ロシア
作成年月日:2008年11月28日

4.1 職業能力基準
4.1.1 制度概要
ロシアの憲法によると、「ロシア連邦は、連邦国家教育基準を定め、教育及び自己教育の多様な形態を支援する」と定められている。
この規範は、1992年7月10日付教育に関する連邦法No.3266-1に展開されている。本法は、その後に38回改正されているが、最新の改正は、2008年4月24日のものである。本法の第7条においては、連邦国家教育基準に係る制度の存在が示され、国家認定を保有するあらゆる種類の教育機関における教育プログラムの必須条件が規定されている。これに沿って、国家教育基準が本法によって公布され、当局及び専門家組織によって多数の基準の設定が開始された。1996年8月22日に公布された、高等教育及び職業教育に関する法律(連邦法No.125-FZ、FZ)によると、一部の高等職業教育機関は、ロシア連邦特別大統領令により承認された自己の基準を設定することが可能である。
連邦国家教育基準は、主要プログラムのさまざまな構成部分の比率及びその規模、必須教科部分と教育機関により創設される任意部分の比率等を含む教育プログラムの構造に必要となる条件を提供している。
教育実施条件に係るその他の要件としては、教育者の技能、財政基盤及び教育設備等が挙げられる。最後の要件は、プログラムの学習成果物に関するものである。なお、連邦国家教育基準は、より頻繁に改訂が実施されなければならない。
- ※出典:
- The Ministry of Education and Science “Law on Education”
<http://www.mon.gov.ru/dok/fz/obr/3986/>
- Federal Law, No. 125-FZ, FZ of 1996,
<http://www.mzsrrf.ru/prav_zak/181.html>
- The constitution of the Russian Federation Chapter 2. Rights and Freedoms of Man and Citizen
<http://www.constitution.ru/en/10003000-03.htm>
accessed on 28 November 2008.
以下は4種類の職業能力基準である。
- 初等職業教育のための国家教育基準
- 1997年7月21日付政令No.908 「初等職業教育改革の構想」
<http://www.informika.ru/text/goscom/
dokum/doc/1749.html>
- 1999年7月16日付ロシア連邦教育・科学省決議No.86 「初等職業教育のための国家教育基準の法律制定」
<http://www.informika.ru/text/goscom/
dokum/doc99/n86.html>
- 1999年4月1日付ロシア連邦教育・科学省決議No.812 「初等職業教育評議会について」
<http://www.informika.ru/text/goscom/
dokum/doc99/812.html>
- 2000年12月25日付ロシア連邦教育・科学省決議No.3832
「初等職業教育のディプロマ(修業証書)発行のための指令に関して」
<http://www.informika.ru/text/goscom/
dokum/doc00/3832.html>
- 2003年4月8日付ロシア連邦教育・科学省決議No1500
「ロシア連邦教育・科学省の下での中等及び初等職業教育の情報化に関する連邦評議会の設立について」
<http://www.informika.ru/text/goscom/
dokum/doc03/1500.html>
これらの文書の主要目標は、「ブルーカラー層」に対する職業教育に係る旧ソビエト時代の制度の劣化を止めること、また新興市場のシステム及び新経済の知識に関する新たな必要条件にそった制度の近代化を実現することである。その中でも特に、IT産業等のための初級段階における専門家教育が紹介されている。
- 中等職業教育のための国家教育基準
- 1997年6月17日付ロシア連邦教育・科学省決議No.1216 「中等職業教育のための国家教育基準の実施に関して」
<http://db.informika.ru/mo/Data/d_97/1216.html>
- 2001年7月2日付ロシア連邦教育・科学省決議No.2572 「中等職業教育のための国家教育基準の実施に関して−中等職業教育における専門教科の分類」
<http://db.informika.ru/mo/Data/d_01/2572.html>
[この決議に関する追加の決議]
- 2004年5月11日付ロシア連邦教育・科学省決議No.2107 「中等職業教育の情報セキュリティーに関する国家教育基準 (No.2206) の実施を主題とした中等職業教育機関における実験について」
<http://www.informika.ru/text/goscom/
dokum/doc99/812.html>
変革には2つの方向性が存在する。1つは、労働市場の急激な変化を考慮した中等職業教育における専門教科の刷新である。教育・科学省は、新しい労働市場の要求への迅速な対応及び新たな基準を策定することにより、新規専門教科の導入に尽力している。2つめは、基準の策定手続きの簡易的民主化であり、教育界からの代表が手続きに参加している。なお、この手続きへの参加を目的として、「教育メソッド評議会」と呼ばれる組織が創設されている。この評議会は、細かく特化された専門科目のための詳細な基準の設定に責任を有している。現在、28の評議会が運営されており、その中には、自然科学、保健医療、経済及びマネジメント等の専門教科が含まれている。各評議会の監督の下で、特定分野の専門教科に関する国家教育基準が作成される。加えて、各評議会はさまざまな大学により作成された専門教科の具体化されたプログラムの承認も行う。この承認は、大学が実現化されたコースの教育を開始するために必須条件となっている。
- ※参考:
- 各評議会の詳細
<http://www.edu.ru/db/mo/Data/d_03/pr4319-2.htm>
- ※出典:
- The Ministry of Education and Science “Russian Education”
<http://www.edu.ru/db/portal/sred/index.htm>
accessed on 28 November 2008.
