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2008年、ロシアの経済活動は全体的に活発であったにもかかわらず、実質的な経済成長は2007年で終了した。ロシア連邦国家統計庁によれば、2008年のGDPの全成長率は5.6%となっているが、第二四半期には成長に陰りが見られ、最終四半期にはわずか1.2%の成長であった。 最終四半期は1998年の経済危機以来の最小値であり、2008年の総純利益は2007年と比較して40%も減少している
2008年の最終四半期における工業生産高は、2007年の同月と比べると10月は6.1%とほぼゼロ成長であり、11月は−8.7%、12月は−10.3%と暴落している点が極めて重要である。
図2-1 月間平均工業生産指数と傾向
(2005年=100)

原油価格の下落が7月に始まり、8月にはロシアの株式市場の株価が急降下し、そして下落は徐々に全体的に拡大し、2008年の終りには米ドルで預金していたロシアの国際準備金から520億ドル※1が減少し、それと同時に国内通貨の価値も低下した。
2007年には800億ドル以上の資本流入があったのに対して、2008年はロシアからの純資本逃避が1,330億ドルであった。
外貨準備額においては、ロシアは経済危機に対する準備がかなりできていたといえる。2008年初めには米ドルで4,790億ドルの預金があり、国際市場での原油価格の下落、深刻な資本流出及び金融危機が起きても、財政上の安定を保つ余裕があったのは確かである。
その一方で、ロシアは制度的にはこれらの状況に対する準備ができていなかった。つまり、競争のない経済、政府による市場介入、市場の状況に対する反応の悪さ、当局と関係のある非効率な企業の保護、低レベルの改革、高レベルの独占などに問題があったからである。例えば、工業製品の生産者価格は7%落ち込み(2007年12月との同月比)、鉄道貨物にかかる関税は41.1%も上昇した。
欧米、日本がデフレの2008年末においても、ロシアでは経済危機と工業生産高の減少にもかかわらず物価が上昇している。アメリカの消費者物価指数は11月に−1.7%、12月に−0.8%、次いで日本はそれぞれ−0.8%と−0.5%、そしてEU27カ国では−0.4%と−0.2%であったが、不動産部門の経済活動はロシアよりも好調であった。
図2‐2 消費者物価指数(前年比)

制度的な弱点の一例として、労働市場の状況がある。2008年の世界経済危機によってロシアの労働市場には劇的な変化が見られる。労働市場の通常の反応ではあるが、生産量の激減により失業者が100万人にまで増加し、失業者数が労働人口の7.0%に達している。
| 2000年 | 2001年 | 2002年 | |
| 人口 | 146.3 | 145.6 | 145.0 |
| 労働力人口 | 72.332 | 71.411 | 72.421 |
| 就業者数 | 65.273 | 65.124 | 66.266 |
| 失業者数(ILO)※3 | 7.059 | 6.288 | 6.155 |
| 失業率(%) | 9.8 | 8.8 | 8.5 |
| 失業者(登録済)※4 | 1.037 | 1.123 | 1.500 |
| 人口増加数(前年比) | ‐ | −0.7 | −0.6 |
| 雇用成長数(前年比) | ‐ | −0.1 | +1.1 |
| 2003年 | 2004年 | 2005年 | |
| 人口 | 144.2 | 143.5 | 142.8 |
| 労働力人口 | 72.835 | 72.909 | 73.811 |
| 就業者数 | 67.152 | 67.134 | 68.603 |
| 失業者数(ILO)※3 | 5.683 | 5.775 | 5.208 |
| 失業率(%) | 7.8 | 7.9 | 7.1 |
| 失業者(登録済)※4 | 1.639 | 1.920 | 1.830 |
| 人口増加数(前年比) | −0.8 | −0.7 | −0.7 |
| 雇用成長数(前年比) | +0.9 | 0.0 | +1.5 |
| 2006年※2 | 2007年 | 2008年 | |
| 人口 | 142.2 | 142.0 | 141.9 |
| 労働力人口 | 74.156 | 75.060 | 75.892 |
| 就業者数 | 69.157 | 70.814 | 70.603 |
| 失業者数(ILO)※3 | 4.999 | 4.246 | 5.289 |
| 失業率(%) | 6.7 | 5.7 | 7.0 |
| 失業者(登録済)※4 | 1.742 | 1.553 | 1.522 |
| 人口増加数(前年比) | −0.6 | −0.2 | −0.1 |
| 雇用成長数(前年比) | +0.6 | +1.7 | −0.2 |
また一方で、これまでの労働市場の伝統的な特徴と違う点も見られる。一つには、公に失業する代わりに労働時間の短縮を余儀なくされた者が著しく増加したという点である。このような労働者は1年で2倍になり、労働調査によれば2008年の11月には93万3,000人に達した。
もう一つの相違点は、賃金支払いの遅れが目立つようになったことである。2008年1月1日までには20万人近くの労働者が賃金未払いに苦しみ、その総額は2,670億ルーブルであったが、2009年1月1日までにはおよそ32万3,000人の労働者が賃金未払いにあい、その総額は4,670億ルーブル※5、およそ1.7倍にも膨らんだ。
労働市場におけるこの反応には主に2つの要因があり、1つは労働者の雇用と解雇のトラブル(“ビジネスランキング”によれば、181カ国中で1位のアメリカ、17位の日本に対してロシアは101位である)、もう1つは雇用を維持するために政府が企業にかける政治的圧力である。
全労働人口は今なお増加傾向にあるが、その間にも雇用は減少し失業率は増大している。就業者数は20万人以上減少したが、男性の就業者が16万5,000人も急増したのに対し、女性の就業者はほぼ40万人も減少し、男性と女性の間に対照的な相違がある。現在、男性の失業率は7.5%と女性よりも1%高く、女性よりも男性の失業がより深刻であった。
| 人数(百万人) | |||||
| 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | |
| 労働力人口 | 72.909 | 73.811 | 74.156 | 75.060 | 75.892 |
| 就業者数 | 67.134 | 68.603 | 69.157 | 70.814 | 70.603 |
| 失業者数 | 5.775 | 5.208 | 4.999 | 4.246 | 5.289 |
| 男性合計 | 37.079 | 37.511 | 37.627 | 37.975 | 38.770 |
| 就業者数 | 34.177 | 34.710 | 34.996 | 35.704 | 35.869 |
| 失業者数 | 2.902 | 2.801 | 2.631 | 2.271 | 2.901 |
| 女性合計 | 35.831 | 36.300 | 36.529 | 37.085 | 37.122 |
