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ブラジル

作成年月日:2009年12月28日

職業能力開発の政策とその実施状況

3.1 職業能力開発の背景

 ブラジルの職業教育は、1909年9月23日に当時ニロ・ペサニャ大統領が最初の職業訓練に関する法令第7756号を策定し、19の職業訓練学校を恵まれない子供たちのために設立したことに始まる。その法令の目的は、そうした施設において貧しい子供たちに必要な技術及び知的能力を与えることであった。
 1930年代には技術学校と中等教育機関(第2課程)を設立し、1940年代にはブラジル産業の成長に伴い職業訓練機関を設立した。1942年1月22日付の法令第4048号及び1943年商業教育基本法によりSENAI(全国工業職業訓練機関)が、また1946年1月10日付の法令第8621号と第8622号によりSENAC(全国商業学習機関)が設立された。SENAIとSENACは、給与から負担金を強制徴収し、普通教育システムと並行して、経済の第2、第3セクターに対応する労働力育成を担っている。1960年代には、国家教育基本法により、職業学校を普通教育学校システムと統合した。
 1971年には、職業教育と一般教育の二重構造を廃止するため、法令第5692号ですべての学校に副次的な職業教育を義務付けた。1982年の改正法令第7044号により、職業教育は学校の裁量により、訓練又は一般訓練を選べることになった。1996年の国家教育基本法(A Lei de Diretrizes e Bases da Educação Nacional:LDB)は、普通教育学校システムから義務化された専門技術教育を除外し、技術学校や公立、民間の専門訓練センターで提供するべきと説明している。1997年法令第2208号では、LDBの第30~42条を規制することにより高等教育を提供して、国際社会の新たな経済・社会的な需要、生産性や競争力に対応することを表明した。ブラジルでは普通教育システムと並行して3つの訓練レベルを確立した。基礎レベルは、以前のコースにかかわらず、労働者の資格取得、能力向上、プロ化することを目的とする。専門レベルは、高校生及び高校卒業生に専門技能を提供し、技術レベルでは、高校卒業生や専門スタッフに大学レベルの技術を与えることを目的とする。これらの措置に伴い、公立中学校から技術学習を廃止して中等学校を再編成し、連邦技術学校は高校課程を保持することとした。
 1996~2000年の職業教育政策の変更に伴い、州立高校への入学者は増加したものの専門教育水準に達しておらず、一方職業訓練校への入学者は減少した。
 ブラジルの教育と職業訓練政策は、連邦政府、州、及び地方という異なるレベルにより実施されており、多くの法律、規則及び特定法令によって支えられてきた。教育省、労働雇用省は50年代から体系的な方法を開発してきており、教育訓練のいくつかの様式は民間企業のプログラムに従っている。これらの計画とプロジェクトは、州政府と市当局のパートナーシップの下で開発され、雇用主、労働者、非政府組織、その他の市民社会団体が開発資金を提供する。しかし、教育と持続可能な開発モデル、及び国の発展強化を統合する政策モデルの実施提言は、依然として課題となっている。
 ブラジルは、近年重大な変化を経験した。産業は新たな生産拠点を作り出し、専門技術に必要な新技術を取り入れている。その上、今後数年は経済がより早く成長する兆しを見せており、そのことによって資格を持つ専門職の需要増が予想される。2010年までに、さまざまな分野で50万人の新しい技能者の雇用創出が見込まれている。
 2008年のブラジルの経済発展データによれば、国の教育率が7%上昇している。これは過去数年の高校生徒数を上回り、高校在学者数が40万人以上であることを意味している。この増加の影響は職業教育に見て取れる。教育全体の増加率が平均14.7%であるのに対して、職業教育は19.6%に上昇している。高校卒業生の数を含めると、入学者数は10.5%の増加である。

3.2 職業能力開発を進めるための国の政策

 労働雇用省は、訓練テーマについて、国家職業安定政策(SPPE)として策定された国家職業教育計画(PLANFOR)、州と市との全国ネットワークとして構築された国家雇用システム(SINE)を通じて議論した。このネットワークは州の調整者がプログラムといくつかの活動を統合する方法で成長した。その分野は、失業保険、労働力の仲介、資格制度、労働市場情報の提供とプログラム支援、雇用及び所得創出である。
 PLANFORは1995年半ばに遡り、当時初めて1995~1999年の課題、政策、戦略、実施計画が系統的に述べられ、職業教育についても明文化された。それは持続可能な発展プロジェクト、進歩的な考え方を模索する戦略で、転換し続ける職業分野で対象者と課題を明確にし、産業界、職業教育、訓練機関の結び付きを促進する。また、失業者や社会的に排除された者、特に若年者と女性に対する、資格付与及び能力向上訓練を通じて市民社会を支援する。これらの目標は、国家、州の職業教育プログラムを通じて実現し、危機的状況に対応し、生産改革を進めることである。
 政府の見解では、国家職業教育システムは、政府プログラムの概念、戦略、目標に正当性を与えている。国家職業教育システムには、次のものを含む。

  • 市民の普遍的な権利としての基礎教育を策定し、職業教育は初級、中級、上級の各段階において体系的に訓練を実施して人材を育成するために策定する。
  • 職業教育は、就業能力の回復に必要な、特に就職する能力と雇用を維持する能力の獲得に焦点を当てる。
  • 職業教育の活動戦略、特に雇用、所得維持のための職業訓練の必要性を明確にする。
  • 他の戦略及び福祉と競合しない職業教育を実施する。国家職業安定政策(SPPE)では、有意義で効率的な職業教育でなければ、緊張と不満がさらに増加するとしている。