- 高等職業教育のための国家教育基準
高等職業教育のための国家教育基準は、初等及び中等職業教育の基準と比較すると、より大規模でより洗練されたものとなっている。高等職業教育のための国家教育基準には3つの世代がある。
第1世代の基準は、教育に関する連邦法(1992年7月10日付No.3266-1 <http://www.consultant.ru/popular/edu/43_1.html>)の運用が開始された直後から推進された。1994〜96年の期間中に基準制度が確立されたが、その内容には以下の事項が含まれる。
- 主要教育プログラムに義務化されている最低限の内容
- 学生の学習負担の制限
- 卒業生に必要とされる専門技能水準
教育・科学省が特別理事会のために作成した分析報告によれば、教育基準の第1世代は、経済的低迷期に作成され、大部分は学界の影響を受けていた。また、高等教育の一般的かつ基本的な性格等、ソビエト教育の最良の伝統は保持されていたが、経済、経営及び人文科学系ではマルクス・レーニン主義の瓦解により大幅な変化が生じた。国家教育基準を基礎としたバカロレア(4年制)及び専門高等職業教育(5年制)は、1994〜96年の間に確立された。しかし、基準作成作業における知識及び経験の不足のため、当時の基準には多くの不完全な部分が存在していた。
この時代のMA (Master of Arts) プログラムは、国家教育基準ではなく、「行政長官による規制」を基礎としたものであった。行政側の基本路線は、研究及び教員養成のための教育であり、ビジネス及びその他の実務的な教育ではなかった。なお、職業リストには、92の大分類及び422の細かい専門科目が掲載されている。また、1996年8月22日に承認された高等職業教育に関する連邦法(No.125-FZ、1996FZ <http://www.mzsrrf.ru/prav_zak/181.html> )は、以下のような連邦国家教育基準要素を設定した。
- MEP(The Main Educational Programs:主要教育プログラム)における共通必要条件
- 実施のための条件として、MEPの義務的最低内容の必要条件。これには、教育及び実務インターンシップ、卒業証明及び卒業生の専門的技能水準が含まれる。
- MEP合格に向けたスケジュール
- 学生の学習負担の限度
- ※出典:
- The Ministry of Education and Science “On elaboration of the new generation of the state educational standards and gradual transition to the multi-level system of the higher vocational education” at January 31, 2007
<http://www.edu.ru/db/portal/spe/3v/310107l.htm>
accessed on 28 November 2008.
第2世代の高等職業教育基準に関する法律は2000年に公布された。前世代の基準と比較すると、新世代の基準には一定の改善が見られた。まず第1に、バカロレア及び管轄権を含む高等教育の多様なレベルにおいて、基準作成における調整が行われた。第2に、これらの基準は、高等教育の卒業生の雇用主として主要連邦省庁と基準に関する調整が行われた。第3として、エンジニアリング及び技術領域において、専門家に対する基準が創設された。バカロレア及び管轄職に関しては240の職業群に対して国家基準が存在し、320の専門教科を含む大分類では88の基準が設けられている。ソビエトの終焉時と比較すると、学術的自由度は高くなっているが(1988年にはわずか10%の通常プログラムが大学の支配下にあったが、2000年には、30〜40%に増加している)、第2世代基準ではカリキュラム作成の文化を変えることはできなかった。この作成作業では、専門職技能ではなく、主として最大限のデータ及び情報の提供に重きが置かれた。このほかに重要な問題点は、教育プログラム及び特定地域の労働市場の需要とのギャップである。
国家教育基準の第3世代は、2007年以降に作成が開始された。主要路線は、大学の自由及びより高い移動性を基礎とした、より自由な欧州の制度との調整の提供である。ロシアは、「ボローニャ・プロセス」に参加することになり、教育の成果(卒業生の専門家能力)及び教育における品質管理制度に焦点を当てた主要な目標を受け入れている。特に、新制度は学生、ECTS(European Credit Transfer System:ヨーロッパ単位互換制度)の教授及び欧州ディプロマ補完制度に対して履修科目数の算出を要求している。また、当新制度は、雇用主による需要を考慮に入れ、また雇用主との協力により作成された専門基準を基本とした教育基準を設定することが要求される。
国家教育基準の新たな第3世代の創出は、ロシアの職業教育制度にとって戦略的事業となっている。教育・科学省によれば、作業は20年以上の年月が必要であり、まだ完成には至っていない。この制度は2000年に創設され、ロシアにとって現在は高等教育のための国家教育基準の第3世代を作成する責任を負っている。当制度は、ボローニャ・プロセスへのロシアの参加活動の一部として開発されたもので、同様な原則及び基準※1を基礎とした教育制度の調整及び協調が行われている。
