に強力に貢献し、特に改正35時間制の協約締結に際して、経済社会生活において、改めて重要な位置を占めている。

労働法典第L411-1条
職業組合は、その身分によって対象となる人々の、集団的・個人的な権利および物質的・精神的利益の追求と擁護を専らの目的とする。したがって、組合は、労働者 (当該職業の労働者1 人あるいはその総体)の権利と利益を擁護する。単純に政治的な活動は禁止されている。
組合の自由は、年齢・性別・国籍にかかわらず、労働者自らが選択した組合への加入 (あるいは不加入)の自由および組合設立の自由を言明する。
代表的組合
代表的組合のみが法人格を持つ。
実人員・ (特に雇用者に対する)独立性・徴収される組合費・実績・歴史の長さ・戦時中の愛国的態度との関連により、1つの組合のみが代表として認められる。1996年のアレテによると、次の諸組織が国家レベルの代表である。
表5-3 国家レベルの代表的組合
創立年 組合名
1895年 CGT
1919年 CFTC (Confédération Française des Travailleurs C+hrétiens:フランス・キリスト教労働者同盟)
1964年 CFDT (Confédération Française du Travail:フランス民主主義労働総同盟)
1948年 FO ((Force Ouvrière:労働者の力)
1944年 CGE-CGC (Confédération Française de l’Encadrement,Confédération générale des cadres:フランス職制-管理職総同盟)

代表的組合は、法人格を享受することにより、集団的利益を擁護するため、あるいは労働者を代表するために、出廷することができる。また、動産・不動産の取得や契約の締結も可能である。
組合の資金は、組合員負担・国家助成金・地方援助・活動収入・組合所有財産に由来する。
法律が定めた3 つの明確な制度により、企業において従業員を代表することが可能となる。つまり、企業内組合支部、企業委員会、従業員代表委員の各制度は十分に特別な任務を負っており、それぞれに固有の財源が付されている。

  1. 企業
    職業選挙に候補者を擁立することができ、企業委員会に代表者を選出し、 組合支部を設立し、組合代表委員を指名する。つまり、労働協約と企業協 定の推敲と締結に関与する。
  2. 職種
    労働協約の交渉に参加し、その拡大を要求できる。
  3. 国家レベル
    助成金を受け、国内業種間協定の交渉と署名に参加し、さまざまな国家組織に席を占める。

組合支部

同一の組合に加入する企業の従業員の集合体である。その設立には、実際にいかなる条件も要しない。
また、雇用者に対して、企業の全従業員の物質的・精神的利害関係を代表する役割を果たす。しかしながら、企業における役割は、選ばれた代表者の役割と混同されない。組合支部は、労働と雇用の条件を改善するために、企業の従業員を集団的に組織する使命があるためである。
組合代表委員は、雇用者に対して、組合と組合支部を代表する。各代表的組合は、従業員数が最低50人の企業に、また、いくつかの条件で小規模企業に、組合代表委員を1人指名する。そのほかの従業員を代表する者と同様に、組合代表委員は、代表活動時間・出張の自由・解雇に対する保護の恩恵に浴する。
職業選挙 (2年ごとに名簿式2回投票で行われる)によって、企業内に従業員代表委員とCE (Comité d' Entreprise:企業内委員会)のメンバーが置かれる。
選挙人と被選挙人の必要条件は、以下のとおりである。

選挙人
  1. 当該企業の従業員
  2. 16歳以上
  3. 最低3年の勤続年数
  4. 市民権を剥奪されていない
被選挙人
  1. 少なくとも1年前から当該企業で中断することなく働いている
  2. 18歳以上
  3. 雇用者と血縁関係がない
  4. 組合の任務を剥奪されていない

従業員代表委員

従業員数が11人以上となった場合、雇用者は、従業員代表委員の設置と選挙を組織しなければならない。代表委員は、従業員の総体 (常勤従業員と臨時従業員)を代表し、企業における労働規則の適用に注意を払う。