  1. 基礎教育と職業教育
     Darci Ribeiro法、教育基本法(LDB)は、高校(1971年の法令第5692号に含まれる)の性質を変え、中等教育(第2課程)は進学準備、技術的な職業への就職という2つの機能を持つようになった。高校の性質は教育によって変わり、その変更は社会と社会的慣習に委ねられる。
     これは高校により広範囲な役割を与えることを意味する。実際に基礎教育の最後の部分を担い、以前は別の目的であった均衡の取れた教育と全生徒のための教育を連携して提供する。この法では、以下のとおり規定している。
    • 訓練により価値と技能を高めるには、訓練プロジェクトを社会のプロジェクトに組み入れる必要がある。
    • 時代の変化に適合した専門的な能力を向上させることにより、就労準備や基本的な方向付けを行う。
    • 自主的かつ熱心に学習を継続する能力を育て、より複雑な知識を獲得する。

  2. ブラジルのシステムと現行モデル
     世界で採用されている中等教育システムはさまざまであるが、ブラジルが選択したシステムは、科学技術分野を強化する一般教育と、補足的な職業教育である。これは中等教育における高等教育への準備と職業教育の折衷型から脱皮し、ブラジルの職業教育を、最終的、予備的な補完要素と定義した。

  3. ブラジルの新法
     1996年教育基本法(LDB)は、職業教育にとって画期的なものである。以前の法とガイドラインは、指導レベルや指導方法について常に職業教育を部分的にしか扱わなかった。学校教育の一環として、商工業分野、又は1971年の法令第5692号による職業学校において、訓練と仕事を特定の教育水準に結び付けることを法制化したのである。
     現行法では、教育のレベルと様式は、すべて職業教育に向けられており、それを全体として中級技能者の訓練だけでなく、教育の各レベルにおいて労働者に資格の取得、資格の再取得、再専門化を図ること、技術の更新と中等以上のレベルでの免許取得に向けられている。最後に、職業教育を全体として管理することは、法律では明らかにしていないが、職業教育は教育のサブシステムとして扱われている。
     教育基本法第39条では、‘生涯学習‘の概念について言及している。職業教育は、“生産的な生活のための永続的な能力開発”につなげなければならない。さらに、教育と訓練プロセスの関係を強化し、そこでは職業教育と、異なる形態の教育、仕事、科学、技術を統合する。この第39条、第40条、第42条は職業教育の補完的な性質を紹介し、その活動を公的学校教育を超えて拡大している。最後に、学校外や継続教育における能力の認定、認証方法については、既存法の刷新が求められている。
     1997年4月17日の法令第2208号が管理する規定は、法令第5154号にとって代わられたが、ブラジルの職業教育、特に技術教育に重要な変更をもたらした。法令第2208号は、職業教育の目的を規定し、こうした教育は学校と仕事を結び付け、労働者を分類、再分類、専門化する機能を持つとしている。法は、学校レベルとは無関係に中級、高級レベルの職務遂行を可能にし、科学技術分野での知識を向上させ、深めることに貢献した。
     制定された方針には、職業教育のレベルが定義されている。基礎レベルは、若年又は成人労働者を対象として、教育とは無関係に資格を取得又は再取得させる。第2レベルは、高校在学者、卒業生又は若年成人に資格を与える。第3レベルは、大学の学部生、大学院生を対象に科学技術に関する資格を与えるものである。
     1997年法令第2208号はカリキュラムを規定している。基礎レベルは非公式教育であり、公式に確立したカリキュラムはない。職業教育は、高校のカリキュラムから独立した独自のカリキュラム機関があり、補完的な役割を保持して、常に高校修了と同時、又はその後に行われる。つまり、基礎教育は職業教育に対して補足的な関係にあり、一般的な能力と技能に関して、生産的な活動を目指す若年者及び成人を対象に実施する。この訓練は、異なるレベルを目指し、資格を与え、専門性をさらに向上させ、若年者と成人を任意のレベルの学校教育で再教育する。それにより、専門家、高校卒業生、大学生、及び大学院生を登録することが可能となり、関連する分野において専門家の専門性を向上させる。
     現行の1996年教育基本法(LDB)は、技術学位の資格は国が認証するべきであると規定している。新コース開設のための国家教育委員会での承認プロセスの誤りを防ぐため、1997年法令第2208号では、教育機関が承認した実験的なカリキュラムの制定について規定している。カリキュラムは、教育省が国家教育委員会と協議してから評価承認され、国家的な修業証書の有効性について規制される。
     1996年教育基本法(LDB)と1997年法令第2208号では、連邦及び州の教育システムにより能力証明のメカニズム創設を規定している。これは、専門的な職業に従事する労働者に対して、正規の学校教育がなくても、試験などを通じてその能力を認める証明書を付与することを規定するものである。ただし、コーチとしての資格は、高卒でなければならない。

3.3 政府及び関係団体の制度、組織、機能

 ブラジル政府は、異なるレベルの政府(連邦、州及び市)及び、技術学校、連邦技術教育センター等により実施される訓練政策を策定してきた。これらのプログラムは法律、規則、個別の法令により法的支援を得ている。さらに、公立大学も、より高レベルの労働者を育成するのに重要な役割を果たしている。

  1. 連邦政府の責任
    【連邦職業及び科学技術教育ネットワーク】
     連邦職業及び科学技術教育ネットワークは、すべての州を網羅し、技術コース、高度技術、学部レベル、修士レベル、博士レベルの教育を行う機関を対象としている。連邦システムに統合された学校は、この教育方法の適用性について、彼らの学生が国の評価で常にトップになることで証明している。このネットワークの構成機関は以下のとおり。
    • 連邦教育、科学、技術機関
    • 連邦技術教育センター
    • 連邦大学に関連する技術学校
    • 連邦技術大学
     連邦職業及び科学技術教育ネットワーク詳細については、ウェブサイト(http://redefederal.mec.gov.br/)から見ることできる。