高等職業教育のための第3世代国家教育基準の開発が開始されたことは、実際に資格に関する国家枠組みの開発「第1段階」もあった。この第1段階は完了し、ロシア連邦欧州資格制度の草稿及び枠組みのモデル化を開発中である。
- ※1
- ロシアは、2003年に「ボローニャ・プロセス」に加入し、それ以来、「チューニング・プロジェクト」に参加している。
<http://tuning.unideusto.org/tuningeu/
images/stories/template/
General_Brochure_final_version.pdf>
- ※出典:
- The University of MGIMO、ボローニャ・プロセス「ロシア連邦国家報告2005-07」
<http://bologna.mgimo.ru/fileserver/File/
reports/2007_Russian_Federation.pdf>
教育・科学省は、2006〜10年の教育発展を目的とした連邦目標プログラムの下で、当該分野における作業部会を設立した。ここでは、資格証明の中心的な水準における専門教育の結果を説明するための資格記述書が編集されている。「ロシア連邦資格証明国家枠組み(草案)」は、欧州議会の推薦する「生涯教育のための欧州資格証明枠組み」と比較すると、資格証明の分類、内容に関する知識の分類、能力及び専門的技能及び全体としての技能要素の点において対応している。資格証明国家枠組みは、開発者のグループ及び現在の条件に系統的かつ十分に合致する専門職の説明を提供する雇用主の代表の協力により開発された。ロシア連邦の国家資格枠組みを基盤とした専門職基準の設定に雇用者は既得権を有しており、企業経営者の組合及びRSPP(Entrepreneurs of Russia:ロシア企業家集団)のイニシアチブの下で、現在この作業に多くの専門家のコミュニティーが参加している。
最近、雇用主協会は、人的資源の質の低下に懸念を持ち、事業活動のタイプ及び個人証明書の統一制度に従って、統一専門職基準に関する系統的な作業のために数々の手段を講じている。多様な産業部門における雇用主協会の指導の下、RSPPのイニシアチブにより、NAPK(National Agency of Professional Qualifications:国家専門資格機構)は専門職基準の開発を行い、その完成された基準をロシア教育・科学省に対して提出した。当省は、国家教育基準を考慮に入れて専門職基準をさらに開発を進める予定である。
- 追加的技能のための国家要件
- 1999年11月2日付ロシア連邦教育・科学省決議No.754 「追加的教育から高等教育の形態の認定に関して」
<http://www.edu.ru/db/mo/Data/d_99/n754.html>
- 2000年9月6日付ロシア連邦教育・科学省決議No.2571 「専門職訓練のための命令及び条件に関する規則の承認に関して」
<http://www.edu.ru/db/mo/Data/d_00/2571.html>
- 2004年3月9日付ロシア連邦教育・科学省決議No.1136 「追加的技能に関して専門家に対する最低基準内容に関する国家要件及び要求水準の公布に関して」
<http://www.edu.ru/db/mo/Data/d_04/1136.html>
- 2002年1月24日付ロシア連邦教育・科学省決議No.180 「追加的技能「高等教育における教育者」に関して、専門家に対する最低基準内容に関する国家要件及び要求水準の公布に関して」
<http://www.edu.ru/db/mo/Data/d_02/180.html>
追加的技能の国家要件は、労働市場において切迫した需要のある狭い範囲の特別な専門職を対象としており、学士あるいは修士等完全な高等教育を基礎として、追加的な訓練を提供することが可能である。例としては、国際会計、財務管理及び監査に関する専門家に対する要件は、2001年12月3日に教育・科学省により承認されている。
専門種目は、経済学、経営学、財務及び信用、会計、監査、ガバナンス、マーケティング等の科目で、学士以上の資格を持つ者を対象としている。この基準は、ロシア国家基準である「会計、分析及び監査」を発展させるものであり、国際会計報告基準に関する国連の政府間専門家作業部会の提言を基礎に準備されたものである。合計履修時間は1,414時間で、卒業論文の作成も課されている。また、当基準及びその他の基準の構造は、高等教育に係る基準と類似したものである。追加的技能の国家要件が市場の需要に対応しておらず、変化のスピードも十分ではないことが問題である。したがって、多くの新しい専門分野が適切な基準に及んでいない。この需要と実際に存在する基準との差異は、特に国際ビジネス及び革新技術等を含むビジネス及び経営管理の領域で大きい。
職業能力基準は、政府・専門家組織と連携して学術分野のコミュニティーが開発しており、これらの政府・専門家組織が基準の実施を監督している(図4-1参照)。

図4-1制度の構造