役割
  1. 雇用者に、給与・労働法典の適用などにかかわる従業員の個人的・集団的 権利要求を提示する。
  2. いくつかの労働条件や決定 (特に集団解雇)に関する相談を受ける。
  3. 労働条件改善のための提案をする。
  4. 法の適用にかかわるあらゆる苦情と批判を労働監督官に委ねることがで きる。
  5. CEに委員会の能力に関する従業員の提案と批判を伝える。
  6. 委員会がない場合、代表委員がその任務を請け合う。

CE

1945年に創設され、ますますその重要性を増している。30,000近くのCE が、従業員50人以上の企業の4分の3、つまり従業員の30%にかかわる部分に振り分けられている。CEは従業員の集団的利害関係を表明する使命を負う。この機能を果たすために、企業の全般的な歩みにかかわる決定について、情報を与えられ、相談を受けなければならない。いくつかの場合に対して、法律は単なる情報伝達のみを想定している。別の場合には、法が予めの相談手続きを整理している。これは経済的事由による、従業員10人以上のあらゆる解雇計画に対する場合である。他方、法律によってCEに警告権を付与することができる (例えば、CDD や臨時契約の手段に訴えることの濫用がある場合)。CE は労働監督官に委ねることができる。

ストライキ権

長い間違法であったが、ストライキはそれでも、より良い労働条件の獲得を求めて定期的に行われた。1946 年、前憲法の序文が、既にストライキ権に対して公の自由という性格を認めていた。
労働法はストライキを明確に定義していない。一方、破毀院はストライキを「専門職同業団体の特定の要求を達成させるための、集団的かつ合議による従業員の労働停止」と規定している。
ストライキの間、労働契約は一時停止となるだけである。従業員は、解雇されず、制裁も受けない (ストライキ権の尊重)。ただし、従業員の重大な過失 (暴力・労働の自由に対する妨害など)がある場合を除く。労働者はストライキが終了次第、仕事を再開する。

ストライキ権の制限
いくつかの職業においてはストライキ権が規制されている。
  1. ある種の公務員 (共和国治安機動隊・軍人など)については禁止
  2. 最低限のサービスを保証する義務がある職業 (報道関係)については制限
  3. 予告義務
    ストライキ権は規約 (公務員)あるいは労働協約 (バス運転手など)によっ て想定された最小期限までに予告してからでなければ遂行されることは できない。
ストライキは企業の解体を招かず、ストライキを行う者がほかの従業員の労働 を妨げなければ合法である。しかし、企業の生産活動妨害を目的としたり、従 業員が重大な過失を犯すといった、所有権の侵害がある場合には違法となる。 非合法ストライキは、解雇の深刻な理由となりうる。

5.4 労働保険関係法

SS

社会保障機関
非常に複雑であり、強制加入の530 以上の体制と1,000 以上の地方組織がある。

図5-2 SS



表5-4 社会保証一般体制の行政機関
行政機関 機関名
国家レベル ・CNAMTS (Caisse Nationale d’Assurance Maladie des Travailleurs Salariés:全国賃労働者疾病保険金庫)
・CNAVTS (Caisse Nationale d’Assurance Vieillesse des Travailleurs Salariés:全国賃労働者老齢保険金庫)
・CNAF (Caisse National d’Allocations Familiales:全国家族手当て
金庫)
・ACOSS (Agence Centrale des Organismes de Sécurité Sociale:社会保障機関中央資金管理事務所)
地方・地域レベル ・CRAM (Caisse Régionale d’Assurance Maladie:地方疾病保険金庫)
・URSSAF ((Union de Recouvrement des Recouvrements de SS et d’Allocations Familiales:社会保障・家族手当て保険料徴収組合連合)

社会保障法典第311-2 条は、以下を明確にする。
すべての人は、年齢・国籍、肩書きにかかわらず、また、仕事場・雇用者の人数・給与額にかかわらず、強制的にSS に加入する。

加入、登録
  1. 労働者は、雇用者の要求によって最初の就職時に登録され、登録番号が付与される (生涯同一)。
  2. 雇用者は、起業後、いくつかの過程を経てURSSAF に加入する。こうして、企業事業所登録番号が交付される。