  2. 州政府の責任
     ブラジル専門化プログラムが目的とするのは、州の専門及び技術教育ネットワークを強化することである。このイニシアチブは、連邦資金を州が技術学校に投資できるようにすることである。2007年に創設されたこのプログラムでは、職業教育と一体化して公立高校を近代化し拡大することが、教育開発(PDE)の目標の1つであり、高校の知識を実用に組み込むことである。ブラジル専門化プログラムは地方の学校の基礎教育の発展に注目し、学習の向上を図る。高校の評価は、政治的及び教育学的記述と、詳細な予算と活動計画より行われる。入学者数の増加や、地域の社会指標として18~29歳の雇用増加、非識字率、教育、失業、暴力及び犯罪も分析される。

  3. Sシステム
     労働者の保護や訓練を行う機関で、Sシステムと呼ばれるものが、労働者の給与から強制的に徴収される負担金を基に維持されている。Sシステムには、SENAC(500の全国商業学習機関)、SENAI(454の全国工業職業訓練機関)、SENAT(全国運輸機関)、SENASCOP(全国徒弟訓練協力機関)及びSENAR(全国地方学習機関)が含まれる。
     最近連邦政府と、Sシステムの4団体(SESC、SESI、SENAI及びSENAC)との間で、歴史的な合意がなされた。この合意では、当局が低所得の学生及び労働者のために、無料の訓練場所を設置するため、収益の3分の2を充てるプログラムへの参加が定められた。さらに、新たに最初の訓練コースの時間数を増やし、160時間以上に変更する。
     フェルナンド・アダッド教育相は、「これは職業教育への無料アクセスを拡大する活動である。基礎教育を受けているがより高い教育を受けられないブラジルの若者に焦点を当てている」と述べた。2009年以降、無料コースを提供するため、SENACの例では機関の20%以上を既に確保し、2014年のSENAC、SENAIでは、無料コースは50%になる。2014年までに、すべての機関が収益の66.6%を無料教育に振り向ける、つまり資金の3分の2が、低収入の学生や労働者に投資されるということである。
     全国工業連合(CNI)のアルマンド・モンテイロ・ネット会長によれば、Sシステムは署名時点から職業コースへのアクセスを拡大する責任は大きかったという。ブラジルはより多く、より良く、学生と労働者を訓練しなければならず、Sシステムはこの需要を認識しないわけにはいかないと彼は言う。
     無料訓練コースは主として基礎教育の学生のために確保される。この措置により、技術訓練は一般教育に関連付けられる。
    これがSシステムを統合する団体としての、最初の大きな改革である。これは60年間で政府が初めて提案したシステム変更であり、議論はブラジル社会に大変有用であった。

  4. 民間部門
     ブラジル地理統計院(IBGE)が教育省と協力して実施した「若年者と成人の教育と職業教育の補完的な側面」という研究では、私立学校が2007年に実施した職業教育には学生の53%(1,800万人)が参加したと指摘している。

3.4 予算と財源

  1. 公的資金
     一般的に、公教育は税及び法により企業が教育積立金として徴収する追加分担金で実施されている。実際には、連邦政府は、50年代から教育省及び労働雇用省を通じて、民間企業のプログラムに従っていただけでなく、組織的な方法でいくつかの職業教育訓練を実施してきた。今日ニュースになるのは、これらの省が州や市とともに採用した現プロジェクトの性質による。ほとんどのプロジェクトは、全国規模で新財源(通常は公的資金)があり、雇用主、労働者、非政府組織、その他の団体を含む多くの部分に分かれた管理モデルを実行する。
     PLANFORは、管理、資金提供モデルに大きな変化をもたらした。これは失業者、失業しそうな労働者、あるいは最初の仕事を探している若年者向けのプログラムで、総額は約6億5,000万レアル※1となっている。これらプログラムの資金は、労働雇用省を通じて、労働者保護基金(FAT)から提供される。FATの特徴は、給与からの1%の徴収(PASEP)、組合費の20%(雇用契約によるすべての労働者の義務で、残りの80%は組合資金となる)及びファンド自体による融資である。
     FATには現在、480億レアル(約26億ドル)の財産があり、公的雇用サービスシステムの資金となっており、財産の3分の2に相当する300億レアルによって、経済社会開発銀行(BNDES)が融資する雇用と所得を創出する特別プログラムを保持している。
     公的な雇用システムのための資金は、労使政の3者からなる労働者保護基金審議会(CODEFAT)が管理する。CODEFATは、使用者代表としてCNI(全国工業連合)、CNC(全国商業連合)及びCNF(全国銀行連合)、労働者代表としてCGT(労働者総同盟)中央組合労働者、CUT(中央統一労働組合)組合労働者及びSDS(社会民主連合)、政府からは労働雇用省、福祉省及びBNDESが参加している。
     同様の3者委員会は26の州と連邦地区、2,400の郡、5,514の市の43%でも見られる。これら委員会は審議のための恒久的な存在であり、特にFATから資金を受けた公的な雇用政策を作り、提案し、モニターし、評価することを目的としている。委員会の主要な対策の1つは、州資格計画PEQsであり、これは資格と再訓練を結び付けている。
     5億レアル以上が、州の統合高校教育の実施を奨励すべく、教育省から移管された。この資金は教育基盤整備、管理の育成、教育実践、教師トレーニングのために使われる。2011年までに、このプログラムは9億レアルの資金を、職業教育を実施する州と市に投資することになっている。
     2009年には、新たに連邦技術学校を100校設立することになっていた。連邦システム拡充の資金は、約11億レアルである。近年は、教育省が、職業教育に投資する最大の予算を持っている。この100の新設校は、地方のニーズに合わせる革新的なプロジェクトの一部である。これらの学校で実施する技術及び大学院コースは労働市場に組み入れられる。新しい技術大学はブラジルの若年者の機会を広げる。ブラジルでは、学校は基礎教育を行うが落第率が高い。18~24歳の若年者のうち、高等教育に進学するのは30%に満たない。新設100校の地域別の内訳は、北東部に33、南東部に28、南部に16、中西部に11となっている。各新設校には、設備と備品を含めて500万レアルが投じられている。
    ※1
    1レアル=52.7265円(2009年12月28日現在)