高等教育を例にし、当制度の運営を説明すると、現在、2001年4月19日付ロシア連邦教育・科学省決議「高等職業教育に係る国家教育基準作成の管理構造に関して」を基礎として運営される国家教育基準の設定には、特別な制度が存在している。当制度は、以下の3つのレベルから構成されている。
- 第1レベル(もっとも高い水準)
教育・科学省の下で高等職業教育に係る国家教育基準の作成に関する連邦評議会である。当評議会の主たる責任は、1) 高等職業教育に係る国家教育基準プロジェクトの設置、2) 教育計画及び教育プログラムの指標、3) 専門職リストの刷新、科学分野の内容に関する最低要件に対する共通のアプローチを提供することである。
- 第2レベル
科学分野の調整評議会である。これらの評議会は、基準及びその教育内容の構造に関する勧告を作成し、それを基礎に上部の連邦評議会に対して提案を行う。
- 第3のレベル(基礎段階)
教育メソッド協会及び応用科学評議会である。これらの組織は、特定の科学分野(数学、物理等)における国家教育基準、プログラムの基準、教育課程での必要条件の作成に参画している。
なお、レベルの上部にある組織は、その次の下にあるレベルの組織を監督し、また下のレベルは、その次の上の段階にあるレベルの組織に対して提言及び勧告を行う。
- ※出典:
- Ministry of Education and Science, Requirements for the “Economist on international accounting, financial management and auditing” at December 3, 2001
<http://www.edu.ru/db/portal/spe/dop_zip/10.htm>
- Ministry of Education and Science of the Russian Federation Resolution on April 19, 2001 No 1766 “On structure of management for elaboration of State educational standards of higher vocational education”
<http://www.informika.ru/text/goscom/
dokum/doc01/1766.html>
accessed on 28 November 2008.
4.1.2 整備状況
初等職業教育の職種リストは、2007年12月14日付ロシア連邦教育・科学省決議No.339 「初等職業教育の職種リストの承認に関して」に基づき作成されている。表4-1は、初等職業教育職種リストの一部である。
表4-1 初等職業教育職種リスト(抜粋)
| コード※注1 |
職業グループ及び職種の名称 |
学習時期に依存する
コード番号※注2 |
| 020000 |
自然科学 |
|
| 020600 |
水文気象学 |
|
| 020604 |
- 水文気象士 |
43 |
| 030000 |
人文科学 |
|
| 030500 |
法律 |
|
| 030506 |
- 陪審書記 |
43 |
| 032000 |
文書調査 |
|
| 032003 |
- 秘書 |
43 |
| 032004 |
- 文書保管人 |
43 |
| 032005 |
- 事務職 |
43 |
| 032400 |
広告宣伝 |
|
| 032402 |
- 広告宣伝代理人 |
43 |
| 040000 |
社会科学 |
|
| 040100 |
ソーシャルワーク |
|
| 040105 |
- ソーシャルワーカー |
43 |
| 060000 |
健康管理 |
|
| 060100 |
健康管理 |
|
| 060115 |
- 医療準看護師 |
43 |
| 070600 |
デザイン |
|
| 070604 |
- 美術品製作及び展示 |
43 |
| 070605 |
- 宝石職人 |
44 |
| 100000 |
サービス |
|
| 100100 |
サービス |
|
| 100117 |
- 金属加工操作及びガス器具保守 |
42
43 |
| 100118 |
- 管理者 |
44 |
- ※注1:
- 最初の2桁は職種グループ、次の2桁は訓練指示、最後の2桁は具体的職業を表す。
- ※注2:
- 42 - 中等教育未修了で1〜2年の教育、43 - 中等教育未修了で3年の教育(中等教育修了者は1年の訓練)、44 - 中等教育修了で4年の教育(中等教育修了者は2年間の訓練)
- ※出典:
- The Ministry of Education and Science of the Russian Federation Resolution on December 14, 2007 No 339 “On approval of the List of occupations for the elementary vocational education”
<http://www.edu.ru/db/mo/Data/d_07/prm339-1.zip>
accessed on 28 November 2008.