| 就業者数 | 32.958 | 33.893 | 34.161 | 35.110 | 34.734 |
| 失業者数 | 2.873 | 2.407 | 2.368 | 1.975 | 2.388 |
| 構成比(%) | |||||
| 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | |
| 労働力人口 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
| 就業者数 | 92.1 | 92.9 | 93.3 | 94.3 | 93.0 |
| 失業者数 | 7.9 | 7.1 | 6.7 | 5.7 | 7.0 |
| 男性合計 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
| 就業者数 | 92.2 | 92.5 | 93.0 | 94.0 | 92.5 |
| 失業者数 | 7.8 | 7.5 | 7.0 | 6.0 | 7.5 |
| 女性合計 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
| 就業者数 | 92.0 | 93.4 | 93.5 | 94.7 | 93.6 |
| 失業者数 | 8.0 | 6.6 | 6.5 | 5.3 | 6.4 |
産業別では、最も高い失業率は漁業であり、2番目は農業である。失業率が平均よりも高い水準にあるのは、ホテル・レストラン業や建設業などである。失業率が3%以下と非常に低い水準にあるのは、医療、社会的事業、金融仲介業、行政府機関、防衛、社会保険である。男女別ではいくつかの不均衡が見られ、例えば、漁業、農業、狩猟と林業、金融仲介業、そして地域、社会及び個人のサービス活動においては、男性の失業率が高い。女性の失業率が高いのは、鉱山採石業、建設業、ホテル・レストラン業、運輸業、倉庫業、そして通信業である。
| 業 種 | 総計 | 内訳 | |
| 男性 | 女性 | ||
| 農業、狩猟、林業 | 9.6 | 10.1 | 8.8 |
| 漁業 | 14.3 | 15.5 | 4.5 |
| 鉱山採石業 | 5.7 | 5.2 | 7.4 |
| 製造業 | 5.9 | 5.9 | 5.9 |
| 電気、ガス、水道 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
| 建設業 | 7.2 | 7.0 | 8.2 |
| 卸売業、小売業、自動車修理、 オートバイ修理、家庭用品修理 |
5.4 | 5.5 | 5.2 |
| ホテル、レストラン | 7.9 | 5.9 | 8.4 |
| 運輸、倉庫、通信業 | 4.4 | 4.0 | 5.4 |
| 金融仲介業 | 3.0 | 4.7 | 2.2 |
| 不動産、賃貸及びその関連事業 | 4.3 | 4.5 | 4.0 |
| 行政府機関、防衛、強制社会保険 | 3.1 | 3.2 | 2.9 |
| 教育 | 3.4 | 3.9 | 3.3 |
| 医療、社会的事業 | 2.8 | 2.9 | 2.8 |
| その他地域、社会、個人サービス活動 | 4.3 | 6.5 | 3.3 |
| 従業員のいる家内工業 | データなし | ||
| 国外の組織、団体 | 行政府機関に含める | ||
| 総 計 | 7.0 | 7.5 | 6.4 |
また今回の失業には、地域的に大きな相違がある。例えば、モスクワやサンクトペテルスブルグでは0.9%と2.0%(2007年にはそれぞれ0.8%と2.1%)であったが、イングーシ共和国の失業率は55%(2007年には47.3%)で、チェチェン共和国の失業率は35.5%(2007年は53%)である。もしこれが確かであれば、これらふたつのコーカサスの共和国に対照的な推移を見ることができる。
過去4年間の雇用においては、産業構造が比較的安定している。農業、狩猟、林業、製造業において雇用の減少が見られるが、卸売業と建設業では逆に増加している。
| 業 種 | 人数(単位:千人) | |||
| 2005 | 2006 | 2007※6 | 2008 | |
| 農業、狩猟、林業 | 7,381 | 7,141 | 6,925 | 6669 |
| 漁業 | 138 | 146 | 145 | 137 |
| 鉱山採石業 | 1,051 | 1,043 | 1,040 | 1,041 |
| 製造業 | 11,506 | 11,359 | 11,368 | 11,292 |
| 電気、ガス、水道 | 1,912 | 1,923 | 1,909 | 1,887 |
| 建設業 | 4,916 | 5,073 | 5,274 | 5,530 |
| 卸売業、小売業、自動車修理、 オートバイ修理、家庭用品修理 |
11,088 | 11,317 | 11,713 | 12,122 |
| ホテル、レストラン | 1,163 | 1,185 | 1,260 | 1,294 |
| 運送業、倉庫管理、通信 | 5,369 | 5,426 | 5,450 | 5,440 |
| 金融仲介業 | 858 | 958 | 1,046 | 1,108 |
| 不動産、賃貸及びその関連事業 | 4,879 | 4,957 | 5,004 | 4,991 |
| 行政府機関、防衛、強制社会保険 | 3,458 | 3,504 | 3,618 | 3,672 |
| 教育 | 6,039 | 6,009 | 6,016 | 5,982 |
| 医療、社会的事業 | 4,548 | 4,574 | 4,644 | 4,657 |
| その他地域、社会、個人サービス活動 | 2,460 | 2,533 | 2,573 | 2,592 |
| 従業員のいる家内工業 | データなし | |||
| 国外の組織、団体 | 行政府機関に含める | |||
| 総 計 | 66,792 | 67,174 | 68,019 | 68,458 |
| 業 種 | 構成比(%) | |||
| 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | |
| 農業、狩猟、林業 | 11.1 | 10.6 | 10.2 | 9.8 |
| 漁業 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.2 |
| 鉱山採石業 | 1.6 | 1.6 | 1.5 | 1.5 |
| 製造業 | 17.2 | 16.9 | 16.7 | 16.5 |
| 電気、ガス、水道 | 2.9 | 2.9 | 2.8 | 2.8 |
| 建設業 | 7.4 | 7.6 | 7.8 | 8.1 |
| 卸売業、小売業、自動車修理、 オートバイ修理、家庭用品修理 |
16.6 | 16.8 | 17.2 | 17.7 |
| ホテル、レストラン | 1.7 | 1.8 | 1.9 | 1.9 |
| 運送業、倉庫管理、通信 | 8.0 | 8.1 | 8.0 | 7.9 |
| 金融仲介業 | 1.3 | 1.4 | 1.5 | 1.6 |