図5-3 SS の資金の流れ


SS は、従業員と雇用者の強制負担によって資金が調達される。雇用者は、保険料 の総額を支払う責任を持つ。
現物給付
SSによる保健衛生費用の補償は、保険加入者とその権利所有者 (扶養児童、配偶者、医療保険義務体制に未加入の内縁者)を利する。補償はSSの料金基盤に基づいてなされる。被保険者は参照年度に1,200時間または、四半期に対して120時間、あるいは前月に60時間の勤務か、少なくとも最低時給の2,030倍に等しい報酬の保険料と同額の負担を証明しなければならない。現物給付の権利取得に必要な条件を満たさなくなった者は、それでも4年間はその恩恵を受けることができる。これは、「権利継続」と呼ばれるものである。
失業者は現物給付と休業補償手当てに対する権利を所有する。補償されなくなった場合、4年間の権利継続が可能である。社会参入・社会復帰の研修中である若年者と失業者ならびにRMI受給者、TRACE (Trajet à l’ ACcès à l’Emploi:雇用への道のり)プログラムの受益者も等しく現物給付の権利がある。
休業補償手当て
医師の診断による労働の中断に際して、SSから支払われる金銭給付である。手当ての受給には、登録および勤務期間の条件 (四半期中200時間の勤務、または最近6カ月間に少なくとも最低時給の1,015倍に相当する保険料の支払い)を満たさなければならない。
6カ月を超える勤務停止に対しては、労働者は少なくとも12カ月のSS加入期間があり、休業に先立つ1年間の勤務時間が最低800時間で、最初の3カ月は200時間であることを証明しなければならない。疾病あるいは妊娠・出産の場合、休業補償手当ては、SSの上限 (1カ月当たり2,432ユーロ)を考慮して、勤務停止直前の給与を基に計算される。休業補償手当ては、SS年額上限の720分の1を下回ってはならず、6カ月の勤務停止後の7.80ユーロを下回ってもならない。社会一般税と社会負債返済税の天引きは、休業補償手当てに関して行われる。
CMU (Couverture Mutuelle Universelle:普遍的医療給付)
1999年7月27日付法により創設された。これは基礎的CMUと補足的CMUの2段階からなる。CMUの権利を得るためには、3カ月以上前から継続してフランスに居住していなければならない。しかしながら、この期限は、家族手当てまたはRMI受給者には適用されない。これは、保護という名目で受け入れられた、あるいは難民としての身分を要求した、亡命者や難民を妨げるものでもない。したがって受給者は、SSの一般制度に加入しているのであり、保健衛生費支出の補償に対する権利を (不時の権利所有者も同様に)有する。しかし、資産が一定の上限を超える者に関しては、少額の負担金を支払わなければならない。
補足的CMUは、通常は被保険者の負担として残る費用をカバーするために、低所得者層に無償の補足的保護 (そして特に第三者支払い制度)を提供することからなる。その権利は1年間であるが、条件が満たされたままであれば更新可能である。

失業保険

やむを得ず職を奪われた労働者は、場合に応じて、労使代表によって管理された失業保険の一般制度 (従業員と雇用者の負担金により出資)、または連帯制度 (国家と公務員の1%負担により出資)に属する補償収入の権利がある。連帯制度は、失業保険手当てを受けられないか、受けられなくなった者にあてられる。これは、失業保険と同様、UNEDIC (Union Nationale pour l'Emploi dans l'Industrie et le Commerce:全国商工業雇用協会連合)とASSEDIC (Associations pour l’Emploidans l’Industrie et le Commerce:商工業雇用協会)によって運営される。
失業保険として適用されうる措置は、労使代表 (組合と雇用者の組織)によって交渉・署名される。次いで、公権力によって承認された協約に由来する。現行の協約は、2001 年と2002 年末にいくつかの修正対象となった。
状況にかかわらず、労働者は最初に求職者としてASSEDIC に登録しなければならない。