    【Brazil Professionalizedを通じた連邦政府から州への支出の見通し】
    • アクレ州(Acre)
      327万3,000レアルが、設備、教科書及び教員費用に委譲される。全部で、州の15郡の20校がこの援助を受ける。

    • アマパ州(Amapa)
      総額476万8,000レアルが委譲され、390万レアルは基盤整備に充てられ、残りは設備、教科書、教員費用に充てられる。11分校と2改善校が、州の5郡の6校を支援する。

    • バイーア州(Bahia)
      6,236万7,000レアルが委譲され、5万7,129レアルは基盤整備、520万レアルは設備の購入に充てられる。59分校と18改善校が、州の125自治体の125州立技術学校を支援する。

    • セアラ州(Ceara)
      1億1,572万1,000レアルが委譲され、すべての資金は基盤整備に充てられる。州の55自治体に、14の学校と分校、3改善校、75技術学校がある。

    • マラニョン州(Maranhao)
      1,670万レアルが委譲され、すべての資金は基盤整備に充てられる。州の5自治体に技術学校を新設する。

    • マトグロッソ・ド・スル州(Mato Grosso do Sul)
      29万レアルが委譲され、設備と教科書に充てられる。

    • マトグロッソ州(Mato Grosso)
      3,600万レアルが委譲され、基盤整備に充てられる。10新設校と28分校は、州の44自治体の53学校を支援する。

    • パラ州(Para)
      1,650万レアルが委譲され、基盤整備に充てられる。11分校、11改善校が、州の16自治体の22校を支援する。

    • パライバ州(Paraiba)
      1,742万レアルが委譲され、1,050万レアルは基盤整備に充てられ、残りの650万レアルは設備購入に充てられる。全部で、44郡の50校が援助を受ける。

    • ペルナンブコ(Pernambuco)
      80万3,900レアルが委譲され、設備と教科書に充てられる。全部で、30郡の40校が援助を受ける。

    • パラナ州(Parana)
      1億2,620万レアルが委譲され、7,780万レアルは基盤整備に、4,840万レアルは設備購入に充てられる。10の新設校、9分校、2改善校がある。全部で、170自治体の252校が援助を受ける。

    • ロライマ州(Roraima)
      43万3,000レアルが委譲され、設備と教育資料に充てられる。州の6地区の7校が援助を受ける。

    • リオ・グランデ・ノルテ州(Rio Grande do Norte)
      6,440万レアルが委譲され、6,340万レアルは基盤整備に充てられ、88万6,000レアルは設備購入に充てられる。43分校と56改善校がある。92自治体の115校が援助を受ける。

    • リオ・グランデ・ド・スル州(Rio Grande do Sul)
      1,570万レアルが委譲され、560万レアルは基盤整備、1,000万レアルは設備購入に充てられる。7分校、7改善校がある。全部で30郡の35校が援助を受ける。

    • サンタカタリーナ州(Santa Catarina)
      1,700万レアルが委譲され、1,040万レアルは基盤整備へ、710万レアルは設備購入に充てられる。業務計画には、新たな学校の建設、10の増築と3改善校がある。18郡の22校が援助を受ける。

    • セルジッペ州(Sergipe)
      87万レアルが委譲され、設備と教育資料に充てられる。9地区の11校が援助を受ける。

    • トカンティンス州(Tocantins)
      280万レアルが委譲され、設備と教育資料に充てられる。27自治体の33校が援助を受ける。

  2. Sシステムの財源
     毎年、Sシステムにより集められる全体の負担金収入(関連団体SESI、SENAI、SEST、SENATE、SESCOOPによる)は、約70億レアルである。職業教育の主たる機関SENAIとSENACは、負担率35%と40%で参加している。2009年、SENAIの推定では、新ルールで義務付けられたとおり、負担金総額の50%に相当する7億5,400万レアルを支払う。

  3. 教育の民間ネットワーク
     John Monlevadeによると、企業家は2006年に200億レアルを教育に、240億レアルを基礎教育に、60億レアルを専門教育に投資した。

  4. 結論
     2009年予算は、312億レアルであった2008年予算を100億レアル超過した。415億レアルは、基礎、職業、高等及び読み書き教育に均等に配分された。職業及び技術教育の連邦ネットワークを拡大する計画も、2010年までに110億レアル増加し、150の連邦技術学校を作る。
     職業教育をより身近なものにするために、さまざまな取り組みを実施する。Sシステムの改革、連邦プログラムと技術の拡大と「専門化されたブラジル(Brazil Professionalized)」は、1つのシステムをなし、ブラジルにおける技術訓練の実態を変えることになる。専門化されたブラジルは、学校、地方、地域の産業界が共同で人材を育成する計画で、地方の経済開発に組み込む。2010年には9億レアルを職業育成及び技術教育のために投資することになる。

3.5 外国・国際機関からの援助

 ブラジルの職業教育の団体は、膨大かつ選択可能なパートナーシップ・ネットワークと連携している。小さな地域社会から国際機関まで、会社から政府、非政府組織まで、大きな技術、情報、知識交換ネットワークであり、受益者はブラジルの産業と社会である。これら団体は、教育センターに新技術をもたらす研究とプロジェクトを実施する主要なパートナーシップを確立し、知識と情報の顧客への普及を可能にする。大学、労働組合、業界団体、重要な国内及び国際的な知識生産センターとの合意がなされる。この強い取り組みへの協力は、多角的な機関、ドイツ、カナダ、日本などの外国政府、公的及び私的な、国内の及び国際的な団体組織(ILO、UNESCO、IDB、UNIDOなど)と実施される。