| 不動産、賃貸及びその関連事業 | 7.3 | 7.4 | 7.4 | 7.3 |
| 行政府機関、防衛、強制社会保険 | 5.2 | 5.2 | 5.3 | 5.4 |
| 教育 | 9.0 | 8,9 | 8.9 | 8.7 |
| 医療、社会的事業 | 6.8 | 6.8 | 6.8 | 6.8 |
| その他地域、社会、個人サービス活動 | 3.7 | 3.8 | 3.8 | 3.8 |
| 従業員のいる家内工業 | データなし | |||
| 国外の組織、団体 | 行政府機関に含める | |||
| 総 計 | 100 | 100 | 100 | 100 |
近年、中等学校と中等職業学校を合わせた初級レベルの新規学卒者の数は減少している※7。この初級レベルの教育は、一般的な教育が提供され、いわゆるブルーカラーの仕事に就くためのものである。これとは対照的に、専門職の指導者レベルは急増している。2000年以降、大学入学者数は27%増の164万2,000人に達し、その4分の3が高等学校卒業者であることを考慮すると、高等学校卒業者のほとんどが大学に進学したことになる。
低学歴者の失業率は高くなっているが、雇用者は技能労働者の不足が拡大することを懸念している。中等職業学校の卒業者数の減少につれて、技能を身に付けたブルーカラーの不足も拡大している。これは、技能労働者の需要と供給のバランスを保てない労働市場の無秩序の現れであり、不均衡は拡大している。特に、工業分野において深刻な労働力不足が生じている。これは、国立高等経済大学の要請により民間調査機関が実施した6大主要産業の製造業代表者300名に対する調査データの分析からも見てとれる。調査対象のうち、30%の企業は平均で45%の労働力が不足している。一方、62%の企業は均衡を保ち、8%の企業では余剰人員が35%に達するとしている。全体では、労働力の不足は11%となっている。
| 学 歴 | 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 |
| 中等学校 | 2,200 | 2,265 | 2,341 | 2,282 | 2,135 |
| 高等学校 | 1,458 | 1,473 | 1,477 | 1,519 | 1,546 |
| 中等職業学校 | 763 | 759 | 745 | 722 | 708 |
| 高等職業学校 | 579 | 609 | 670 | 701 | 703 |
| 高等教育機関(大学) | 635 | 720 | 840 | 977 | 1,076 |
| 大学入学者数 | 1,292 | 1,461 | 1,504 | 1,644 | 1,659 |
| 学 歴 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 |
| 中等学校 | 1,943 | 1,668 | 1,478 | 1,344 |
| 高等学校 | 1,466 | 1,365 | 1,246 | 1,088 |
| 中等職業学校 | 703 | 680 | 656 | 602 |
| 高等職業学校 | 684 | 700 | 699 | 671 |
| 高等教育機関(大学) | 1,151 | 1,255 | 1,336 | 1,358 |
| 大学入学者数 | 1,640 | 1,658 | 1,682 | 1,642 |
ロシアでは多くの労働者が離職しているが、離職者数は減少している。2008年11月の離職者数は2006年同月と比べて150万人も減少している。就労の意思がある者に分類される離職者の中では、家事従事者のみが増加している。就労の意思がない離職者の数は、2007年と比べて著しく増加し、その一方で就労をあきらめる者の数は減少した。こうした傾向は、経済危機が生活に与えた影響の大きさを示している。また、男性よりも女性の就労希望者が明らかに増加している。
| 合計 | 就労の意思あり | |||||||||
| 小計 | 学生 | 定年 退職 |
家事 従事 |
その他 | ||||||
| 2006年11月 | 20,726 | 15,972 | 9,262 | 2,915 | 1,881 | 1,914 | ||||
| 2007年11月 | 20,485 | 16,021 | 9,211 | 2,926 | 2,035 | 1,848 | ||||
| 2008年11月 | 19,200 | 14,463 | 7,835 | 2,716 | 2,172 | 1,740 | ||||
| 平 均 | ||||||||||
| 2006年2-11月 | 20,855 | 15,917 | 9,062 | 2,923 | 2,013 | 1,920 | ||||
| 2007年2-11月 | 20,443 | 15,889 | 9,155 | 2,917 | 1,902 | 1,915 | ||||
| 2008年2-11月 | 19,621 | 14,784 | 7,983 | 2,827 | 2,136 | 1,838 | ||||
| 男 性 | ||||||||||
| 2006年2-11月 | 9,718 | 7,389 | 4,442 | 1,814 | 83 | 1,051 | ||||
| 2007年2-11月 | 9,348 | 7,265 | 4,470 | 1,799 | 63 | 933 | ||||
| 2008年2-11月 | 8,696 | 6,541 | 3,866 | 1,736 | 80 | 859 | ||||
| 女 性 | ||||||||||
| 2006年2-11月 | 11,138 | 8,528 | 4,620 | 1,109 | 1,930 | 869 | ||||
| 2007年2-11月 | 11,095 | 8,624 | 4,685 | 1,119 | 1,839 | 981 | ||||
| 2008年2-11月 | 10,925 | 8,243 | 4,117 | 1,091 | 2,056 | 979 | ||||
| 就労の意思なし | |||||
| 小計 | 求職中 (就職 準備中) |
求職 停止中 |
求職 放棄 |
||
| 2006年11月 | 4,755 | 355 | 4,400 | 942 | |
| 2007年11月 | 4,464 | 382 | 4,082 | 843 | |
| 2008年11月 | 4,737 | 509 | 4,228 | 806 | |
| 平 均 | |||||
| 2006年2-11月 | 4,938 | 422 | 4,516 | 951 | |
| 2007年2-11月 | 4,554 | 424 | 4,130 | 825 | |
| 2008年2-11月 | 4,837 | 528 | 4,309 | 775 | |
| 男 性 | |||||
| 2006年2-11月 | 2,329 | 194 | 2,134 | 525 | |
| 2007年2-11月 | 2,083 | 204 | 1,879 | 414 | |
| 2008年2-11月 | 2,155 | 234 | 1,921 | 416 | |