失業保険体制
職を奪われた労働者は、条件を満たせば、補償期間中ARE (Allocation d’ Aideau Retour à l’ Emploi:雇用復帰支援手当て)から一定額の支払いを受ける権利がある。
ARE の恩恵を受けるためには次の条件を満たす必要がある
  1. 解雇・CDDの満了・「正当」とみなされる辞職による、やむを得ない職の喪失
  2. 雇用契約終了に先立つ22・24・36カ月間に182日 (910 時間)・426日 (2,123時間)・821日の保険加入期間の証明
  3. ASSEDICへの求職者登録
  4. 実際の・恒常的な求職
AREの総額は、以前の給与額に応じる。また、補償の支払い期間は、年齢と保険加入期間による。したがって、支払い期間はそれに応じて7~42カ月の幅がある。
AREの支払いは、当事者が給与を受け取るか、そうでない職業活動を見つけたとき・年金の権利を所有しうることを条件として、60歳に達したとき・フランスの領土に居住することをやめたときは、直ちに中断される。
補償の終了
失業補償の権利が終了するときに、連帯制度の手当てを受けられない場合 (資金の条件以外の理由で)、AREの一定部分総額の27倍に等しい請負額援助を受けることを要求できる。

年金

すべての労働者は、支払った老齢保険金の代償として、60歳からSS一般制度の年金に対する権利を所有できる (14~16 歳で働き始めた者は除く)。この基礎年金に加えて補足年金が、管理職に対してARRCO(Association des Régimes de Retraite Complémentaire:補足退職年金制度連合)またはAGIRC(Association Générale des Institutions de Retraites des Cadres:管理職退職年金制度総連合)から支払われる。
以下の詳細な措置は、民間部門の労働者に適用できる。一方、公務員・公共部門の係員・職人などは、別の措置に依存する。
分配による強制加入制度に由来する年金は、任意の資本化による年金制度によって、補完することができる。

年金の権利取得
  1. 一般制度に対して
    1四半期のみ年金の支払いを受けられる。1四半期を有効にするためには、少なくとも最低時給の200倍に相当する給与に関して保険金を支払っていなければならない。
  2. 補足制度に対して
    年金は労働者が所有する点数によって決定される。
いずれにせよ2003年の年金改革以降、年金の計算に考慮される参照期間は増加し (改革以前は150四半期に設定)、2004年1月1日以降、2008年に160四半期に設定することを狙って、1年当たり2四半期となっている。2004年以降、60歳を超えても働き続ける被保険者 (かつ権利開始に必要な加入四半期間が既にある者)によって有効とされた四半期は、0.75%(あるいは年3%)の年金増額の権利を開始する。雇用者が強制的に退職させることは、従業員が65歳に達している場合にしかできなくなる。

疾病保険

疾病あるいは妊娠・出産の場合、また、一定の条件を満たせば、SSによってすべての労働者は、保健衛生にかかった費用の払戻し (現物給付)と、労働の停止によって生じた収入の損失を部分的に補償する、休業補償手当ての支払い (金銭給付)が保証されている。
以下に記述する規則は、SSの一般制度に加入している労働者に適用される。
特別な規則は、いくつかの職業 (VRP:外交員、在宅労働者、季節労働者など)と、公務員のように特別制度に加入している労働者に適用される。
疾病・労働災害による短期欠勤は、労働契約の中断とならない。労働契約は、一時停止されるだけである。一方、雇用者は、疾病や障害による欠勤の反復・延長によって、企業の機能が混乱したり、雇用者が決定的な配置転換の必要に迫られたりする場合には、従業員を解雇することができる。

5.5 職業能力開発法令、法規、条例

調査中


参考文献

  1. Code du Travail et de la Securite Social Visualisable sur Website, http://www.legifrance.fr/

印刷用PDFページ

このページの内容をプリントアウトしたい方は、以下のPDFファイルをクリックしてください。

フランス-雇用労働関係法令のPDFファイル(54KB)

掲載されている内容をご利用になる際は、こちらを一読いただきますようお願いいたします。
各国の情報はPDFファイルでも作成されています。PDFファイルを見るためには、Adobe Readerというソフトが必要です。
Adobe Readerは無料で配布されています。ダウンロード・インストールする場合には、下のアイコンをクリックしてください。
Get Reader

▲ ページトップへ