  1. 国際的な技術協力の状況
     ブラジルでの技術的協力は2つの意図があり、発展途上国との連携と、海外からの協力である。発展途上国との連携は、ブラジルと他の途上国の間の技術協力であり、それを通じ関係強化と政治的、経済的結び付きを強化することである。他国から受ける協力には、二国間及び多国間技術協力があり、国際機関によりもたらされる専門技術の国際化を図り、国の発展を促進するものである。

  2. 国際協力庁(Brazilian Cooperation Agency:ABC)
     ABCは、外務省(MFA)の一部であり、ブラジルが他国や国際機関と合意した技術協力を巡るプログラムとプロジェクトを交渉、調整、実施、モニターする責任を有する。その使命を満たすため、ABCは外務省の外交政策と、国家開発の優先順位に従う。
     ABCの組織構造には、7つの調整要素がある。
    1. CGPD:途上国間技術協力の一般調整
    2. CGPD:二国間技術協力の一般調整
    3. CGRM:多国間技術協力の一般調整
    4. CGMA:農業、エネルギー、バイオ燃料及び環境における協力の一般調整
    5. CGTI:情報技術、電子管理、民間防衛、都市計画及び輸送における協力の一般調整
    6. CGDS:健康、社会開発、教育、訓練における協力の一般調整
    7. CGAP:プロジェクト追跡と計画会議の一般調整

    【CGPD-途上国間技術協力の一般調整】
     ブラジルは国際技術協力を、人々への積極的な影響を生み、生活レベルを上げ、現実社会を変え、成長を推進し、社会開発に貢献する手段である、パートナーシップの戦略的選択と理解している。CGPDの定義は、ブラジルの技術知識と非商業における経験の移転であり、関係者の自立を促進するものである。そのための手段としては、協議、訓練と設備供与がある。CGPDの使命は、ブラジルの途上国との関係を強固にし、技術交流、開発、普及と使用を拡大し、組織を強化するための訓練と人材に貢献することである。ブラジルの技術協力の最大の戦略は、福祉や非政府や商業的主張ではなく、パートナー機関の組織的強化に焦点を当て、効果的な知識の移転と吸収を前提条件とすることである。
     2004年以降、CGPDの特徴は次のガイドラインのとおりである。
    • ブラジルと途上国のパートナー、特にブラジル外交政策関心の高い国との緊密な関係を推進する技術協力プログラムを優先する。
    • 受け取り国の開発優先のプログラムにつながるプロジェクトを支援する。
    • 努力を、より影響力のある乗数効果の強いCGPDプロジェクトに向ける。
    • 結果が遠くまで及ぶプロジェクトに焦点をあわす。
    • できれば、国家の対応者のプロジェクト、及び/又はパートナーの機関の参加するものを支持する。
    • 真に国家の機関とパートナーシップを確立する。

  3. ユネスコ(UNESCO)と職業教育
     1997年より、世界の勧告に従い、職業教育はユネスコブラジル事務所の活動に基づいている。それは、1996年教育基本法に規定された改革の実行をモニターし、実施を支援することを特徴としている。連邦及び州政府と協力して、社会的ニーズのための考え方を広め、議論を進め、補助金を支給し教育システムを改善することに焦点を当て取り組んでいる。つまり、連邦、州政府、国際協力庁(ABC)、外務省、ユネスコの間で、職業教育のための技術協力合意(PEP)がなされ、実施される。この合意に基づき、開発行動を計画し、実行する。
     1997年以降、アラゴアス、バイーア、セアラ、エスピリトサント、マラニョン、マトグロッソ、ピアウイ、リオデジャネイロ、リオ・グランデ・ド・スル、セルジッペ、トカンティンスの11州が合意書にサインし、ユネスコとパートナーシップを組んで職業教育プロジェクトを育ててきた。職業教育と、国の経済的、社会的発展の影響を前にして、ユネスコブラジル事務所は、州と連邦政府を政策実行面で支援し、助成する方針である。その証拠として、現在3つの事業が展開されており、その目的は以下の分野で働く管理者と技術者に利益を提供することである。
    • 高校を職業教育に統合する政策の研究。この分野については、2州で、別々の実験に関する研究分析が行われている。
    • 国際技術職業教育訓練センター(UNEVOC)と協力し、UNESCO-UNEVOCの報告誌を出版、普及する。
    • パリのユネスコ本部のセクター教育及び中等教育と職業教育に関する記事を翻訳、出版する。若年者を訓練して、一般教育で得られる知識と実践的な能力の統合を可能にする若年者訓練を再考する。

3.6 職業能力開発の政策評価

【職業訓練政策の対費用効果の評価】
 「職業及び技術教育のための公共政策2004」において、職業訓練政策の対費用効果についてガイドラインを作成する提案をし、職業及び技術教育の政策を策定している。目的は効果的な活動を統合、民主主義の改善、市民、若年者、労働者の能力を向上し、社会的不平等を減らしブラジルの発展を構築することである。注目すべき点は、各種の公的私的ネットワークからの職業及び技術教育と教育機関の強化、刷新を助成する研究を奨励していることである。

3.7 職業能力開発の実施概況

 職業教育は、基礎、技術、科学技術の3つのレベルに分かれている。基礎コースは関心ある者は誰でも受講でき、学歴とは無関係である。技術コースは、高校に通学でき、卒業後は独自のカリキュラムを提供される。科学技術コースは大学レベルである。中等教育・技術部(SEMTEC/MEC)とともに、労働省がこれら3レベルの統計を取っている。職業教育の実施機関は以下のとおりである。