| 女 性 | |||||
| 2006年2-11月 | 2,609 | 228 | 2,382 | 425 | |
| 2007年2-11月 | 2,471 | 220 | 2,251 | 411 | |
| 2008年2-11月 | 2,682 | 294 | 2,388 | 359 | |
離職の動機を調査すると、離職者の中には、学生、退職者及び家事従事者といった労働しなくても社会的に受け入れられる理由を持つ者もいる。彼らは、個人の利益、公益の両面にわたる活動を行っている。「その他」に属する者には、そのような動機はない。また、就労を希望しながら求職活動を行わない者の離職の動機も、社会的には受け入れられない。この2つのグループの相違は、就労したくないという意向を明らかにするか否かである。最初のグループは、就職したくないとはっきりと示し、もう一方は、世論調査では社会的に受け入れられる理由として、就職したいが実際には仕事が見つからないと回答し動機を隠すグループである。
自発的離職者は2つのグループに分けられる。第1のグループは、偶発的な収入(犯罪行為による場合もある)で生計を営むホームレス、犯罪者、アルコール及び薬物依存者等の社会の底辺層にいる者である。第2のグループは、両親、親戚、配偶者、及び内縁関係の者等に依存する者の集まりである。彼らの収入は、通常、高い水準ではないが比較的安定している。両グループの動機は社会で受容されるものではなく、社会の「モラル崩壊」の兆候といえる。2006年には、社会で受容されない動機による自発的離職者が600万人以上に達した。2007年には減少しているが、2008年も依然として600万人以上が社会で受容されない動機による離職者である。
2000〜2007年にかけて技能労働者数は11%の大幅増となる630万人近くにまで増加し、単純労働者数は78万9,000人減少した。技能労働者の割合は上昇傾向にあり、同時期に2%以上も上昇している。技能労働者における男女の割合はほぼ同じである。
技能労働者の増加において最も印象的なことは経営幹部層の伸びであり、1.9倍に相当する260万人の増加であった。また、身辺警護及び企業の警備といった警備関係の職業も急成長し、1.4倍増の130万人となっている。2007年には自然科学及び科学技術の分野で上級専門職の数が急増し、2000年と比較すると1.2倍相当の50万人以上も増加している。このことから、成長するロシアの産業において適切な専門家が不足していることは明らかである。そのほかにも営業担当者、モデル、金属加工等の多岐にわたる分野で専門家が増えている。
| 2000年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | |
| 技能労働者 | 56,546 | 59,523 | 61,042 | 61,097 |
| 単純労働者 | 8,727 | 7,611 | 7,561 | 7,960 |
| 合 計 | 65,273 | 67,134 | 68,603 | 69,057 |
| 技能労働者の割合(%) | 86.6 | 88.7 | 89.0 | 88.5 |
| 2007年 | 2008年 | |||
| 合計 | 男性 | 女性 | ||
| 技能労働者 | 62,875 | 62,738 | 31,936 | 30,802 |
| 単純労働者 | 7,939 | 7,865 | 3,933 | 3,932 |
| 合 計 | 70,814 | 70,603 | 35,869 | 34,734 |
| 技能労働者の割合(%) | 88.8 | 88.9 | 89.0 | 88.7 |
| 2000年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | |
| 合 計 | 56,546 | 59,523 | 61,042 | 61,097 |
| マネージャー、経営者 | 2,710 | 4,995 | 4,805 | 4,559 |
| 上級専門職 (自然科学、科学技術) |
2,850 | 3,079 | 3,023 | 2,931 |
| 上級専門職 (生物化学、農業、医療) |
1,398 | 1,417 | 1,415 | 1,431 |
| 上級専門職(教育) | 2,645 | 2,807 | 2,815 | 2,741 |
| その他の上級専門職 | 3,489 | 4,479 | 4,656 | 4,948 |
| 中級技能職 (物理、エンジニアリング) |
2,082 | 2,487 | 2,423 | 2,540 |
| 中級技能職、アシスタント (自然科学、医療) |
2,381 | 2,255 | 2,109 | 2,408 |
| 中級技能職(教育) | 1,378 | 1,424 | 1,345 | 1,366 |
| 中級専門職 (財務、経済、管理、公務) |
4,010 | 3,729 | 3,824 | 4,019 |
| 技能職 (データ処理、文書管理等) |
1,379 | 1,276 | 1,423 | 1,517 |
| 軍務 | 749 | 723 | 772 | 718 |
| 個人向けサービス、 身辺警護 |
3,216 | 4,103 | 4,282 | 4,389 |
| 営業職、モデル | 4,185 | 4,964 | 4,954 | 5,027 |
| 住宅、公共サービス | 526 | 279 | 287 | 284 |
| 映画、広告 | 40 | 35 | 30 | 54 |
| 農業、林業、狩猟、漁業 | 3,599 | 2,399 | 3,237 | 2,715 |
| 鉱山採石業、建設業 | 3,527 | 2,980 | 3,294 | 3,212 |
| 金属加工及び機械建設 関連職、印刷業、手工業 |
4,359 | 4,599 | 4,748 | 4,728 |
| 運輸、通信 | 1,276 | 830 | 964 | 943 |
| その他産業及び地質調査 | 1,724 | 1,913 | 1,961 | 1,969 |
| 工場自動加工ラインの操作手、機械及び部品の収集 | 2,188 | 2,006 | 2,011 | 1,984 |
| 自動車の運転手 | 6,833 | 6,744 | 6,664 | 6,614 |
| 2007年 | 2008年 | |||
| 合計 | 男性 | 女性 | ||
| 合 計 | 62,875 | 62,738 | 31,936 | 30,802 |
| マネージャー、経営者 | 5,273 | 4,964 | 3,127 | 1,837 |
| 上級専門職 (自然科学、科学技術) |
3,468 | 3,128 | 2,133 | 996 |
| 上級専門職 (生物化学、農業、医療) |
1,567 | 1,617 | 550 | 1,067 |
| 上級専門職(教育) | 2,944 | 2,678 | 586 | 2,092 |
| その他の上級専門職 | 5,569 | 6,100 | 2,005 | 4,095 |
| 中級技能職 (物理、エンジニアリング) |