なお、当リストに掲載されている職種の数は、325職種となっている。中等及び高等教育のための全ロシア職種コードは、ロシア連邦教育・科学省及び2003年のロシア連邦技術規制及び測定に関する連邦機構により作成されている。なお、表4-2は、当職種リストの一部である。当リストには、「自然科学」、「数学」等、28の統合された科学分野及び職種のグループがあり、職種の合計は758となっている。
表4-2 中等及び高等教育のための全ロシア職種コード(抜粋)
| コード※注1 |
職業グループ及び
職種の名称 |
職種別資格 |
教育水準に依存する
コード番号※注2 |
名称 |
| 020000 |
自然科学 |
|
|
| 020500 |
地理学及び地図作製法 |
62
68 |
地理学学士
地理学修士 |
| 020501 |
- 地図作製法 |
65
51
52 |
地図作製者
技術者
上級技術者 |
| 020600 |
水文気象学 |
62
68 |
水文気象学学士
水文気象学修士 |
| 020601 |
- 水文地質学 |
65
51
52 |
水文地質エンジニア
技術者
上級技術者 |
| 020602 |
- 気象学 |
65
51
52 |
気象学エンジニア
技術者
上級技術者 |
| 020603 |
- 海洋学 |
65 |
海洋学エンジニア |
| 030000 |
人文科学 |
|
|
| 030100 |
哲学 |
62
68 |
哲学学士
哲学修士 |
| 030101 |
- 哲学 |
65 |
哲学者 |
| 030200 |
政治学 |
62
68 |
政治学学士
政治学修士 |
| 030201 |
- 政治学 |
65 |
政治学者 |
| 030300 |
心理学 |
62
68 |
心理学学士
心理学修士 |
| 030301 |
- 心理学 |
65 |
心理学者
心理学教育者 |
| 030302 |
- 臨床心理学 |
65 |
心理学者
臨床心理学者
教育者 |
- ※注1:
- 最初の2桁は職種グループ、次の2桁は訓練指示、最後の2桁は具体的職業を表す。
- ※注2:
- 1桁目の数字は、5 - 中等職業教育、6 - 場合は高等職業教育を意味する。
2桁目の数字は、中等教育の場合、1 - 基本レベルの教育、2 - 上級レベルの教育で、高等教育の場合、2 - 学士、5 - ディプロマ、8 - 修士である。
- ※出典:
- All-Russian Code of Occupations for the high and higher education. Moscow, IPK Standards Publisher, 2003,
<http://www.ed.gov.ru/prof-edu/sred/rub/okso.doc>
accessed on 28 November 2008.
4.1.3 利用状況
教育界及び教育・科学省は、生涯学習に対するアプローチを共有しているが、現在ロシアには生涯学習制度は存在していない。通常個人は、1つの専門教育、中等あるいは高等教育を利用し、労働力人口の10%近くが追加の訓練あるいは再訓練を受講していることを考えると、10年に1回各個人は教育制度とつながりを持つことになる。
4.2 職業能力評価・資格制度及び実施状況
4.2.1 制度概要
1990年以降にロシア連邦に起きた変化の結果、また、質及び効率性を確保するため、新たな品質管理及び評価のための国家的仕組みが導入された。この仕組みには以下が含まれる。
- 国家教育基準
- ライセンス供与
- 国家認定
- 国家最終認証
国家教育基準に関しては、既に説明したので、以下ではライセンス供与から国家最終認証までの説明を行う。
- ※出典:
- The Ministry of Education and Science
<http://www.mon.gov.ru>
accessed on 28 November 2008.