  • 連邦、州、市及び私立を含む高校と技術ネットワーク
  • 民間企業からの負担金により維持されるSシステム(全国学習機関及び社会サービスを含む)
  • SENAI/SESI(工業)、SENAC/SESC(商業、銀行を除くサービス)、SENNAR(農業)、SENAT/SEST(陸上運輸)、SEBRAE(零細及び小企業の全分野)、SESCOOP(共同組合を含む新たなサービス分野)
  • 公立私立大学、学部と大学院に加え、学外教育サービスと地域ケアを含む
  • 学校と労働組合が維持する訓練センター
  • 学校、事業グループが維持する財団(Sシステム使用のための分担金、又はシステムの分担金の免除)
  • 非政府組織(宗教組織、地域組織、教育組織)
  • 正規又は無料の職業教育、都市センターで実施する職業教育、及び郵便、インターネット、衛星による遠隔教育

 技術及びより高度の科学技術に関する中等後教育については、1999年に実施された教育省の専門教育調査によれば、ネットワークは3,948の教育施設から成り、その67.3%は民間部門、32.7%は公共部門である。民間部門の多様な形態の事業体には、Sシステム、職業教育契約、労働組合のような民間社会組織、起業家、NGO、地域団体、宗教団体、非宗教団体などが含まれる。公共部門は、3つの行政分野である連邦、州、及び自治体が運営する技術学校のネットワークで構成される。
 レベル別の割合を見ると、民間機関は、基礎レベル57.6%、技術及び科学技術レベルは全体76.7%のうち64.4%を占めている。Sシステムは、基礎レベルの占める割合が最も大きく19.1%、技術レベルが7.8%、科学レベル1.9%となっている。民間機関の占める割合が大きいが、公共部門は基礎レベルにおける、技術、科学技術の42.3%の35.5%を占め、これは全体の23.2%である。技術レベルでは、歴史的に州と公共機関(連邦、州、自治体)による投資が多く、依然として43.4%と大きな比重を占め、これは入学者の56.6%、コース卒業者の57.2%に相当する。同時に、民間機関は全体の56%を占め、入学者の43.6%、卒業者の47.1%となっている。公共機関の中で、州立ネットワークは技術レベルで公立校の71.7%と大きな割合を占め、コースの62.7%、入学者の65%を占める。連邦の公的機関は、技術レベルよりも科学技術レベルで学校数の50%と大きな割合を占め、コースの51.4%、入学者の25%を占める。市町村立学校は、3レベルのいずれにおいても数字的には少ない。
 職業コースは国家技術コース一覧にまとめられている。一覧は、技術コースの学生と教育機関のための進路ガイドとなり、国家教育審議会の基礎教育委員会(CEB/CNE)の決議第3号に制定されており、教育省(http://catalogonct.mec.gov.br/)で入手できる。
 この一覧には12の技術分野にわたる185コース、環境、健康と安全、学校サポート、産業プロセス制御、管理とビジネス、レジャーと接待、情報とコミュニケーションインフラストラクチャー、軍事、食糧生産、文化生産とデザイン、製造、天然資源などが記載されている。目標は、コースを科学的及び技術的特性によってグループ分けすることである。そこで、一覧では、企業が重要情報と各技術コースを結び付けられるよう工夫している。例えば、技術ハイライトがトレーニング中に地方活動に役立つこと、インフラストラクチャーと推奨時間と基礎的補助金がコースのモニター中に市民的行動に役立つこと、という具合である。
 教育省はまた、国家高度技術コースの一覧を発行した。これは学生、教育者、施設、供給者、システム、教育ネットワーク、クラスの代表者、雇用主、一般市民を、より高度の教育に導くものである。一覧には、高度技術コースがまとめられている。社会の技術的発展の中にある多様性を反映し、重要な理解のもと、生産過程、人間、環境と社会の環境の中で技術を使い、発展させ又は適応させる専門家を訓練するためである。技術コースは96あり、例えば写真、産業メカトロニクス、食品、家具生産、ポリマー、コミュニケーション、補助放射線技術などである。
 遠隔教育コースについては、ブラジル遠隔教育協会(ABED)が、種々の遠隔教育コースについて情報を提供している。情報はブラジル全体を網羅し、コースは各レベル、各地にある。ブラジルの専門教育と技術教育は、現在、次に述べる膨大なネットワークに組織化されつつある。遠隔教育コースの詳細については、ABEDのウェブサイト(http://www2.abed.org.br/d_cursos.asp)を参照。

3.8 公共職業能力開発実施機関

 多種多様なネットワークがある中で、2つの主要なネットワークがある。

  1. 連邦職業及び科学技術教育ネットワーク
     連邦職業及び科学技術教育ネットワークは、全州を対象とし、技術コース、高等技術、学部、院のコースを提供し、ブラジル国民が、ブラジル経済の各部門で専門家としての資格を得るよう任務を継続し、生産部門と協力して、研究開発(R&D)、新プロセス、新製品、新サービスを開発する。140施設と45万人の学生を擁する連邦教育地図は、教育省のウェブサイト(http://redefederal.mec.gov.br)で入手可能である。

  2. サンパウロ州パウラ・ソウザセンターのネットワーク
     サンパウロ州パウラ・ソウザセンターのネットワークは、167の大学(Etecs)と49の技術大学(Fatecs)を運営する。この数字は、サンパウロ州で2010年前半に139の市で活動を始めるイピランガ技術大学(Fatecs Ipiranga)などを含む。2009年後半、18万人以上の学生が教育機関に入学した。Etecsは15万3,000人の学生に奉仕し、そのうち3万8,000人以上は在学中である。85の資格を有する産業、農業とサービス部門向けの技術教育では、入学者は11万5,0000人を超える。Fatecsは46の学部に3万5,000人の学生が在学している。