2,413 | 2,246 | 1,678 | 568 |
| 中級技能職、アシスタント (自然科学、医療) |
2,230 | 2,405 | 184 | 2,221 |
| 中級技能職(教育) | 1,455 | 1,495 | 1,08 | 1,387 |
| 中級専門職 (財務、経済、管理、公務) |
4,341 | 4,537 | 1,428 | 3,110 |
| 技能職 (データ処理、文書管理等) |
1,379 | 1,534 | 167 | 1,368 |
| 軍務 | 739 | 645 | 57 | 588 |
| 個人向けサービス、 身辺警護 |
4,489 | 4,264 | 1,616 | 2,648 |
| 営業職、モデル | 5,201 | 4,942 | 851 | 4,091 |
| 住宅、公共サービス | 217 | 329 | 219 | 110 |
| 映画、広告 | 53 | 32 | 16 | 16 |
| 農業、林業、狩猟、漁業 | 2,477 | 2,442 | 1,172 | 1,270 |
| 鉱山採石業、建設業 | 3,202 | 3,177 | 2,785 | 391 |
| 金属加工及び機械建設 関連職、印刷業、手工業 |
4,656 | 4,292 | 3,801 | 490 |
| 運輸、通信 | 933 | 1,206 | 913 | 294 |
| その他産業及び地質調査 | 1,808 | 1,848 | 739 | 1,109 |
| 工場自動加工ラインの操作手、機械及び部品の収集 | 1,901 | 1,972 | 1,137 | 834 |
| 自動車の運転手 | 6,562 | 6,884 | 6,663 | 221 |
2008年には、経済危機に関連する分野の雇用減少によりこれまでの傾向が変わり、技能労働者数は13万7,000人も減少した。経営幹部層では30万9,000人、自然科学及び科学技術の上級専門職は34万人も激減した。教育分野においては、明らかに学生数の減少につれて上級専門職の人数が減少している。生物化学、農業、医療及びその他の上級専門職において人数が増加した理由はそれほど明らかではない。自然科学、医療の中級技能職及びアシスタント、教育の中級技能職、財務、経済、管理、公務の中級専門職、並びにデータ処理、文書管理等の技能職も増加した。この増加の一因は、高給取りである上級専門職の後任に少し給与の低い中級専門職を就かせる「代替効果」と説明することもできる。そのほかの分野における減少の大半は不動産及び個人サービス部門の危機と関わりがあり、最終的には個人の収入が大幅に減少し、失業が増加している。
ロシア連邦労働法第133条により、ロシアの全地域及び全産業には統一最低賃金が適用される。さらに、特定の産業については連邦レベルでの労使間協定が結ばれている。
一般的な最低賃金については、ほぼ毎年、政府が連邦法に基づき最低賃金を決定している。1998〜2009年にかけて名目最低賃金は51倍以上に上昇し、実質では17倍となった。2007年の9月以降、連邦の法定最低賃金以上の水準であれば地域ごとに最低賃金を決定できるようになった。2008年には全体の半数以上にあたる55の地域において独自の最低賃金が設定されている。地域の最低賃金は、連邦よりも平均で75%も高く、11の地域では2倍となっている。
| 施行日 | 月額最低賃金 (単位:ルーブル) |
前回比最低賃金 増加率(単位:倍) |
新最低賃金を 定めた法律 |
| 2009年1月1日 | 4,330 | 1.88 | 2008年6月24日連邦法 No.91-FZ |
| 2007年9月1日 | 2,300 | 2.09 | 2007年4月20日連邦法 No.55-FZ |
| 2006年5月1日 | 1,100 | 1.38 | 2004年12月29日連邦法 No.198-FZ |
| 2005年9月1日 | 800 | 1.11 | 2004年12月29日連邦法 No.198-FZ |
| 2005年1月1日 | 720 | 1.20 | 2004年12月29日連邦法 No.198-FZ |
| 2003年10月1日 | 600 | 1.33 | 2003年10月1日連邦法 No.127-FZ |
| 2002年5月1日 | 450 | 1.50 | 2002年4月29日連邦法 No.42-FZ |
| 2001年7月1日 | 300 | 1.50 | 2000年6月19日連邦法 No.82-FZ |
| 2001年1月1日 | 200 | 1.52 | 2000年6月19日連邦法 No.82-FZ |
| 2000年7月1日 | 132 | 1.58 | 2000年6月19日連邦法 No.82-FZ |
| 1998年1月1日 | 83.49 | − | 1997年1月日連邦法 No.82-FZ |
一方で、法定最低賃金は賃金決定の際にそれほど重要な調整機能を果たしていない。最低賃金労働者の割合は2006年には2.93%、2007年には1%、2008年には2.8%とほんのわずかである。農業は最低限のお金しか使わず自然経済※8の状況が部分的に機能しているため、最低賃金労働者の割合が2006年には15.6%、2007年は6.4%、2008年が12.4%であっても例外とする。農業は市場経済システムへの移行においてほかの産業部門より大きな困難に直面し、それほど賃金を上げることができなかった。2006年以降、電気、ガス、水道、教育、医療、社会的事業、その他の地域、社会及び個人サービス活動を除くほとんどの産業において、最低賃金労働者の割合は減少している。2006年のロシアの法定最低賃金は平均賃金水準のほぼ10分の1、2007年には17%、2008年には14%となっている。
2008年は、政府関係、教育、医療、軍隊、警察及び市場経済の枠外で機能し、国家予算から賃金を支給される労働者の賃金が依然として最低賃金を基に算出されていた。彼らの固定給は統一賃金システムにおける労働者の職位によって決定される。統一賃金システムは最低水準の第1等級(法定最低賃金水準)から組織の最高責任者に与えられる第18等級まである。例えば、最低賃金が1,100ルーブルとすると、組織の最高責任者にはその4.5倍の4,950ルーブルが固定給として支給される。また、労働者は組織の経常利益に応じて固定給以外の変動給与を受け取る。2009年1月1日以降、同システムは産業の特性に配慮したものに変わり、経営幹部が部下の賃金を決定する機会が増えた。
これまで法定最低賃金は手当及び罰金の算出基準として広く使われてきた。例えば、交通違反をした運転手は法定最低賃金から一定の割合で算出した罰金を支払わなければならない。多くの専門家は、最低賃金制度と手当及び罰金とは直接の関連性がないとしてこの制度を批判してきた。そうしたことから、2007年4月20日連邦法No.55-FZにおいて、賃金調整や一時的な就労不能(病気や家事都合等の理由による)手当の算出を除き、最低賃金をほかの目的で使用することを禁止した。
| 業 種 | 2006年 | 2007年 | 2008年 |
| 農業、狩猟、林業 | 15.6 | 6.4 | 12.4 |
| 漁業 | 4.5 | 1.5 | 3.8 |