- ライセンス供与
ライセンス供与とは、教育機関が適当な学習分野(専門)及び対応する教育水準において教育プログラムを実施する権利を付与される手続である。この手続は、専門的能力の認定、意思決定及び正式な権限付与書(ライセンス)の発行から構成される。ライセンス供与は、専門家委員会が実施する評価の結果に基づいているが、当該委員会は、教育当局(連邦及び地方)、教育機関及び市民の代表により構成されている。評価の目的は、1) 建築基準及び規則、2) 衛生基準、3) 学生及び教員のための健康管理能力、4) 施設への備品設置及び適切なインフラによる教育・学習プロセス、5) 当該機関の人員配備、6) 教育担当者の教育資格が国家及び地方の要件に対応しているか否か、また、その教育施設において提供される教育プログラム実施の条件が整っているか否かを決定することである。教育内容、組織及び教授及び学習プログラムのメソッドは、この評価には含まれない。ライセンスは、専門家委員会の結論を基礎として、国家教育行政当局あるいはその代理として地方教育行政当局により交付される。このライセンス供与手続は、西欧諸国には見られないものであるが、米国の州によるライセンス供与手続とは類似的な部分が存在する。
ライセンス供与によって教育活動に従事する権利が付与されるが、それだけでは国家が設定した様式による教育機関からの卒業証明書を授与する権利は与えられない。この権利を得るには、教育機関は国家認定を取得する必要がある。
- 国家認定
国家認定は、教育機関が国家的に設定された要件に適合する確かな証拠を基礎として、国家による教育機関の地位の正式な承認である。この手続では、教育プログラムの修了を証明する目的で発行され、国家が指定する正式な様式での証明書を授与する権利を教育機関に付与することになる。この手続で付与される権利には、ロシア連邦の国家印章の利用及び国家予算の財政支出計画に含まれることが挙げられる。国家認定は、国家教育機関及び民間教育機関の双方がその認定の対象となる。高等教育機関に関しては、国家認定は高等教育国家委員会の命令によって規制されている。認定プロセスで検討されるのは、以下の主要な2つの点である。
- 教育機関のレベルの認定
申請機関が提供する教育レベル(一般教育、職業教育、大学以外あるいは大学レベルの高等教育)により決定される。教育機関のレベルの認定は、以下に掲げるポイントの分析及び評価の結果をもとに付与される。
- 教育内容(カリキュラム及び講義細目)の国家教育基準への一致
- 教育及び研究プロセスの情報基盤(多様なサポートの上に立つ近代的な情報ソース。このサポートは、教育プログラム内容及び情報伝達、保存手段等に対応する書籍あるいは電子的に取得できるものを含む)
- 卒業生の実務知識及び技能が国家教育基準(卒業生の知識及び技能水準に関する最低必要条件)に一致すること。
- 教育機関の種類の認定
申請機関が認定を受けることを希望する教育機関が、大学、アカデミー、インスティチュート、カレッジ、tekhnikum、uchilishche等の種類により決定される。教育機関の種類の認定は、教育機関に関して確立された類型にしたがって、申請機関の特徴の調査を基礎として実施される。その類型とは以下のとおりである。
- 教育機関により提供される専門教科及び教育プログラムすべてのリスト。
- 卒業生が上級レベル(修士、博士及び大学院)での継続学習の可能性。
- 研究成果の内容(基礎、応用、実験)及び量並びに科学教育の実施状況。
- 教育機関のスタッフが作成する、テキスト、研究論文及び教材及びそれらの教育課程に関する規定
- 研究職及び教員の構成。
- 教育プログラムの規定及びその実施に必要となる教育及び研究施設及び器材
- 卒業生の雇用機会に関する規定及びリサーチ・プロジェクト実施の機会に関する規定。
- 教育機関に設置される、学生寮、食事施設、社会医療サービス、スポーツ及び娯楽施設等の施設。
- 国際協力活動への関与状況。
- 教育機関が文化及び教育のセンターとして実施する活動。
認定手続には、自己評価及び同格の機関からの評価が含まれる。国家認定の取得を希望する教育機関は、自己評価から開始しなければならない。自己評価は、教育・科学省が開発した統一された要件及びメソッドを基礎として実施される。次の段階では、教育機関が国家認定のための申請を自己評価報告書とともに提出する。
申請書の受領を受けて、同格機関による評価のための専門家グループが編成される。当グループは、教育機関、学界、研究機関及び企業等の専門家により構成される。専門家グループは、自己評価報告書の精査、当該教育機関の一般的な質及び教育プログラムの質に関する即応的な評価を行う。専門家の批評及び査定という手段により、上述の認定要件に適合するか否かの判定が分析される。専門家の審査結果は結果報告に反映され、国家認定に係る決定の基礎とされる。
大学以外の高等教育施設の国家認定は、ロシア連邦の構成部分である国家管理組織により実施されるが、この組織は、当該教育機関の所在地域の教育を担当しており、また関連省庁もこのプロセスに参加する。
大学レベルの高等教育機関の国家認定は、教育・科学省により実施される。また、当省は、国家認定の統一メソッドの作成及びロシアにおける全体的な認定プロセスの管理に責任を持っている。
この責任を視野に入れて、認定問題に関する特別組織が設置された。教育・科学省は、認定問題のための特別なコンピュータ・ソフトを利用して国家認定に関するデータを統合している。
申請教育機関の国家認定に関する最終決定は、認定手続を実行する国家管理組織によって下される。大学レベル高等教育機関に関する最終決定は、一般・専門教育省によって下される。認定が認められる決定の場合、国家認定証書が授与される。この証書は、教育機関の地位(類型及び種類)及び認定された専門分野及び教育プログラム、そのレベル(大学以外、大学、大学院)、授与される学位及び資格、証書の有効期限を規定する。
ロシアにおける教育機関の国家認定手続は、1992年7月10日公布の「教育に関する法律」により導入された。ロシアにおけるすべての教育制度に対する認定手続の申請は、多大な時間及び作業が必要となるため、すべての国家及び地方の教育機関は認定済みとみなされる決定が下されている。
- ※出典:
- Consultantplus, Law On Education No. 3266-1, 10 July 1992
<http://www.consultant.ru/popular/edu/43_1.html>
accessed on 28 November 2008.