3.8.1 目的、組織、施設など

 連邦システムは全州にある38の連邦施設であり、統合高校、高度教育及び技術学位を提供する。施設の中に、連邦ネットワークを拡充する計画、2つの技術教育連邦センター、大学と技術大学に関連する25の学校がある。
 1909年から2002年まで、全州で140の技術学校が建てられ、214の新しい学校が計画されている。2010年には、学校数は計画の354校を超える。全地域で、仕事は50万になるはずである。
 連邦施設については、下記のウェブサイトから使命、目標、特徴、施設の説明、人的資源が、州、町、地域、施設ごとに見ることができる。


3.8.2 主要教材、予算と財源、訓練コース、訓練方法

 コース一覧には、技術コース(環境、健康と安全、学校の支持、産業プロセス管理、管理とビジネス、レジャーと接待、情報とコミュニケーションインフラストラクチャ-、軍事、食糧生産、製品デザインと文化生産、産業及び天然資源)がまとめられている。12の技術分野にわたって科学技術の性質、185の技術コースがあるが、地域の特性にカリキュラムを合わせてもよい。

  1. 基軸技術:環境、健康及び安全コース
    • 地域社会の健康管理者に関するフォーラム
      時間:1,200時間

     健康増進、病気予防、健康維持のため、家族及び家のグループを公共医療サービスへ導き、同行する。地図作製、社会的データ(人口統計学的、健康に関する)を記録し、得られた情報を統合し、分析する。健康チームや地域と協力し、地方の健康システムの活動計画を作り出し、実施し、評価し、再計画する。公衆を健康委員会の会議に参加させ、動員する。特別ケアの必要な個人やグループを特定し、地域を共生への必要性について敏感にする。統一健康システムの基本の中でチームとして働き、サービス対象者の統合と基本健康ケアサービスを促進する。

    表3‐1 環境、健康及び安全コースの例
    訓練で取り組むテーマ 実施の機会 推奨インフラストラクチャー
    • ブラジルでの健康政策
    • 健康戦略ファミリー
    • 教育と健康
    • ライフサイクルの局面
    • 健康と病気プロセス
    • ヘルスケアの境界設計と組織
    • 作業倫理、情報及び記録
    • 統一健康システム
    • 健康増進、弱者への配慮
    • 家族:概念の拡大、特徴と差異
    • 統一健康システム
    • 最新の専門資料を所蔵する図書館
    • 特定プログラムを整備したコンピュータ実習室
    • 家族健康ユニット

     コース一覧では、10の技術分野での上級者の氏名、経歴、労働時間、最小限のインフラストラクチャーを示す。一覧には全コース名があり、写真技術、メカトロニクス工業、食品、家具生産、ポリマー、コミュニケーションと補助放射線学などはブラジルの全教育機関に採用される。

  2. 基幹技術:食料生産コース
     コースには、農業関連産業、食料、乳製品、食肉加工、ラム酒製造、ブドウ栽培とワイン醸造があり、食糧及び飲料の製法と産業化に関する技術を含む。計画、訓練、操業、管理を含み、加えて安全基準と物理的、科学的、生物学的品質に関して方法論を適用する。範囲には、技術的ソリューションと動植物製品に関する、機械器具、感覚分析、流通量と生産量の管理、害虫駆除、流通と市場調査を含む。

    • 農業関連産業における現在の技術
       科学技術的農業ビジネスは、農業関連の生産(種々の供給源からの材料の調達、加工及び販売を含む)、生産量、最終生産量、品質を計画し、実行しモニターする。動植物産品を加工する会社における専門的な業務は、経済的に採算の取れるプロジェクトと協力し、また農業機械の適切な使用を管理し、農産物、副産物利用を環境から考える代替技術の研究開発に取り組む。

    • 最小単位時間:2,400時間

    • 推奨インフラストラクチャー
       最新の専門資料を所蔵する図書館、生物学実習室(特定の微生物学実習室、食品プロセス実習室及び化学実習室)を含む。

     財務省によれば、2006年の職業教育のための公的な支出は17億1,340万米ドルで、教育費に占める割合は1.7%であった。

  3. パウラ・ソウザセンター
     パウラ・ソウザセンターは、92の技術コース、例えば砂糖とエタノール、インテリアデザイン、流通、動物科学などで、3学期当たり1,500時間の授業をしている。
     46郡に、49の技術大学(Fatecs)を有し、Fatecsには47の技術学部があり、農業ビジネスから精密工学、観光学、サービス学などの3年課程で2,400時間の授業を実施するコースがある。
      サンパウロ州の2008~11年の計画では、公立学校では857億レアルが、教育部、高等教育部とパウラ・ソウザセンターに分配される。