| 鉱山採石業 | 0.2 | − | − |
| 製造業 | 0.8 | 0.2 | 0.8 |
| 電気、ガス、水道 | 0.4 | 0.2 | 0.7 |
| 建設 | 1.0 | 0.2 | 0.6 |
| 卸売業、小売業、自動車修理、 オートバイ修理、家庭用品修理 |
3.3 | 0.7 | 1.9 |
| ホテル、レストラン | 1.8 | 0.4 | 1.4 |
| 運輸、倉庫、通信業 | 1.2 | 0.6 | 1.2 |
| 金融仲介業 | 0.9 | 0.3 | 0.4 |
| 不動産、賃貸及びその関連事業 | 1.9 | 0.7 | 0.8 |
| 行政府機関、防衛、社会保険 | 0.9 | 0.3 | 1.0 |
| 教育 | 4.3 | 1.4 | 6.4 |
| 医療、社会的事業 | 2.1 | 0.9 | 3.7 |
| その他地域、社会、 個人サービス活動 |
5.5 | 1.7 | 6.6 |
| 平 均 | 2.9 | 1.0 | 2.8 |
2000年以降、賃金の上昇はルーブル(1991年価格)及び米ドル換算の双方において安定している。米ドル換算ではほぼ9倍に増加し、1991年価格での上昇は2.8倍と小さいが目覚しい伸びである。しかし、現状を1991年と比較すると全く別の様相を呈する。1991〜2000年は賃金上昇が停滞し、90年代の伸びは2.3倍であった。2007年は1991年の賃金を初めて11%も上回った年であり、2000年代の実質的な賃金上昇は90年代の停滞の埋め合わせに過ぎない。
また、賃金は各産業間で5倍もの開きがある。
| 年 | 月額平均賃金(現行価格) | 月額平均賃金 (1991年価格) |
|
| ルーブル | 米ドル (公定レート) |
||
| 1991 | 548 | ‐ | 548 |
| 1992 | 5,995 | 22 | 369 |
| 1995 | 472,392 | 103 | 246 |
| 2000 | 2,223 | 79 | 238 |
| 2001 | 3,240 | 111 | 286 |
| 2002 | 4,360 | 139 | 332 |
| 2003 | 5,498 | 179 | 368 |
| 2004 | 6,740 | 234 | 407 |
| 2005 | 8,555 | 303 | 459 |
| 2006 | 10,728 | 395 | 524 |
| 2007 | 13,527 | 529 | 607 |
| 2008 | 17,226 | 694 | 677 |
| 業 種 | 2008年 | ||
| 賃金(ルーブル) | 2007年比(%) | ロシアの平均賃金 水準との比較(%) |
|
| 農業、狩猟、林業 | 9,132 | 134.5 | 49 |
| 漁業 | 22,157 | 130.4 | 119 |
| 鉱山採石業 | 34,012 | 117.9 | 183 |
| 製造業 | 17,184 | 122.7 | 92 |
| 電気、ガス、水道 | 19,493 | 122.2 | 105 |
| 建設業 | 23,502 | 125.8 | 127 |
| 卸売業、小売業、自動車修理、 オートバイ修理、家庭用品修理 |
19,745 | 124.4 | 106 |
| ホテル、レストラン | 13,845 | 125.0 | 75 |
| 運輸、倉庫、通信業 | 21,929 | 125.6 | 118 |
| 金融仲介業 | 43,345 | 119.0 | 233 |
| 不動産、賃貸及びその関連事業 | 24,861 | 129.7 | 134 |
| 行政府機関、防衛、社会保険 | 21,552 | 125.9 | 116 |
| 教育 | 11,309 | 128.8 | 61 |
| 医療、社会的事業 | 12,928 | 128.9 | 70 |
| その他地域、社会、 個人サービス活動 |
14,226 | 128.1 | 77 |
| 18,578 | 126.1 | 100 | |
賃金上昇のけん引役として、鉱山採石業及び金融仲介業は平均賃金水準の約2倍又はそれ以上の賃金を支給している。一方、不況業種は農業と教育であり、それぞれ平均賃金の49%、61%しか賃金を支給していない。
最も高い成長率を示したのは農業で、前年比34.5%も上昇している。農業に次いで、漁業、不動産、賃貸及びその関連事業の成長率が29〜30%となっている。
現在、最も重要な課題の1つは賃金の最高額と最低額の格差が大きすぎることである。
| 賃金総計に占める割合(%) | |||
| 2006年 | 2007年 | 2008年 | |
| 第1十分位 | 1.4 | 1.6 | 1.7 |
| 第2十分位 | 2.7 | 2.9 | 3.0 |
| 第3十分位 | 3.8 | 4.0 | 4.1 |
| 第4十分位 | 5.0 | 5.2 | 5.2 |
| 第5十分位 | 6.3 | 6.4 | 6.4 |
| 第6十分位 | 7.8 | 7.9 | 7.8 |
| 第7十分位 | 9.6 | 9.6 | 9.5 |
| 第8十分位 | 12.1 | 12.0 | 11.8 |
| 第9十分位 | 16.2 | 16.0 | 15.9 |
| 第10十分位 | 35.1 | 34.4 | 34.7 |
| 100 | 100 | 100 | |
| 平均月額賃金(ルーブル) | |||
| 2006年 | 2007年 | 2008年 | |
| 第1十分位 | 1,366 | 1,957 | 2,851 |
| 第2十分位 | 2,631 | 3,631 | 5,108 |
| 第3十分位 | 3,771 | 5,049 | 6,949 |
| 第4十分位 | 4,931 | 6,481 | 8,846 |
| 第5十分位 | 6,209 | 8,050 | 10,854 |
| 第6十分位 | 7,654 | 9,858 | 13,093 |
| 第7十分位 | 9,435 | 12,047 | 15,986 |
| 第8十分位 | 11,920 | 15,036 | 19,897 |
| 第9十分位 | 15,971 | 20,069 | 26,789 |
| 第10十分位 | 34,582 | 43,305 | 58,602 |
| 9,847 | 12,548 | 16,897 | |
労働者の賃金を低い順から並べて人口で10等分した平均月額賃金を見ると、第1十分位と第10十分位の格差は、2006年の25.3倍、2007年の22.1倍よりは減少しているものの、2008年も20.6倍と依然として大きな差がある。格差の減少は第1十分位の賃金が急増したことによる。格差が深刻な分野は、その他の地域、社会、個人サービス活動、卸売業、小売業、自動車修理、オートバイ修理、家庭用品修理、及び金融仲介業である。