- 国家最終認定
国家最終認定は、卒業生の知識及び技能を国家教育基準に照らし合わせ評価することを目的とした特別な手続であり、国家認定に合格した教育機関に適用される。高等教育機関の場合、最終認証は国家の様式にそったディプロマ及び資格の授与で終了する。認証手続は、ロシア連邦高等教育機関の卒業生に対する国家最終認証に関して、1994年5月25日付教育省令(当時は高等教育国家委員会)によって規定されている。当省令は、2003年3月25日教育省決議No.1155により改定されている。
卒業生の国家最終認証は、下記のような1つあるいは数種類の評価手続から構成されている。
- 個別学科の最終試験
- 専攻分野の学際的最終試験
- 卒業論文あるいはプロジェクトの答弁
卒業論文あるいはプロジェクトの答弁は、国家最終認証の必須の要素である。この答弁に加えて、認証手続きには通常、最終試験(個別学科の試験あるいは学際的試験)が含まれる。評価手続きの完全なリスト、最終試験のプログラム、卒業論文あるいはプロジェクトの手続及び条件、及び評価のための基準は、関連する教育機関(あるいは学部)のアカデミック評議会により承認される。
個別学科の最終試験は、カリキュラムに対する卒業生の知識及び技能を明らかにし、特定の国家教育基準に定められた学科の最低基準を対象としている。特定の学科における学際的最終試験は、個別学科の内容に関する要件とともに、専攻分野における国家教育基準により設定された卒業生の一般要件を反映している。卒業論文あるいはプロジェクトは、それぞれディプロマ論文及びディプロマプロジェクトと呼ばれ、その主題は、当該高等教育機関によって設定される。学生は、提供されたリストから主題を選択する権利を有し、あるいは特定の主題への取り組み計画とともに自己の主題の提案を行う権利も有する。ディプロマ論文あるいはプロジェクトの作成に当たっては、各学生に対し監督者及びコンサルタント(必要な場合)が指名される。論文に関する答弁を実施する前に、すべての審査対象論文及びプロジェクトは、主題の分野の専門家による審査が実施される。
国家最終認証は、当該高等教育機関の地区監督官により設置される国家認定委員会の面前で実施される。国家認定委員会のメンバーは、特定の高等教育機関及びその他の機関の経験ある教授、研究機関の研究者、及び企業等の専門家である。委員長は、教育機関の外から招請され、当該機関を担当する管理組織により承認される。
- ※出典:
- The Ministry of Education and Science of the Russian Federation Resolution on March 25, 2003 No.1155
<http://www.edu.ru/db/mo/Data/d_03/1155.html>
accessed on 28 November 2008.
【成績評価システム】
ロシアの成績評価システムは、以下のようにすべての教育レベルにおいて統一されている。
- 5 - 優等
- 4 - 良
- 3 - 可
- 2 - 不可
- 単位認定及び単位認定なし
合格最低評価は、一般教育の場合3あるいは「可」、高等教育の場合単位認定である。学生の試験は学習した年の翌年以降となり、カリキュラムの各科目に合格した場合は、ディプロマが授与される。ロシアではより洗練された評点制度が存在していない。まれなケースとして、10点満点の評点制度を利用している場合もある。この例としては、国立大学及び高等経済大学が挙げられる。100点満点制は、ロシアの教育制度には適用されていない。
4.2.2 評価の実施状況
現時点では公式的なデータが存在していない。
4.3 相互認証
ロシア連邦においては、2つの国家機関がディプロマ及び学位の認証を担当している。教育・科学省は、高等専門教育に関する学位を担当する一方、最高認証委員会が博士号の認証の責任を有している。ロシアにおける認証及び同等価値認証に関するすべての業務は、高等教育証明書、学位及び就学期間の認証に関するロシア省庁間評議会による調整が行われている。
高等専門教育における国外で取得されたディプロマ及び学位の認証に関しては、申請者は、以下の書類を一般・専門教育省に対して提出しなければならない。
- 申請書
- 教育証明書(原本あるいは法的証明付きコピー)
- 証明書を補完する書類等(原本あるいは法的証明付きコピー)
申請者はまた、専門職としての経歴資格、実務訓練等に関連する文書を含む、申請者の教育を証明するその他の書類を提出することも可能である。すべての書類には、ロシア語への証明付き翻訳文書を添付しなければならない。必要な場合、一般・専門教育省は、ロシアあるいは外国の関連機関からの追加情報及び資料の提出を要求することができる。提出書類を審査する場合、以下の点が検討の対象となる。
- 教育証明を授与した教育機関は、母国において公式的に認定されているか否か。
- 教育証明書が母国において正式に認定されているか否か。
- ロシア連邦において、当該証明書の認定を想定した国際協定が存在するか否か。
- ロシア連邦において、当該証明書の認定した前例が存在するか。
- カリキュラム及び教授細目の内容
- 入学試験
- 各履修教科の学習時間数
- 試験制度
- 就学期間中に獲得した成績
- 実務コース及びその期間
- 最終証明(最終試験及び論文)
- 教育形態
- 補完教育
- 母国において、証明書保持者に付与される権利
審査においては、カリキュラム及び教授方法の差異より、取得した知識及び技能に大きな重点が置かれる。提出書類の審査の後、一般・専門教育省は、外国の証明書とロシアの類似するディプロマとの同等性に関する決定を下す。決定はまた、ロシア連邦が署名する認定問題に関する国際協定、あるいは交換プログラムに関する政府間協定、あるいは前例も基礎としている。