3.8.3 代表的なカリキュラムトその開発方法、教材とその開発方法、指導員、訓練生の募集、訓練生に対する優遇措置

 国家カリキュラムガイドラインによると、職業教育の指導原則は柔軟かつ実効可能であるべきである。コースは、専門家の訓練に必要な能力と技術に基づき作られ、コース一覧に記載された各科目の生産工程と技術進歩に従っている。職業教育の基礎レベルのコースは、非公式で規制されてはいないが、カリキュラムは技術レベル以上の形式と同様である。コースは、労働市場に認定された職業を参考にしており、雇用省のブラジル職業分類(Classificação Brasileira de Ocupações:CBO)に記載されている。
 労働者の仕事の機能、補助機能はカリキュラム設計の専門家と、産業の専門家によって調査される。この枠組みの設計は、学生が必要とする心理作用、社会感情、精神運動、又は認識を考慮に入れている。それは、機械論的調査の結果ではなく、新知識を含む心理的構成概念で、経済的、科学技術的変動に照らして改善と再専門化が可能となるものである。
 カリキュラム向上のため学校は、カリキュラム・プロジェクトを設置して、コースやモジュールを、事前許可なく最小必要時間の30%まで変更することができる。
モジュールカリキュラムの概念は、中間的な結果を構造的にまとめて、再度方向付け又は補うものである。職業教育でより大きな柔軟性を持たせ、学生に1つ以上のモジュール訓練を受けて労働市場に参加させ、学校に戻して彼らのコースを補完するものである。最終的にはモジュールの修了証をまとめて、高校修了証書を発行することになる。
 コース開発の教育的領域は、教室、作業場、実習室、適切なビジネス、技術訪問、実地活動、学校と産業の間の訓練準備である。その方法は、理論と実践の調和、関連付け、学習問題である。科学技術教育の情報システム(SIEPI)は、情報を集め仕事と科学技術教育の世界を調査する入口(Portal)である。このウェブサイトは、5つの地域観測所を統合したネットワークであり、EFA地域ネットワークの、体系化された団体である。
 EPTネットワークの情報に加えて、入口(Portal)はいくつかの公的研究ソース、統計情報、例えばIBGE、IPEA、INEP、DEESE、SEAD財団、大学、Sシステム、研究育成機関(Fostering Agencies Study and Research、CAPES、CNPq)、職業教育と労働省の雇用と所得創出政府プログラムの研究者の分析、国際組織(UNESCO、ILO、UNDP、IDB、FINEP)の研究につながりを持つことになる。
 学術機関SETEC/MECでの国家観測所と地域観測所ネットワークの実施は、大変重要である。というのは、提供される情報は国の職業技術教育の拡大と統合の公的政策を定義するために使われるからであり、国家の全EFAのプログラム、プロジェクト、実行の効率と効果を向上させるために必須だからである。
 2008年法律第11788号は学生の職業紹介を規定している。学生を(同時に10人まで)専門分野で訓練又は経験を積ませる雇用契約では、その学生に対して訓練期間中に支払われる額は、雇用による収入に応じて分類される。教育機関と学生の間で交わされた誓約は、順守が保障される。学生の利益となるよう市場価値に見合った災害保険に加入し、6カ月ごとに活動を大学に報告することになっている。
 私法及び公的管理の下での自律的な機関、財団、連邦、州、連邦自治領、市、並びに職業監督機関に登録された専門家は、2008年法律第11788号により、自らを監督する等の義務がある。
 国は、学生をインターンシップと労働市場に送り込むいくつかの機関を擁するが、教育機関が合意を無効にすることがある。

3.8.4 修了生の取得資格、修了生へのアフターケア、修了生の就職状況

 職業教育、又は職場において必要とされる知識は、学習を続けるか完了させるか判断するため、評価、認知、証明される。学校は、モジュールの技術コース、又は上級技術コースに参加した学生に、資格証明を発行する。上級職業教育の中間レベルのディプロマコースは、評価基準に合致し訓練カリキュラムを修了した学生に、就業証書が授与される。訓練コース、職業能力開発及び専門化コースは、修了証を発行する。修了証は、職務内容とコースの責任を記述して発行される。
 連邦ネットワークの技術コース卒業生に関する国家調査によれば、2003~07年の科学技術教育の卒業生の72%が、国の5つの地方による差はほとんどなく就職している。この72%のうち38%が、仕事と勉強を両立させており、教育の継続が基礎的な就業能力に重要であることを示している。インタビューを受けた者のうち、勉強だけを行った者は22%、働きも勉強もしなかった者は7%であった。卒業生の44%は技術分野で、21%が関連分野で働いている。この労働市場との緊密な関係は、全地方で見られる。特に、南部では全国平均より良く、技術コースが59%、関連分野が18%となっている。私立学校卒業者の就職率の統計は未だないが、いくつかの機関での調査の経緯から、結果は同様である。

3.9 民間企業が行う職業訓練への支援体制

3.9.1 公共職業能力開発機関による支援

 教育組織委員会は、学校社会の種々の参加者、すなわち事業者、親、及び関連する国際機関により構成される。参加型の計画と管理プロセスの統合と正当化、学校と地域の連携強化と、職業開発活動への支援を目指す。
 企業と、社会の最も多様な部門は、プログラム、プロジェクト、取り決めを通じて、教育と、学生の専門性と、就職を支援する。支援の内容は、教育と技術的職病レベルに合わせクラスを分散して設置(学校の管理でいくつかのコース)すること、技術的トレーニングを割り当て、企業や地域において仕事や資格のある労働者の業績向上、人材派遣や臨時雇用の対策、専門家の具体的な要求、職務遂行能力の最も良い業績、住民への最もよい質の教育で、そうすることで社会的一体性が促進する。
 教育活動に加え、技術教育から生ずる他の活動、例えば地域サービス、技術援助、技術産出と移転、理論的及び応用研究、製品開発、異なる分野でのプロジェクト開発、科学的改善、研究所の活用、国際関係などがある。

3.9.2 その他

 多くの連邦、州職業訓練センターは、国内、国際交流の部門を持っており、目的とするのは協力や、研究に関心ある教師、学生、技術及び管理スタッフのための学問的な交流である。


参考文献等

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  3. Centro Paula Souza. (n.d.).
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    http://www.mtecbo.gov.br/cbosite/pages/home.jsf
  5. Instituto Nacional de Estudos e Pesquisas Educacionais Anísio Teixeira (Inep) (n.d.).
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  6. Ministério da Educação. (n.d.).
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  9. Monlevade, John. (2007). To understand the FUNDEB.
  10. Plano de Desenvolvimento Institucional (PDI). (n.d). PDI 2009-2013 (propota).
    http://www.cefetba.br/pdi/index_arquivos/Page740.htm
  11. Redenet. (n.d.).
    http://www.redenet.edu.br/geral/links.php
  12. Terra. (n.d.).
    http://noticias.terra.com.br/

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