急激な経済改革期の労働時間は、国家、国民双方の社会経済的な状況が悪化したにもかかわらず、驚くべきことに減少している。2008年には経済成長や経営者側からの求人が拡大したにもかかわらず、労働者の週当たり平均労働時間は減少している。労働時間が週15時間以下の労働者数は増加しており、1993年の17万9,000人が、2006年にはほぼ100万人、2007年には115万3,000人、2008年は経済危機にもかかわらず100万人となっている。また、週41時間以上働く「仕事中毒者」の数は興味深い動きを示し、1993年の680万人が2006年には7分の1に相当する97万人にまで減少した。そして、2007年には再び1993年の水準の604万1,000人まで増加し、2008年も引き続き640万人にまで上昇している。一方、労働者の週当たりの平均労働時間は大幅に減少し、2008年には週38.5時間、最短労働時間は1992年よりもさらに1.5時間も減少している。
| 年 | 合計 | 週当たり通常労働時間 | ||||
| 9時間 未満 |
9〜15 時間 |
16〜20 時間 |
21〜30 時間 |
|||
| 1992 | 71,171 | 118 | 310 | 1,002 | 2,271 | |
| 1993 | 68,565 | 33 | 146 | 1,007 | 1,728 | |
| 1994 | 64,858 | 17 | 97 | 1,278 | 1,674 | |
| 1995 | 64,055 | 29 | 92 | 1,271 | 1,533 | |
| 1996 | 63,000 | 7 | 74 | 1,193 | 1,462 | |
| 1997 | 60,208 | 35 | 120 | 1,064 | 1,411 | |
| 1998 | 58,464 | ... | 160 | 1,052 | 1,485 | |
| 1999 | 63,633 | 473 | 924 | 1,581 | 2,245 | |
| 2000 | 65,273 | 498 | 798 | 1,452 | 1,859 | |
| 2001 | 65,124 | 67 | 151 | 1,015 | 1,466 | |
| 2002 | 66,266 | 47 | 152 | 853 | 1,252 | |
| 2003 | 67,152 | 268 | 575 | 1,054 | 1,778 | |
| 2004 | 67,134 | 265 | 423 | 1,012 | 1,536 | |
| 2005 | 68,169 | 333 | 658 | 1,131 | 1,706 | |
| 2006 | 68,693 | 305 | 658 | 1,104 | 1,539 | |
| 2007 | 70,573 | 426 | 727 | 1,323 | 1,903 | |
| 2008 | 合計 | 70,603 | 345 | 673 | 1,275 | 2,049 |
| 男性 | 35,869 | 143 | 298 | 441 | 796 | |
| 女性 | 34,734 | 202 | 375 | 834 | 1,253 | |
| 年 | 週当たり通常労働時間 | 週当たり平均労働時間(時間) | |||
| 31〜40 時間 |
41〜50 時間 |
51時間 以上 |
|||
| 1992 | 57,138 | 8,788 | 1,544 | 39.8 | |
| 1993 | 58,847 | 6,204 | 600 | 39.4 | |
| 1994 | 59,930 | 1,651 | 212 | 38.8 | |
| 1995 | 59,870 | 1,078 | 182 | 38.8 | |
| 1996 | 58,262 | 1,855 | 148 | 38.8 | |
| 1997 | 53,839 | 3,332 | 408 | 39.1 | |
| 1998 | 50,662 | 4,661 | 443 | 39.1 | |
| 1999 | 51,999 | 5,278 | 1,133 | 38.7 | |
| 2000 | 53,888 | 5,661 | 1,118 | 39.0 | |
| 2001 | 61,538 | 598 | 288 | 39.1 | |
| 2002 | 63,272 | 445 | 244 | 39.1 | |
| 2003 | 62,460 | 684 | 334 | 38.7 | |
| 2004 | 62,847 | 816 | 236 | 38.9 | |
| 2005 | 63,368 | 686 | 287 | 38.7 | |
| 2006 | 64,117 | 710 | 260 | 38.7 | |
| 2007 | 58,362 | 4,061 | 1,980 | 38.5 | |
| 2008 | 合計 | 57,994 | 4,600 | 1,816 | 38.4 |
| 男性 | 29,371 | 2,848 | 1,272 | 39.5 | |
| 女性 | 28,623 | 1,751 | 544 | 37.3 | |
ロシアには、比較的独立した労働組織の連合体からなる全国規模の労働組合が3団体ある。
ロシアでは、高い水準で労働力が「公的な組合組織化」されている。国立高等経済大学の労働研究センターのデータによれば、ロシア企業(非公式なものは除く)の4分の3に労働組合があり、労働者の3分の2はその労働組合に加盟している。また、大多数の企業において労働協約が締結されている。
一方で、国立高等経済大学の要請により民間調査機関が実施した製造業代表者300名に対する調査によれば、調査対象企業の47%には労働組合が存在せず、また、11%の企業では労使関係において労働組合は何の役割も果たしていない。この結果から、調査対象企業の58%は実際には労働組合が存在しないことを意味している。
したがって、労使関係において労働組合の実質的な影響力は大きくない。例えば、労働組合は違法解雇を含む労働法令違反を毎年明らかにしているが、労働者の権利保護に対する効果的な対策が取られていない。労働組合が労働争議について調査を実施するのは全体の1割、また、違法解雇については5,000人に1人を職場復帰させているに過ぎない。したがって、労働組合と比較すると国家労働監視局の方がより効果的である。
市場経済への移行期において、ロシアのストライキ発生件数には非常に大きな変動がみられた。この変動は、政府の改革政策及び社会経済情勢によるところが大きい。
| 年 | ストライキ を実施した 組織数 |
ストライキ参加者数 | 労働損失日 | ストライキ 参加者1人 当たりの 平均不就労 日数(日) |
||
| 人数 (単位:千人) |
1組織 当たりの 平均人数 (単位:人) |
日数 (単位:千日) |
1組織 当たり 平均日数 (日) |
|||
| 1992 | 6,273 | 357.6 | 57 | 1,893.3 | 302 | 5.3 |
| 1995 | 8,856 | 489.4 | 55 | 1,367.0 | 154 | 2.8 |
| 2000 | 817 | 30.9 | 37 | 236.4 | 289 | 7.6 |
| 2001 | 291 | 13.0 | 45 | 47.1 | 162 | 3.6 |
| 2002 | 80 | 3.9 | 48 | 29.1 | 364 | 7.5 |