外国で取得された博士号の認証は、ロシア連邦最高認証委員会により実行される。外国で取得した博士号保持者を雇用する組織は、以下の書類とともに最高認証委員会に申請を行わなければならない。
- 雇用する組織の最高責任者による申請
- 申請者の職務経験及び研究活動に関する個人記録
- 高等教育ディプロマのコピー
- 論文、刊行物のリスト
- 認証の対象となる外国博士号証書(ロシア語に翻訳された)のコピー
ロシアの2種類の博士号(科学博士候補あるいは科学博士)と外国の博士号の同等性に関する最終決定は、最高認証委員会の理事会によって決定される。
ロシア連邦は、認証問題に関して、1) UNESCOの欧州地域各国における高等教育に係る学位等の認証協定、2) UNESCOのアジア大洋州地域各国における高等教育に係る学位等の認証協定、3) 認証に関する欧州評議会の協定等主要国際協定の締結国である。加えて、ロシア連邦は、60カ国以上との間で学位等の認定に関する二国間協定に署名している。
参考文献
- All-Russian Code of Occupations for the high and higher education. Moscow, IPK Standards Publisher, 2003,
<http://www.ed.gov.ru/prof-edu/sred/rub/
okso.doc>
- Consultantplus, Law On Education No. 3266-1, 10 July 1992
<http://www.consultant.ru/popular/edu/
43_1.html>
- Federal Law, No. 125-FZ, FZ of 1996,
<http://www.mzsrrf.ru/prav_zak/181.html>
- The Ministry of Education and Science of the Russian Federation Resolution on April 19, 2001 No.1766 “On structure of management for elaboration of State educational standards of higher vocational education”
<http://www.informika.ru/text/goscom/dokum/
doc01/1766.html>
- The Ministry of Education and Science of the Russian Federation Resolution on March 25, 2003 No.1155
<http://www.edu.ru/db/mo/Data/d_03/1155.html>
- The Ministry of Education and Science of the Russian Federation Resolution on December 14, 2007 No 339 “On approval of the List of occupations for the elementary vocational education”
<http://www.edu.ru/db/mo/Data/d_07/
prm339-1.zip>
- The Ministry of Education and Science
<http://www.mon.gov.ru>
- The Ministry of Education and Science “Law on Education”
<http://www.mon.gov.ru/dok/fz/obr/3986/>
- The Ministry of Education and Science “On elaboration of the new generation of the state educational standards and gradual transition to the multi-level system of the higher vocational education” at January 31, 2007
<http://www.edu.ru/db/portal/spe/3v/
310107l.htm>
- The Ministry of Education and Science “Russian Education”
<http://www.edu.ru/db/portal/sred/index.htm>
- The Ministry of Education and Science, Requirements for the “Economist on international accounting, financial management and auditing” on December 3, 2001
<http://www.edu.ru/db/portal/spe/dop_zip/10.htm>
- The University of MGIMO、ボローニャ・プロセス「ロシア連邦国家報告2005-07」
<http://bologna.mgimo.ru/fileserver/File/
reports/2007_Russian_Federation.pdf>
- The Constitution of the Russian Federation Chapter 2. Rights and Freedoms of Man and Citizen
<http://www.constitution.ru/en/10003000-03.htm>
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