| 2003 | 67 | 5.7 | 86 | 29.5 | 440 | 5.1 |
| 2004 | 5,993 | 195.5 | 33 | 210.9 | 36 | 1.1 |
| 2005 | 2,575 | 84.6 | 33 | 85.9 | 33 | 1.0 |
| 2006 | 8 | 1.2 | 149 | 9.8 | 1,231 | 8.3 |
| 2007 | 7 | 2.9 | 413 | 20.5 | 2,922 | 7.1 |
| 2008 | 4 | 1.9 | 480 | 29.1 | 7,270 | 15.1 |
2006年以降、ストライキ発生件数は減少しているものの、参加者数及び組織の損害は著しく増大し、関与する企業、組織にとってストライキは極めて深刻になった。例えば、2008年の労働損失日は2007年と比較して2.5倍、1992年とでは24倍にも増加した。また、ストライキ参加者1人当たりの不就労日数は、2007年の2倍、1992年との比較ではほぼ3倍となっている。
市場経済への移行期である現在、ロシアでは労働移動性が高く、労働人口の約3分の1近くが転職している。解雇が多い産業は、建設業、ホテル、レストラン業、金融仲介業、行政府機関などである。4つの産業では労働者の回転率が非常に高く、採用及び解雇が50%を超えている。
経済危機の影響により、2008年は2007年と比較すると採用数が減少し、解雇数は増加している。産業間では差異が見られ、農業では採用が増え、解雇が減少している。漁業、建設業、卸売業、小売業、ホテル、レストラン業、運輸業、倉庫業、通信業、教育、医療、社会的事業においては採用も解雇も増加している。鉱山採石業、製造業、行政府機関、防衛、社会保険においては採用が後退し、解雇が増加した。金融仲介業は採用、解雇とも減少している。農業、狩猟、林業、漁業、製造業、ホテル、レストラン業では、解雇数が採用数を6%以上も大きく上回っている。
年間平均労働者数に対する年末の求人倍率は、不動産、賃貸及びその関連事業、行政府機関、防衛、強制社会保険、ホテル、レストラン業では4%以上と高くなっている。
信頼のおける予測によれば、近い将来、ロシアの労働市場の状況は悪化が見込まれている。例えば、EUの論文では、2009年のGDP成長率を3.8%として試算すると失業率は9.5%(約700万人)に達するとされている。労働市場の状況は、ロシア政府の総合的な方針次第となることは明白であり、2009年においては労働市場を活性化する兆候はないようである。
| 業 種 | 年間平均労働者数に対する割合 | |||||
| 採用 | 解雇 | |||||
| 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | |
| 農業、狩猟、林業 | 34.7 | 36.3 | 39.7 | 44.6 | 46.9 | 46.8 |
| 漁業 | 57.1 | 52.6 | 55.5 | 63.7 | 63.3 | 65.1 |
| 鉱山採石業 | 33.0 | 29.6 | 29.0 | 34.9 | 29.7 | 32.5 |
| 製造業 | 30.0 | 32.1 | 30.0 | 32.6 | 33.6 | 36.8 |
| 電気、ガス、水道 | 33.7 | 30.3 | 29.2 | 35.5 | 32.4 | 31.5 |
| 建設業 | 51.9 | 55.4 | 56.0 | 52.1 | 52.5 | 58.4 |
| 卸売業、小売業、 自動車修理業、 オートバイ修理、 家庭用品修理 |
58.4 | 67.7 | 68.1 | 52.6 | 58.3 | 68.0 |
| ホテル、レストラン | 60.1 | 59.7 | 64.2 | 58.8 | 57.8 | 70.3 |
| 運輸、倉庫、通信業 | 31.2 | 32.8 | 33.5 | 32.8 | 34.6 | 35.8 |
| 金融仲介業 | 34.1 | 36.0 | 33.4 | 24.4 | 26.2 | 30.5 |
| 不動産、賃貸及び その関連事業 |
38.0 | 36.6 | 33.4 | 40.2 | 38.4 | 36.4 |
| 行政府機関、防衛、 社会保険 |
20.0 | 16.8 | 16.7 | 15.3 | 14.4 | 14.9 |
| 教育 | 18.2 | 17.2 | 17.9 | 17.6 | 17.8 | 18.5 |
| 医療、社会的事業 | 21.0 | 20.2 | 20.6 | 19.8 | 20.1 | 20.2 |
| その他地域、社会、 個人サービス活動 |
36.4 | 35.0 | 32.9 | 34.7 | 34.0 | 32.6 |
| 平 均 | 30.5 | 31.0 | 30.4 | 30.9 | 31.3 | 32.6 |
| 業 種 | 年間平均労働者数に対する割合 | 平均労働者数(年末) に対する欠員率 |
||||
| 人員削減による解雇 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | |||
| 2006年 | 2007年 | 2008年 | ||||
| 農業、狩猟、林業 | 2.1 | 2.5 | 2.0 | 0.8 | 1.0 | 1.1 |
| 漁業 | 1.4 | 1.7 | 1.1 | 1.8 | 1.3 | 1.5 |
| 鉱山採石業 | 1.4 | 1.2 | 1.2 | 1.0 | 1.2 | 1.1 |
| 製造業 | 1.6 | 1.3 | 1.5 | 1.5 | 2.0 | 1.4 |
| 電気、ガス、水道 | 2.7 | 2.2 | 2.1 | 1.7 | 2.2 | 2.8 |
| 建設業 | 1.4 | 0.9 | 0.9 | 1.6 | 2.1 | 2.1 |
| 卸売業、小売業、 自動車修理業、 オートバイ修理、 家庭用品修理 |
1.3 | 1.3 | 1.1 | 2.0 | 2.4 | 2.0 |
| ホテル、レストラン | 1.6 | 1.9 | 2.3 | 3.2 | 4.1 | 4.0 |
| 運輸、倉庫、通信業 | 1.9 | 1.5 | 1.5 | 2.6 | 3.2 | 3.1 |
| 金融仲介業 | 1.0 | 1.1 | 1.1 | 3.2 | 4.0 | 2.9 |
| 不動産、賃貸及び その関連事業 |
2.5 | 1.6 | 1.8 | 3.8 | 4.3 | 4.6 |
| 行政府機関、防衛、 社会保険 |
1.4 | 1.1 | 1.3 | 3.3 | 3.8 | 4.0 |
| 教育 | 0.5 | 0.6 | 0.8 | 0.7 | 0.7 | 0.7 |
| 医療、社会的事業 | 0.5 | 0.6 | 0.7 | 2.4 | 2.4 | 3.1 |
| その他地域、社会、 個人サービス活動 |
1.6 | 1.1 | 0.9 | 2.2 | 2.6 | 2.4 |
| 平 均 | 1.5 | 1.2 | 1.3 | 2.0 | 2.3 | 2.3 |
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